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10 ゲーム三昧

毎日二話更新。こちら二回目です。

 2015年8月。スマホゲーの一強であるFate/Grand Orderが配信開始となった。私は初日からプレイしたわけではないが、八月から触り始めたのは間違いない。


 そう、すなわち初期の地獄を体験している。あっという間に枯渇するアクションポイント。なのでメインクエストもリソース獲得クエストも全然進められない。サーバントもろくに成長させられない。スキル成長など夢のまた夢。フレンドが呼んだジャンヌとヘラクレスが攻略の主力。ワイバーンスレイヤー佐々木小次郎。ハズレ扱いされる諸葛孔明!


 何もかも懐かしい悪夢である。よくもまあ現状の形に落ち着いたものだ。もちろんスマホゲーだけ遊んでいたわけではない。もう一つやりこんだゲームがある。PS3,4で発売されていたFPS、Destinyだ。


 私はSFというジャンルが好きで、この世界観を気に入っていた。外宇宙から飛来した巨大な球体、トラベラー。その恩恵で地球圏は黄金時代を迎える。しかしそれを追いかけてやってきたエイリアン「暗黒」により世界は崩壊。それにあらがうため、トラベラーは選ばれた者に「光」という未知の力を与えて不死の戦士ガーディアンへと変えた……。


 SFの造形と神秘的なストーリーが合わさった不思議な世界観。様々な武器防具を集める収集要素。協力プレイ、対戦プレイなど遊び方が様々で飽きさせないような試みがされていた。


 私はこれを友人たちと遊んだ。大火力で高タフネスなボスも、友人たちと戦えば倒せた。ドロップ品に一喜一憂したのも懐かしい。……後にこれの2が出たのだが、こちらはあまり長くプレイしなかった。友人を誘う事が無かったのが原因だと思う。


 オンラインという事で、しばしの間ラグナロクオンラインもプレイした。2002年から運営されている老舗のオンラインRPGだ。二十代の頃はよくやっていたが、手が遠のいていた。出入りしていた掲示板からメンバーを募集し、一か月以上は遊んでいた。


 しかしそれも、11月まで。この月には、あのゲームが発売されたのだ。ベセスダソフトワークスの、Fallout4が。日本語訳は12月からだというのに、不完全な機械翻訳を当ててひたすらやりこんだ。


 ベセスダがこれの前に出したスカイリムもハマった私だ。こちらもまたドハマリした。最終的にはDLCを全部買って、何回もやり直したほどだ。ポストアポカリプスというジャンルからしか得られない心の栄養素というものは、ある。


 夏から冬にかけて、ゲームで遊んでしかいなかったのかと問われればNOである。九月ごろに、最初の義足が完成した。加減しながら、義足で歩く練習を毎日こなした。さらに、社会復帰に向けて動き出したのがこの頃。


 とりあえず、できることを確認した。バイクの免許は返納してしまったので、移動のための新しい手段を考える。そこで、自転車に目を付けた。自宅に置いてあったママチャリに乗ってみたが……ダメだった。


 90度までしか曲がらない右脚では、上手く自転車をこぐことができなかった。足を失ってからなるべく平気な自分を保っていたが、これにはショックを受けた。別に自転車に乗れなくても死にはしないし、移動手段は他にもある。それでも今まで当たり前にできたことが、できなくなったというのは辛いものがあった。


 河川敷で、母の軽自動車を借りて運転にチャレンジした。即座にギブアップした。まず、アクセルワークができなかった。右脚は義足である。当然ながらアクセルを踏んでいる感覚がない。足を動かして踏み込むことができても、加減が極めて難しい。


 さらに、義足を動かす事も辛かった。イメージしてほしい。右脚は切断され筋力は大きく低下している。その先に、義足という重量のある器具をぶら下げるのである。特別鍛えれば別だろうが、この時の私には無理だった。多分今もそう。


 この件で理解したことがある。普通の車を運転するのは無理だという事。これについてはショックを受けなかった。むしろ一般的な営業車両に乗らなくていいという口実をゲットしたぜと喜んだまである。


 ただ、自分の移動手段は確保しなくてはいけない。親戚の自動車屋に連絡して、左足でアクセルとブレーキが使える車を用意してもらった。なんでも千葉に、そういった改造を専門で行う工場があるという話だった。その車は今も使っている


 義足練習もしばらくすると、松葉杖が不要になった。コンビニへ買い物に向かいながら、歩く練習を続けた。自由に歩けるというのは、良いものだ。一度失ったからこそ、よくわかる。まあ、別に足を無くさなくても、数日引きずるような風邪にでもかかるだけで実感できたりするが。


 リハビリとゲームに明け暮れて、気が付けは冬。年を超えて2016年。怪我をして丸々一年を迎えようとしていた。

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