08.疑問と平叙
ガーネットの家...というか私の家(この世界の私専用の家らしい)で過ごして3日が経った。
この世界....いやガーネットについていくつか分かったことがある。
ひとつ、ガーネットは自炊ができない。
初めてこの家に来た時も冷蔵庫の中には何もなかった。
あったものといえば”ジュース”や”アイスクリーム”くらいだ。
毎日ウーニャー(ウーニャーイーツの略)ばかりの生活だったらしい。
ふたつ、この世界はかなり”私がもともと居た世界”にかなり似ている。
違いは何?と聞かれたらわからないぐらいだ。
今頃あちらの世界ではどうなっているんだろう。。。
まあ、仕事も辞めたし、学生時代の友人とも連絡は頻繁にとっていないし
実家にも今は年に1回帰る程度。
誰にも迷惑や心配などはかけていないだろう。
そしてみっつめ、これが問題なのである。
ガーネットは”現役女子高生”つまりJKなのである!!!!
「ガーネット、学校に行くってどういうことォ!?」私はびっくりしすぎて声が裏返った。
『え、ふつーに、高校に行くだけやん』とそそくさと高校へ行く準備をしている。
黒髪のウィッグをかぶって、赤いリボンが胸元についているよくあるセーラー服を着ていたので
コスプレかなにかだと思ったら高校に行くだと!?
『もーれみたそ!ウチ時間ないから行くわな!と、とりま家からは出たらあかんから!!ほなー!!いってきまーす』と、ああ、もう行ってしまった。
鍵もまだ貰ってないし家から出るわけには行かないので今日は家に居ようと思う。
「帰ってきたら質問攻めだな、、」
まあ、ここ数日の事をひとりで整理したい気持ちもあったので、1人になれて良かったのかもしれない。
そもそも転生したのはいつだっけ...
仕事を辞めた日だから..あれはたしか金曜日の夜か。
「最後の仕事が終わって、いろいろあって神社にたどり着いて、宝石が落ちてて...喋って、、なんだっけ」
まあ、もうそこに関しては考えてもわからない気がするので置いておこう。
「転生してきて、私はこの部屋の布団で目覚めた。うーん、あれは..お昼ごろだったよなぁ。つまり土曜日の昼。」
目が覚めた時には私はガーネットに髪も染められギャルメイクされていた。
だが、次の日にガーネットに髪色を染め直してもらい今は黒髪に戻っている。
この髪色を戻してもらった日は、近くのスーパーに買い出しに行って、家でたこ焼きパーティをして
二人で大盛り上がりだった。
「関西人はたこ焼き機が各家庭に1つはあるってケ〇ミンショーで言ってたけど本当だったんだなあ。そして、この日が、、日曜日か。」
そして、今日が月曜日。
「もと居た世界と時間の経過も同じっぽいか....。本当によく似た世界だな...。」
本当に何が違うのかわからないレベル。
「まあ、異世界転生して、魔王と戦ったり、世界を救ったり、みたいな私には順応できないような世界よりはいいか。」
少し興味はあったけど。
もう転生してしまったのだから、それはもう仕方ない。
そもそも、もとの世界にあまり未練もないし。
今はこの問題について考えたい.......ガーネットが”JK”であること!!!
いやいやいや、確かに肌のキメとか細やかさが明らかに私よりピチピチしてて、若いとはおもってたけど!!
「まさかJKとは思わなかった、、てかJKで一人暮らし!?親御さんは!?」
本当に色々疑問がありすぎて頭がパンクしそうだ。
でも私は、自分が異世界転生してきたことを今、受け入れてることができている。
落ち着けばなんだって受け入れられるはず。
「うん、大丈夫、ガーネットが帰ってきたら落ち着いて話そう。」