表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2 運命じゃない糸

 さて、一息ついたことにより俺は気づいてしまった。


 今、俺の目の前にいる彼女は俺が復讐するべき相手だ。


 そう、この美しいバイオレットの目と可愛らしい茶髪、そして汚れているが所々に前のような美しい白い肌がある彼女の名前を俺は知らないのだ!!!


 いや別にそこはいい。


 全く問題はない、いや人としてどうかと思うが、今は置いておいて。


 ・・・・・俺は彼女に恋をしている。


 うっそだろ?!


 いやそりゃあね?初めて会った時に「うわめっちゃ好き」とか思ったりはしたよ?!ひとめぼれだったよ?!


 いやぁ、そういう運命の出会いって現実にもあるんだな。てっきり少女マンガだけの話かと思ってたわぁ・・・・・。


 星水ゼロイチは復讐したい相手に恋をしてしまった現実が受け入れきれず、妄想の世界に逃げ込んで現実逃避する。


 あれ?よく考えたら一目惚れって外見だけ好きになったわけで、オレこの娘の性格とか知らないんだよな。


 もしかして俺は人の外見で好き嫌い決めてるのか?


 いかん、話が逸れた。

 とにかく自分は彼女が好きだ。だからといって「憎い」という気持ちが失われたわけではない。


 なんかのマンガやアニメで「愛と憎しみは表裏一体、コインの裏表」と言うが自分の場合は少し違う。


 自分は目の前の少女に愛も憎しみも両方ある。


 例えるなら天秤(てんびん)だ。


 憎しみが強くなる時もあるし、恋が強くなる時もある。今の自分の気持ちを客観的に見るならこう!


 復讐のキモチ 35% / 恋のキモチ 65%


 ハイ駄目みたいですねー



 ♢ ♢ ♢



 とりあえず水を飲んで落ち着こう・・・・・待て、よく考えたら彼女は水を飲めてるのか?


「あの・・・普段、水とか食べ物ってとれてます?」


「・・・・・」


 ゼロイチの言葉に少女は反応しない。


 まるで壊れた人形に話しかけてるみたいだとゼロイチは思った。


 とりあえず水を飲ませるために彼女に近づく。


 彼女の顔を近くで見ると、中性的な顔立ちでとても魅力的だった。


 復讐のキモチ 25% / 恋のキモチ 75%


 く、いやこれはしょうがない。うん、割り切っていこう。


 とりあえず彼女の口に少量の水を注いでみる。


「・・・・・(ゴクン)」


「お、飲んでくれた。よし、なら大体・・・1日に3回のペースで水を飲ませれば大丈夫か?・・・・・なんだか植物に水をあげてるような感覚だ」


 これなら食事もいけるか?


 だとすれば、だいぶ希望が見えてきた。


 先ずは1歩、人間にとって必要な衣食住のうちの「食」と「住」はOKだな。


「衣」に関しては・・・・・あまりよくないな。


 彼女の服装を改めて見れば、ボロボロの皮の服が1枚だけ。


 おそらくハッピー薬で夢見ごごちのところを狙われ、身ぐるみをはがされたのだろう。


 今の彼女の姿はまるで奴隷のようだ・・・・・吐き気がする。


 じゃあ彼女の服を買えばいいのだが、あいにくと今の自分には金がない。


 貯金はあるよ?あるんだけど、彼女の食費を負担しなきゃいけない+彼女がいつ廃人状態から立ち直るか分からない=金を無駄に使えない。


 まぁ自分の稼ぎがよかったら解決する問題だけど、そこまで稼ぎのいい仕事ではない。


「要はいつも通り働けってことね・・・・・じゃあ俺は出かけてくるから、大人しくして・・・いや、元気にしてた方がいいよな。まぁ、あれだ、いってきます」


 彼女の意識を蘇らせる方法は分からない。


 それでも声をかけつづけてみよう。なにかのキッカケになるかもしれない。



 ♢ ♢ ♢



 〜数時間後〜


 辺りは暗くなり、夜がやってきた。 


「ただいま〜っと・・・あれから1歩も動きはナシね・・・・・」


「・・・・・」


 家に帰って扉を開けても、彼女はソファにずっと座っていた。


「ま、地道にやってくとしますよ。とりあえずトイレに・・・・・待て、彼女1人でトイレに行けるのか?」


 いやいやいや!え?!え、自分がトイレも世話しなきゃいけないのか?!


 いやぁ・・・・・え〜〜〜?


「・・・・・」


「く、仕方ねぇ。()()()()()()()()()使いたくなかったけど、しょうがないか」


 そう言うとゼロイチは右手に魔力を溜める。


 すると彼の右手から1 本の植物の茎のような黄緑色の糸が出てきた。


 糸はそのまま少女の指に巻きつ

 き、星水ゼロイチと少女が1 本の黄緑の糸で結ばれた。



 ♢ ♢ ♢



 この異世界にやってきて過ごしている時に獲得した、自分が持ってるスキルの内の1つ「友情の糸」


 自分と相手の「感情」を繋げ、自由に感情を移動させることができる糸。


 例えばの話だ、嬉しい気持ち100%の A君と悲しい気持ち100%のB君がいたとする。


 この糸を使って2人を繋げると、あ〜ら不思議?!


 50%嬉しくて50%悲しい 気持ちのA君と、50%嬉しくて50%悲しい 気持ちのB君のできあがり!!


 さらにそれだけじゃございません!


 やろうと思えば100%悲しい A君と100%嬉しいB君にすることもできるのです!!


 と、聞こえるとチートのように思えるがそんなことはない。


 このスキルは自分と相手の「感情」というか「意識」を()()させるスキルだ。


 ()()()()()()()()()()()。相手が本気で嫌だと言えば、こんな細い糸は簡単に切れる。


 だが、今の彼女にそういった意志は恐らくない。


 なら自分が幸せだと思う気持ちを彼女に与え、彼女の中にある嫌な気持ちを自分が受けとめることで、彼女が意識を取り戻すキッカケになるかもしれない。


 なんにせよ、ものは試しだ。


 さて、そうなると自分は今から幸せな気持ちにならなきゃいけないわけだが・・・・・う〜ん、それって意図的に出せるものでもないよな。


 星水ゼロイチは過去にあった楽しい出来事を思い浮かべてみるも、「あ〜、あの時は楽しかったねぇ〜」と懐かしむだけで、あんまり幸せな気持ちにはなれなかった。


 なんとも冷めた人間だな、レンジで温める前の冷凍食品の方がまだ温かいじゃねぇかと、星水ゼロイチは心の中で自虐する。

 悩んでいると、ふと目の前の光景に気づく。


 あれ、よく考えたら今の状況って自分の指と彼女の指が糸で結ばれてるんだよな。


 ・・・やだ!これって自分と彼女が運命の赤い糸で結ばれてるみたいで、胸がキュンキュンしちゃう!!


「・・・」


「よし、めちゃくちゃキモイし一方通行の恋だけど幸せになった気がする!いくぞ、友情の糸!!」


 復讐 5% / 恋 95%



主人公のスキルの説明が上手く説明できてたら嬉しいですわ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ