06.閉じ込めたもの
『清楚メイク!!!絶対似合うやん!!』ガーネットはにっこりと広角を上げてそう言った。
「え、ギャル……ギャルメイクじゃなくてもいいの?」そう言うとガーネットは私の肩をポンポンと優しく叩きながら『なぁ~にをそんな不安そうな顔してんねや!言うたやんか!ここはれみたそのしたい事してええ世界や』と笑いながら答えた。
『着たい時に着たい服着たらええ。したい時にしたいメイクしたらええ。今日は清楚、今日はギャル、今日はすっぴんとかでもええ。したい時にしたいようにしたらええ!』
私はハッとした。
そんな当たり前のことが大人になるにつれて分からなくたっていたのだ。
いつ頃からかはわからない、でも分からなくなっていた。
いや…分からないんじゃない。
抑え込んでた。
しまい込んでた。
隠していた。
こういう格好しなきゃ馴染めないとか、これが好きだと周りに引かれるとか、
この流行を知っとかなきゃハブられるだとか、。
普通に生きなきゃって、普通が1番だって。
モテる女子はこういう女子!だとか、周り気にして当たり障りない服買って、
これぐらいの収入がないと生きていけない!とか気にして、やりたくもない仕事毎日して
頑張ってお金稼いで…職場と家を行き来して、コンビニ飯毎日食べて、
疲れすぎてメイク落とす余裕もなくて寝落ちして、朝起きて後悔して...。
そんな生活続けてたら、友達と遊ぶ時間もなくて、気づいた時には友達は結婚して出産して、。
ってか、ガーネットのいうギャルメイクももちろんしてみたいし!
いろんなメイクしてみたい。
清楚メイクしたいってあれだけ思ってたのも
そのほうが世間的に良いかなって……
転生世界に折角来たのに、まだ私世間気にしてる。
ガーネットなら、、ガーネットならどんな私でも受け入れてくれるのかな?
少しずつそう思い始めた。
「ガーネット、私ね、抑え込んでた。やりたい事…めっちゃあるかも」そう呟くと
ガーネットは眼の色を変えてこう言った
『今、なんて言うた?』