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殺しのかくれんぼ  作者: リン酸
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学校の異変

          第1章『興味』

            1話



少年はいつも通り学校へ行き、友達と駄弁っていた。

少年の名前は我孫子侑(あびこ ゆう)

高校2年生だ


割と珍しい名字と名前なので人にはよく覚えられる。

名字が『あ』から始まるのでいつも出席番号が1番になってしまうのが残念ポイントだが少年はこの名前を気に入っている。


「なぁ侑、お前って幽霊とか信じてるか?」


そう話しかけてきたのはクラスメイトであり小学生からの幼馴染みで親友の堂本憲剛(どうもと けんご)だ。

髪の毛は茶髪ロング、スー○ーサイ○人2のように逆立っている。見た目はヤンキーっぽいが根は優しい奴だ。


「信じてるわけないだろ、俺は自分の目で見た物以外は信じられんタチなんだ」


俺は話しかけてきた健剛にそう答えた。

実際今まで幽霊や心霊現象を見たことが無かったので全く信じてなどいない。

ただ、興味が無いわけではない。

いたら面白いだろうなぁとは思う。


「どうしていきなりそんな質問をしてきたんだ?」


「いやぁ、俺も信じてるわけではないんだが今朝金縛りになってな。真っ赤な視界に髪の長い女が立ってるのを見てしまったんだ、夢かもしれんけどな」


俺の質問に健剛は少し唇を震わせながら今朝金縛りにあったことを話した。

金縛りになった事が無い侑には金縛りの怖さはわからないが健剛が怯えてるのは珍しい、幽霊を怖がる性格ではないのは侑はよく知ってる。


そんな彼がこんなに怯えているのは相当怖かったんだろう。


「霊はいます、金縛りは疲れている時に起こりやすく霊が近くにいる時にも起こる可能性があります。今回は後者でしょう。」


2人の会話に突然割って入ってきたのは侑と健剛と同じクラスメイトだが別に友達でもなんでもない、普段会話も滅多にしない奴だ。オカルト研究部に入っていていつも奇妙な行動や言動をしている、しかも見た目は髪の毛ボサボサ、目はうつろ、負のオーラ全開なので人は寄り付かない。


名前は霊堂結城(れいどう ゆうき)



「「っ!?」」


突然割って入ってきた霊堂結城に侑と健剛は驚きを隠せなかった。


「堂本さん、あなたが今朝見たのはおそらく本物の霊でしょう。でもその原因は…我孫子さんの影響かもしれません」


「は?どうして俺の影響なんだよ。それにお前が話しかけてくるなんて珍しいな」


疑問をそのまま結城にぶつける

まぁ、オカルト研究部とかいう如何にも!って所に所属している奴だ。

オカルトチックな会話を俺たちがしていたからだろうと予想を立てる


「どうしても我孫子さんが気になったからです。正確には我孫子さんから感じる霊圧ですかね。昨日も若干感じてたのですが今日はやばいです、どんどんこの学校に我孫子さんの霊圧に惹かれて霊が集まっています」


意味がわからないことを霊堂は言い出した。

俺から霊圧?しかもそれに惹かれて霊が集まっているだと?


馬鹿馬鹿しい、付き合ってられない


「俺はずっとピンピンしてるし、そんな霊圧やら霊とか全然感じないぞ?体に不調とかも無い」


「我孫子さんは気づかなくても我孫子さんの周りでは影響が出始めています。健剛さんの金縛りもですがこの学校でも…」


そこまで霊堂が話したところで突然教室の電気が消えて真っ暗になった。



「「きゃあぁああああああ!!!!」」



それと同時にクラス中から驚きの声や悲鳴が聞こえた。


おかしい



今は昼間だ、たとえ教室の電気が消えたところで窓から差し込む日差しで真っ暗になることなんてありえない。


「なんで真っ暗に!!!」


健剛が叫んでいる


ボッ…

蝋燭だ、結城がどこから出したかわからないが蝋燭に火を灯したおかげで視界はなんとか見えるようになった。


「さっそくですか…やはり我孫子さんの霊圧で呼んでしまった霊達にしわざでしょうね」


結城が冷静にそう言う


「ただの停電だろ?大袈裟な」


健剛が結城に反論したが焦っている


「ただの停電でしたら日差しが差し込むはずです。暗闇になることなんて昼間ではありえないでしょう?ましてや教室は窓だらけです。普通ではありえないです」


この教室にいる誰もが普通じゃないと悟っているだろう

そして俺はもう一つ不思議なことに気付いた、それを確かめるために霊堂に蝋燭を持たせ廊下に出た



「どういうことだ…」



絶句した…

俺たちの教室以外の教室には誰もいない。この停電が学校全体で起こってるのであれば隣のクラスからも悲鳴など聞こえてくるはずだがそれが無かったから不思議に思い廊下に出て隣のクラスを覗いてみたが誰もいない。

教室の状況は俺たちの教室と同じ暗闇になっている


「おそらくこの学校には僕たちのクラスの人以外は存在しないでしょう、気配が停電と同時に消えました」


霊堂が平然とそんなこと言う

この状況でなぜそんなに落ち着いているのだろう、感情が無いのか?

いや、今はそんなことはどうでもいい。

なぜこんな状況に?


霊堂は原因は俺の霊圧による霊の仕業とか言ってたけどそんなの信じられるはずがない。

ないが…この状況も信じられない


「侑くん…どこ?」


俺を呼ぶ声が後ろから聞こえた。

この声はよく知る人物だ、健剛と同じく小学からの付き合いでいつも健剛と俺の3人でつるんでいる幼馴染みの戸山穂乃果(とやま ほのか)


「穂乃果か、ここだ」


不安そうな穂乃果の手を取る


「よかった、健剛君と侑君と霊堂さん以外突然居なくなっちゃったから怖かった」




え?



「侑と霊堂が廊下に出て行った瞬間みんな消えた」


穂乃果の後をついてきた健剛がそんなことを言った



「じゃこの学校に残ってるのは俺、健剛、穂乃果、霊堂の4人だけか?」



「そうです、それと霊が複数体いるようです。僕が感じた限りでは5体。消えた人たちは多分死んでいます」



恐ろしいことを霊堂が言いやがった。



そしてここから長い戦いが始まる。暗闇の学校で起こった惨劇。



後に殺しのかくれんぼと言われた悲劇が始まる









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