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第三十九話

結さんが出て行き、少しすると中村先生が来てくれた。


「目が覚めたんだね。心配したけど、どうやら大丈夫みたいだね。頭も働いているしね。的確な指示だったと思うよ。」


「聞いてたんですね。自分より中村先生が言ってくれれば信憑性も上がっていたと思いますけど。」


「君が言ってくれるから結ちゃんの心にも響いたと思うよ。君が言ってくれたから意味があることじゃないか。難しい問題だし、君1人に任せるのもどうかとは思ってはいたけど安心したよ。僕じゃできないカウンセリングだったと思うよ。感心しちゃった。」


「あまり褒めないでください。」


「結ちゃんが話し終わった後に真由先生に会いに行くんだろ?」


「そうですね。後始末というか、今後のために。ここで働くには真由さんの敵意はなくしておきたいですから。」


「そうだね。君にも資格があれば僕の右腕になって欲しいくらいだよ。」


「自分の力は自分の繋がりを守るためにあります。その中でも真心と愛のために。心理学も愛のために勉強したものです。それはいつになっても変わりません。自分は2人のために生きてます。前にも話しましたけどあの2人のためならなんでもします。」


「変わらないね。君の力なら多くの人の力にもなれると思ってるんだけど。君はそこに興味がないからね。勿体無い。」


「自分はあの2人に救われました。他がどうであれ関係ないです。自分は自分が大切の思うもののために働きます。」

これは結さんも中村先生も例外ではない。自分にとっては大切な繋がり。自分が一度失った繋がり。ようやく取り戻した繋がり。多分だが、中村先生の頼みなら聞いてしまうと思う。ここまでお世話になっているからこそ少しでも力になりたい。結さんも同様。中村先生の後ろで母さんが自分のこと見ていた。


「中村先生、母さんが自分に話があるみたいなのでいいですか?」


「そうだね。まだ目が覚めて2時間しか経ってないからお母さんも話したいこともあるだろうし。邪魔したね。また今度。」


そういって中村先生は出て行った。


「また褒められてたね。資格取ればいいのに。」


「身に余るものだよ。僕にはもっとやることがあるから。」


母さんとたわいのない話ができるのも今、自分が生きているから。自分の行動には後悔はないが、冷静になったら怖くてたまらなかった。今、自分が幸せを感じれていることが嬉しかった。


「母さん。僕さ、もっと自分のこと大切にするよ。今幸せだもん。」


どうしても今は母さんに甘えたかった。母さんも少し驚いていたが受け止めてくれた。母さんに甘えることなんて今までなかった。心も体も少し疲れていたからだと思う。母さんと話しているうちにだんだん眠たくなってきた。


「気にせずに寝て。今はあなたと一緒にいたいの。」


そう言って母さんは手を握ってくれた。安心したのか自分はすぐに眠ってしまった。その間も母さんは自分の手を握り続けてくれた。


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