表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/116

婚約破棄をしようとする婚約者の証人を次々に友人達が論破していたら、大使館の人間が私が公爵令嬢を襲わせようとしたと証言してくれました

「リディアーヌ・インスブルク、俺は貴様との婚約を破棄することをここに宣言する」

 壇上にアラベラと上がったエイベルの声が私に聞こえたときだ。

 私は今まで私がやってきたことが灰燼に帰した事を知った。今まで必死に我慢して努力してきたことが水の泡になったのだ。この8年間の努力が全て無駄になった。


 でも、それと同時に


 パリンッ


 レナートが作ったエイベルに逆らえなくなる枷がはっきりと割れる音を聞いたのだった。



 そして、エイベルの婚約破棄の声とともに、私達の周りをわらわらと現れた騎士達が取り囲んだのだ。

「キャーーーー」

「何なの?」

 クラスメート達が騒ぐ。


「何だおまえらは」

 レックスとハワードとアーチ達が私の周りを囲んでくれた。


 それを遠巻きに騎士達が取り囲んだのだ。


「リディアーヌ・インスブルク。貴様は俺の婚約者であることを笠に着て、貴様自身があるいは取り巻き達を使って、我が国の公爵家令嬢のアラベラ・トレントにした嫌がらせの数々の証拠は挙がっている。そのような心ない嫌がらせをする者など、俺の婚約者としてふさわしくない。よってここに婚約破棄することにした」

 私は思わずエイベルをガン見した。なにそれ? そんな理由で婚約破棄なんて出来るの?

 私は呆れてしまった。


「バーバラ嬢」

 エイベルが一人の少女を壇上に上げた。

「はい。私はバーバラ・ドッチモーアと申します。私はリディアーヌ様がアラベラ様に水をぶっかけるのをこの目で見ました」

「まあ、なんてことなの」

「酷いわ」

「おいたわしいアラベラ様」

 貴族の女達の声が聞こえた。


「おい、それは、リディがされていたことじゃないのか?」

 レックスが馬鹿にしたようにぼそりと声に出してくれた。

「そうだ。俺はあの女が魔術でリディの頭の上から水をぶっかけようとしたのを見たぞ」

 ハワード言う。

「リディに反射されて自らかかっていただけだろう」

「何だよ、自作自演かよ」

 アーチの声に剣術部の面々がどっと笑ってくれたんだけど。

 最初は驚いていた生徒達も今度は白い目を壇上の3人に向け出した。


「いや、そんな事は……」

 バーバラは騎士達の笑いに声が出なくなった。

「何をいっているそんなわけは無い!」

 エイベルが慌てた。


「トミー!」

 慌てたエイベルは次に自分の側近を呼んだんだけど……次は何するんだろう?


「私はトミー・マクレガーだ。私はEクラスの女性がアラベラ嬢の教科書を隠すのをはっきり見ました」

 トミーが言い切ってくれるんだけど、私がそんなくだらない事すると思っているんだろうか?


「えっ、私はさっきのバーバラ様がこそこそとEクラスに入っていくのを見て、何しているんだろうとみていたら、リディの鞄から教科書を勝手に取り出してどこかに持って行こうとしていたけれど」

 大声でベティが叫んでくれた。

「あ、俺も金をやるからリディの筆箱を持って来いってアラベラ嬢に頼まれました」

「私も、いやだって言ったら平民の分際で逆らうのかって逆ギレされました」

 クラスの面々が言ってくれるんだけど。

「おいおい、アラベラ嬢の差し金か」

「やることが卑怯だよな」

 Eクラスの面々が叫んでくれた。


「そんなわけは無い。勝手なことは言うな」

 慌てた、エイベルが言うが、

「私は嘘は申しておりません」

 はっきりとベティが言い切って、何も言えなくなったのか

「ジェイソン!」

 更に側近を呼んだ。


「私はジェイソン・アンダーソン。私は剣術部の面々がアラベラ様を取り囲んで虐めている現場に出くわしました。助けようとした私を見て剣術部の面々は慌てて逃げ出しましたが……」

「何言ってるんだ。それはいつもリディがアラベラ嬢にされていたことだろう。最もリディは囲まれても平然と飯食っていたけどな」

 アーチの声に

「さすがリディ」

 皆どっと笑ってくれたんだけど……

 ちょっとそこ笑うところなの!

 私は別に囲まれていようが嫌みを言われていようが、時間が無いときはご飯を食べるのだ。おなかが減って授業中に頭に入らない方がよほど大変だから。何しろ先生方の私に対するあたりは強いのだ。誰の差し金か知らないけれど……私は遠くで事の成り行きを見ている学園長を睨み付けた。


 エイベルは自分達の側近を証人に出すなんて、こいつは馬鹿じゃないのかと私は思った。普通は証人は第三者、特に関係ない人間をつれてくるものなのだ。自分の側近なんて証人にはなり得なかった。

 それに皆に否定されたんだけど、どうするつもりなんだろう?



「ふんっ、貴様らが元気の良いのもここまでだ」

 しかし、何故かエイベルは笑っていた。

 私は少し嫌な予感がした。

 こいつら更に企んで何かしたのか?


「マック!」

 文官風の男がエイベルに呼ばれて壇上に上がった。

 誰だろう? 

 私はこんな男は見たこともなかった。


「私はインスブルク大使館に勤めているものです」

 男は突然話し出したのだ。

「私はそちらにいらっしゃるリディアーヌ様が大使館で破落戸どもを雇って、アラベラ様を襲わせるようにと指示していらっしゃるのを聞いたのです」

 その男の話し出したことは衝撃的なことだった。

 私は嵌められたと悟ったのだ。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

絶体絶命? のリディ。

続きは今夜です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の次の作品はこちら

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://ncode.syosetu.com/n9267kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ