第四十一話
そろそろ結さんと真由さんの話も終わったかな。お昼ご飯が運ばれてきた。
「花屋さんが経営してないと、お昼休みに休憩するところがないのよね。」
いつも花屋に休憩に来てくれる看護師さんだった。
「すいません。すぐに元気になって開けられるようにしたいですね。」
「お願いね。でも無理はしないこと。けが人なんだから。」
「ありがとうございます。今度から自分の妹も働き始めるのでお願いしますね。自分よりできる子なんで期待してくださいね。」
「あらそうなの。期待しちゃお。」
そういって看護師さんは自分に手を振りながら病室から出て行った。明るい人だな。この病院には本当にいい人が多い。
昼食を食べ終わると、佐藤さんが部屋にやってきた。お見舞いなら出来るだけまとめてきてほしいものだ。
「案外元気そうじゃない。4階の高さから落ちた人間だとは思えないわ。」
どうやら心配してきてくれたわけではないようだ。
「真由さんに自分のこと教えたのは佐藤さんでしたよね。」
「もう随分と警戒されるようになったわね。真由ちゃんに求められたから仕方なくてね。真由ちゃんは結ちゃんのこと大好きだから。」
「どこから仕入れたのかはわからないですけど、あまり他の人に言わないでくださいね。」
「わかっているわ。個人情報をあんまりベラベラと喋らないわ。」
この人がどこから自分の情報を得たのかはわからないが、注意してみておいたほうがいいだろう。
「似てますね。自分たち。自分と同じものを感じます。」
「そうね。似た者同士仲良くしたいわね。」
仮面の被り合い。本質なんて見えてこない。似た者同士は確か。仲良くは・・・おそらくできないとは思う。同族嫌悪ってやつだ。
「真由ちゃんの元に行くのよね?」
「そうです。自分がここで働くために。」
「結ちゃんはあなたと関わって確かに変わったわ。明るく、人との関わり方も上手くなった。でもね、誰もがそう変われるものでもないのよ。結ちゃんより真由ちゃんは手強いわよ。」
「自分が真由さんを変えるわけではないですよ。変わるのは真由さん次第です。もし、変わるきっかけになるのは紛れもない結さんですよ。」
「そうね。彼女を変えるのは結ちゃんしかいないかもね。だから、結ちゃんに先に行かせたんでしょ?私があなたでもそうするもん。」
「そうですか。」
佐藤さんはただ話しにきただけなのかそれとも念押しにきたのかわからない。
「まあ問題は起きないと思うわよ。君の選択は間違っていないもの。ただあの2人を傷つけることがあるなら容赦はしないわよ。」
「極力はそうしますけど、条件次第ですね。もし、結さんたちがうちの2人を傷つけることがあるなら容赦はしません。」
「それはお互い様ってことね。いいわ。」
「佐藤さんって読めなさ過ぎですよ。なぜか、結さんたちのことを自分の真心たちみたいな感じで思っているってことはわかりますけど。」
「違うわよ。あなたたちはもっと深い関係性でしょ。私は真由ちゃんたちとは秘書と娘さん。あなたたちとは繋がりの強さが違うわよ。」
「どこまで知ってるか不安になってきました。」
「さあ。あなたのこと調べてはいるけどどこまでが真実なのかわからないしね。その様子だと調べたことはあったっているようだけど。」
「聞いたわけではないのでわかりませんが、確かな情報だと思いますよ。」
「そうよかったわ。」
佐藤さんと話しているとスマホに通知が来た。結さんからだった。
「結ちゃんから?」
「そうですね。終わったみたいです。よかったって。」
「そう。安心したわ。ありがとね。」
「自分は何もしてないですし、何も終わってませんよ。佐藤さんも手伝ってほしいくらいです。」
「私の出る幕はないでしょ。十分上手くやっていると思うわ。」
「ありがとうございます。」
「私もそろそろ時間だから。感謝してるわ。これは本当よ。2人を助けてくれてありがとね。」
そう言い残して佐藤さんは部屋を出て行った。そろそろ自分も動こうかな。痛い体を無理やり起こして真由さんの元へ向かった。午前中のうちに日向さんから聞いていた病室に向かう。確か4階の一番奥の個人部屋。4階は日向さんが担当している小児科のフロアだ。真由さんの病室に着き、扉をノックした。




