表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1話 吸血鬼になった!?

デビュー作です。

よろしくお願いします。

この世界には、各種生態によって下位種、中位種、上位種と位が定められている。

下位種は、ゴブリンや、スライムなどの生態。

中位種は、大型モンスターや、人間などの生態。

上位種は、ドラゴンや、吸血鬼などの生態。

基本的にはこのように分類される。

だがごく稀に上位種の中から、神にも近しい全てを超越した存在が誕生することがある。

それらをこう呼ぶ。  

      「特級種」(エクシード) と




「まっっっっじで、この日常つまんねーーーーーー!!」

 

 どんよりとした天気の中、この歩き慣れた道を登校しているのは

今日で高校二年と八月を迎えた現役高校生だ。


俺は信じていた。

                      

アニメみたいに、所々で起きるイベントがあって、恋をして、青春を謳歌できるものだと。


 だが現実は、同じ時間に起きて、同じ時間に学校に行って、同じような授業を受けて、同じ道を通って帰って、同じ時間に寝る。

何も変わらない日々の繰り返し、、、。

 この日常に嫌気がさしている。


俺も馬鹿ではない。自分では気づいている。


「自分で行動しないと、何も変わらないということに。」

ただ自分は勝手に周りに期待してるだけだ。

行動に移せたら変われるはずなのに、一歩踏み出せば変わるはずなのに、その勇気がない。

 そんな自分に嫌気がさしている。


こんなことを考えながら歩いていると、ありえないスピードで回転して飛んでくる大型トラックが100mぐらい先に見えてしまった。


ーーーおい、これどういう状況だよ!!!


まってまってまって、これマジで死ぬ!!!


俺の脳内が赤いランプをピコピコ鳴らし続けている。

そんなことを考えているうちにトラックがどんどん近づいてきた。


やけに時間の流れが遅く感じる。


これがあの有名な、死ぬ直後に時間の流れが遅く感じるというやつなのか、、。

 俺はもう死を悟った。

 

ーーーそっか、俺は死ぬのか、、、


 その時俺の脳裏をよぎったのは、ただ単純な後悔の念だった。


あのとき、なんで変わろうとしなかったんだろう、、。

 

あのときっ!!

あのときっっ!!!!!


今さら何を考えても遅い、、。


もうトラックは目と鼻の先まで近づいている。

 

次の瞬間、俺は物凄い衝撃を感じ、気づいた時にはコンクリートの外壁に体を打ち付けられていた。


「オッえ・・・!」


肺が痙攣して空気が吸えない。 

声が出ない。

息ができない。

なんとか保っていた意識も、暗い闇のそこに沈んでいく。


 ここで、俺の短い人生の幕が閉じた、、 


      はずっだった、、。


ぼんやりだが意識がある。

目を開けてみると、そこには長いレッドカーペットが敷かれていた。その脇に一眼で分かる高貴な黒い服を着た4人の可愛い女の子が二手に分かれて綺麗な列を作っていた。


まず左手に見えるのは、

 金髪で、遠目で見ても分かる美人で色気がすごい女の子。

 眼鏡をかけた、清楚で真面目そうな黒髪の女の子。

次に右手には、

 幸の薄すい顔をした、紫色のショートヘアーの女の子。

 筋肉質で刀を腰にかけた、元気が良さそうな茶髪の女の子。

全員がこの世のものとは思えないほどの絶世の美女だ。

面白いほど、特徴が異なっていて個性的だが、一つだけ共通していることがある。

 

  ーーー目の色だ。ーーー


虹彩は赤くて、瞳孔は猫みたいに細くて、黒い。

 妙な威圧感がある。


とりあえず自分の置かれている状況を把握しようと、視線を動かして確認してみる。

わかったことは、

シャンデリアが吊るされていて、お洒落な石材が使われている綺麗な内装をした部屋だと言うこと。

次に、身の丈に合わない、赤色の玉座に座っていると言うこと。

 そこまで大きな玉座には見えないが、、、、。


それ以外は何にも分からない。  


ダメだ、状況が把握できない。


ここはどこで君たちは誰なのか、質問しようと声をだしてみる。

すると、  

「あぅ、アぅッー!」と


なんとも不恰好な声が薄暗くオシャンティーな室内に似合わず響き渡る。

 どっ、どう言うことだ、、、!?


分からない事が多すぎて、俺の脳みそはほぼパンク寸前だった。

 だが諦めてはいけない。

何事に、置いても諦めたらそこで試合終了なのだ。

どこかで聞いた事のある、とあるアニメの名言を思い出しながら、回らない頭で必死に考えた。


 俺は、気づいてしまった。

地面に届いていない、短い足に、、。

そう俺は、生まれて間もない、赤ん坊だったのだ。 

アニメ好きの俺はついさっきまで頭が回らなかったのが嘘のように素早く理解した。

 

 ーー自分が異世界に転生していることに。ーー


だって、普通に考えておかしすぎる。

自分が、赤ん坊になっているなんて。


「リ、リウィス様がお目覚めになった!!」

パニックに陥っていた俺を現実に引き戻してくれた、綺麗で、美しい声が俺の耳に入った。

この素晴らしい声の持ち主は、美人で色気が凄い金髪の女の子だ。

 この金髪美女が言った、リウィスとは俺の新しい名前だろう。


そしてこの声に気づいた他の女の子3人が、

「リ、リウィス様ーーー!!」

「えっえっえっーーん、良かったよ〜〜」

「本当に良かった!!!」

など、歓喜や感動や安堵を漏らしている。

なんでこんなに喜んでいる分からないので反応のしようがない。

反応するほどの、声も出ないし、表情筋も動かないのだが、、、。


そんなことを考えながら、話を聞いていると、聞き捨てならない言葉が聞こえてしまった。


「これで、我ら吸血鬼が世界を手にしたも同然ですね!!」

う、うん、、、?。 嬉しそうなのは、いいことだ。

それより、俺は聞いてしまった。

 吸血鬼という強烈なパスワードを。


まっ、、まーー気のせいだろ。

なんて現実逃避をしていると、避けられようのないハッキリした声が聞こえた。


「リウィス様が、我ら吸血鬼の王だーーー!」


筋肉質の茶髪の女の子が、声高らかにそういった。

度重なるパニックのせいで、俺脳みそは、限界を迎えたらしい。

俺の意識はここで途絶えた。





この時は、まだ誰も知らない。

自分の人生すら変えられなかった男が、この世界に良くも悪くも大変革をもたらすことに。




 







読んでいただきありがとうございます。

面白ければ、下の☆☆☆☆☆を押していただけると幸いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ