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大国王妃視点 夫に説明を受けて最悪の状態になっていることを知りました

私は未だに病床についていた。

あの憎き竜娘の友人を捕まえて竜娘を呼び出して懲らしめようとしたら、王宮を破壊されて竜娘に張り倒されたのだ。息子と同じ全治3ヶ月の瀕死の重傷を負わされたのだ。癒やし魔術師が必死に治療していなかったら死んでいたと思う。初めて息子の苦痛が骨身にしみて判った。

あやつだけは絶対に許さない。

私は心の底から決心したのだ。


そして、今、私の仇も含めて息子が討伐に向かってくれた。


「あの子は大丈夫かしら」

私は戦場に向かった息子のことを少し心配した。


しかし、今度は二十万もの軍勢で向かったのだ。

それも兄のアンダーソン公爵がついいている。

今回は問題ないだろう。

そう安心していた。


そして、息子が捕虜にしてくれたら、あの憎くき竜娘をどのように料理してやろうか?

それを楽しみにしていたのだ。


竜娘は我がシュタイン王国に反逆してくれた。

鉱山送りの鉱山娼婦ではもはや許されない。

処刑は確実だ。

串刺しの刑にするのか、八つ裂きにするのか、のこぎり引きの刑にしても良いかもしれない。


私は泣き叫ぶ小娘を思うと溜飲が下がった。


そう、私は確実に息子が竜娘を捕まえてくると思っていたのだ。




「えっ、嘘でしょう」

その知らせを聞いた時は私は驚いた。


最初の知らせは我がシュタイン王国軍二十万が破れたということだった。

私には信じられなかった。



次の詳細の情報はクラークと宰相が持ってきた新聞だった。

「えっ」

私はその新聞を見て絶句した。

我が息子が竜娘の竜に咥えられて振り回されている挿絵が一面にでかでかと載っていたのだ。


『竜姫、婚約破棄された腹いせに竜に王太子を咥えて振り回さす』

見出しにでかでかと載っていた。


「そ、そんな、馬鹿な。息子は、エイベルはどうなったの?」

私は知らせに来たムクラークとタース宰相に聞いていた。


「殿下は竜王国軍に捕らえられたそうです」

「そうなの。生きているのね」

ムタースの声に私はほっとした。そのまま古代竜に食べられたのでは無いかと危惧したのだ。


「クラーク、直ちに釈放するように竜娘と交渉してくれる」

私は夫にお願いしたのだ。


「キャメロン、それはやぶさかではないが、それ以前に火急を要する案件が出てきたのだ」

「あなた、エイベルの命以上に大切な問題があるの? あの子はこのシュタイン王国の王太子なのよ」

私は思わず叫んでいた。


「妃殿下、それはこのシュタイン王国が存在してこそ、言えることなのです」

「えっ、シュタイン王国が存在してこそってあなた何を言っているの?」

私には横から話し出したムタースの言っていることが理解できなかった。


「戦闘で、アンターソン公爵は重傷を負って捕虜になりました。軍の二十万の大半が捕虜になっております。軍の大半をエイベル殿下が連れて出征されましたので、この王都には今近衞1個師団と騎士団の予備兵力1万しかおりません。

それに対して竜王軍は3万の軍が3方から我が王都を目指しているのです」

宰相が説明してくれた。

「直ちに残りの軍を集めれば良いのでは。まだ十万は残っているでしょう」

私は夫に聞いた。


「それは集めているのだが、兵士達は地方に抑えとして配置した兵士だ。中々動員に苦労しているのだ」

クラークが説明してくれた。

「そんな高々3万よ」

私は信じられなかった。


「国境がきな臭くなってきたし、ドミバンがこれ幸いと攻勢をかけているのだ」

「おのれ蛮族め。竜娘と連動しているのね」

私は歯ぎしりした。


「それと王都近郊の貴族達が次々に竜王国に降伏しているのです」

「なんですって!」

私はムタースの報告が信じられなかった。


「敵は降伏した領主達の軍勢を吸収して今や十万に達しようという勢力になりつつあるのだ」

「なんでそんなことに」

私にはクラークの言葉に更に驚かされた。こちらが必死に集めてもその数になるかどうかだった。

でも、そんな簡単に降伏するものなのか? 中央部は先祖代々シュタイン王国に付き従って来たものが多いはずだ。


「竜娘は我が父から息子が無能だったら国を譲ると言われたと主張しておるのだ」

苦々しげにクラークが吐き捨ててくれた。

「な、なんですって。そんなことをお父様がされたとは信じられないわ」

私は怒りのあまりクラークを睨み付けた。

「俺もそう思うし、貴族達もそれを信じた訳では無いだろう」

「当たり前です」

「でも、それを言い訳にして大挙して降伏しているのだよ」

「そんな」

私にはクラークの言葉が到底信じられなかった。


「王都は恐慌状態になって慌てて、住民が大挙して家財道具をまとめて郊外に離脱を始めたている」

クラークは現状を報告してくれたのだ。


「どうするのあなた」

「俺は味方を糾合して一戦するつもりだ。

なあに、俺もシュタイン王国の王だ。そう簡単に負けはせんよ」

クラークは私に笑いかけてきた。


「ただ、戦では何が起こるか判らん。そなたも最悪の事態を想定しておいてほしい」

そう言うとクラークはムタースを連れて部屋を出て行ったのだ。


「そんな、最悪の事態って何よ! シュタイン王国が滅ぶって言うの? それはあり得ないわ」

私は叫んだが侍女の誰もそれに頷いてはくれなかったのだ。

ここまで読んで頂いて有り難うございます。

一週間以内に完結します

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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