11.ハピネスプラン開始
この間から始まった”私専用の世界で最高の幸せを掴み取る計画”。
通称”ハピネスプラン”。
ガーネットが『”私専用の世界で最高の幸せを掴み取る計画”なんて長すぎ!覚えられへん!』と言うので
私が最近流行りスマートフォンで使えるお手軽なAIシステムに「”私専用の世界で最高の幸せを掴み取る計画”を略してくれない?」と問いかけてみたところ”ハピネスプラン”と返答が来たのでそう略している。
もちろん転生してきたときにスマートフォンなども一緒に転生してきたわけではないので、新しくこの世界でもスマートフォンを作った。最近は家の近くでいろいろと買い物をすることも増えたが、どうやらここは 大阪 らしい。まあ、ガーネットもコテコテの関西弁なのでそうだろうとは思っていたが、ここは大阪のミナミのほうだ。あいにく私はあまり大阪はそんなに詳しくない。
私は生まれも育ちも三重県だ。大阪には観光で数回来たことがあるがあくまで観光なので
大阪の有名な遊園地であったり、有名な動物園などにしか行ったことがない。
こんな住宅街などはわかるはずもなく未知の世界だ。
そして、今日は私のハピネスプランにある”かわいくメイクしたい”を叶えるべく、ガーネットがコスメがたくさん売っている大阪の有名なお店に連れて行ってくれる......はずなのだが。
「おーい、ガーネット、起きてーっ!」ガーネットの体を揺さぶる。
『グゴゴゴゴ、』
「ダメだ.....起きない...」見ての通りガーネットは爆睡している。
「ほーら、よだれ垂れてるよ、もーう」私は優しくティッシュペーパーでふき取ってあげる。
こうやって見ているとガーネットは本当に綺麗な顔立ちをしている。
真っ赤に染まった綺麗な髪、シュッと整った人形のような鼻、赤くまるで宝石のガーネットのような瞳。
陶器のように肌もツルツルとしている。
「あーっ、私もかわいくなりたい」天井を見上げ呟いていると
『はあ!?あんたはかわええわ!!』という声が聞こえてびっくりしすぎて私は手に持っていたティッシュペーパーをガーネットの顔に落としてしまった。
『わー!!!なんやこれ、濡れてるやんか!鼻水か!?』
「ガーネットのよだれ!!」
『はあ!?ウチの!?え、てか今何時や!?うぎゃー!もう昼やんか!なんで起こしてくれんかったんや!』
「起こしましたけど!!」
『うっそーん、マジか、ほんまごめんやで、急ぐ。とりま顔洗う。』と洗面所に早歩きで行った。
だが、ガーネットは支度が長い。
なんせギャルなのでメイクにもヘアセットにも時間がかかる。
だけど、私はガーネットが支度をするのを見るのが好きだ。
心から楽しそうにメイクをしている。
私はあまりメイクをしたことがないが、全くした事がないわけではない。
多少はしたことがあるが何も楽しくない。
とにかく普通に職場に溶け込めるような大人しめなビジネスメイクしかしたことない。
「私もガーネットみたいに楽しくメイクできるようになるかなぁ」
今日はその為の第一歩だ。