第九話
食事も終わり、母さんからの評価は上々、満足してもらえたようだ。そして、母さんから今日のことを聞かれる。
「今日はどうだった?今日オープンだったんでしょ?」
「まあ、初日にしてはかなり忙しかったよ。2人ではかなりきつかった。あと、結さんのお父さんに挨拶に行ったよ。母さん俺のこと色々と相談してたみたいだったから、かなり話が弾んじゃって開店時に店に行けなかったのよ。」
「そうなの?結ちゃんに迷惑かけなかった?」
「開店したばっかりだったから、あまりお客さん来てなかったみたい。」
「そう。それなら良かった。」
「なんか俺に頼みたいことがあるらしいんだけど、なんか聞いてない?」
「別に聞いてないけど。まあ、あんた色々と使い勝手は良さそうだからね。器用に何でもこなすし。」
「人を便利な機械みたいに・・・」
「まあまあ、あそこの家の人たちはあなたを悪いようにはしないでしょ。楽しみにして待ってれば?」
「そうなのかな?お姉さんはかなり感じ悪かったけど。」
「そうなの?結ちゃんにしかあったことないから、わたしはあったことないかな。お父さん曰く、めちゃくちゃ真面目な子って聞いたけど。気のせいじゃない?」
「なんか挨拶に来たんだけど、俺のこと見てない感じで不気味だったんだけど。」
「あんたの勘は結構当たるから嫌なんだよねぇ。」
こんなことを話していると、自分のスマホがなる。
『明日も通常通りにお願い。ゆっくりお休み。』
『わかりました。結さんもゆっくり休んでください。』
業務連絡だけだった。すると母が、
「あんたわかっているだろうけど、あんまり親しくなりすぎると、大変なことになるからね。女の嫉妬は怖いのよ。」
注意しているのだろうが、顔がニヤついている。
「わかってるって。節度は守るよ。俺の中で一番大事なのは何なのかわかっているから。」
「なら安心した。そろそろ、帰ってくるから掃除しておかなきゃね。」
「掃除なら少しは手伝ってよ。結構大変なんだから。」
「うーん、考えておく。」
これは絶対に手伝わないパターンのやつだ。即答してくれなければ確実に手伝ってはくれない。
「はぁ、わかったよ。掃除しとく。明日も早いからもう寝るわ。」
「はいはーい。お休みー。」
ゆっくりと風呂に入りながら自分も今日1日を振り返る。濃かった。いろんな人と関わることができたし、こもってた時よりも1日が長い。疲れた。お風呂の中で寝そうになった。もう上がって寝よう。風呂から上がり、11時には寝床に着いた。