表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re.Word  作者: 敷凪 瑞季
1/2

ー物語の始まり1/2

ー序章ー


2022年6月24日(金曜日)

 日本のゲームメーカーと米国の携帯用アプリメーカーが共同開発してきた、

家庭用感覚操作型VRMMORPGの発売日の前日ともあり、深夜だというのに販売店の前には長蛇の列が出来ていた。

 それも、β版を先行体験した人から"どちらが現実か区別が付かないくらいで、まるで異世界にでも行ったかのような感覚だった"とレビューが上がるくらい評価が良い反面、ゲームの情報が世界初の試みだからと制限されていり、発売日前日に公開されたパッケージの真ん中に描かれた、剣士風のキャラクターの背後には、軍服を着て銃を掲げた男性や杖を構えた魔女、獣耳の幼女が描かれていたりで、どんな内容のゲームか検討もつかなかった。

 時計の針が23時59分を過ぎ、販売店の前にパッケージに描かれてるキャラクターのコスプレをした店員が出てきて、


「さあ、準備はいい?感覚操作型VRMMORPG"Re.Word"販売開始だよ!」


待ちわびた瞬間は、その言葉から始まった。



 無事にゲームの購入を果たし、コンビニでエナジードリンクを数本買ってから帰宅し、インストールの準備を進める、家に帰ってから寝るなんて選択肢は無く、一刻も早くインストールして遊びたい一心でインストールをする。

 ログインのやり方は思っていたより簡単で、付属のヘッドセットを付けて椅子に座りゲームを始めるだけで、ゲームの世界に入ることが出来た。

 キャラクターは細かく設定出来る為、自分好みに設定し、名前は昔から使っているアカウントネームを流用して"シャロ"と名付る。

初回設定が完了し、ゲームの世界に入る準備を終える。


「さあ、始めましょうか。」

その言葉が合図のように視界が暗転する。


 次に目を開いた時には、見たことの無い綺麗な西洋風の町並みが広がっていた、視界の端には"導きの国"と表示される。


「これがVRゲームの世界、、、、」


白い長袖のTシャツに黒いズボンを着た、いかにも初心者風の少女がログインして初めて口にした言葉だ、


「導きの国?、、、、って声が女の子っぽくなってる!?」


現実の自分とは真逆の綺麗で透き通った声が自分の口から発せられたのに驚きながら、自分の外見が設定通りになっているか気になり、近くにある鏡を覗き混む、

 そこには、少しつり目気味な大きな紅い目、腰の高さまである銀髪、130~140cmくらいの小さな体をした幼女が写し出されていた、


「これが、俺なのか?、、、、小さくて可愛い、、、、」


幼女になった喜びと、幼女の良さを再確認した変態が自分の姿に見惚れていると、


「あの、すみません。シャロ様でいらっしゃいますか?」


唐突に背後から放たれた言葉に、


「あっ、はい!シャロです!私がシャロですー」

間の抜けた返事をしながら振り向くと、いかにも受け付け嬢のような服装をした女性がそこには居た、


「本日、チュートリアルとナビゲーターを担当致します、ナナと申します、宜しくお願い致します。」


ナナと名乗る女性は深々と頭を下げ、説明に入る。


「チュートリアルでは、始めに職業を設定して頂き、設定された職業用の訓練を行って頂きます。視界の右側に初期で就く事が出来る職業が表示されますので、その中から選択してください。」


視界の右端に、戦士、魔術士、盗賊、軍人、研究者、商人、6つの職業名が表示され、項目に触れると説明文が追加表示される。


戦士

(短剣、直剣、大剣、槍等の刀剣武器の扱い、バランスの取れた能力で戦う、前衛に向いている職業。)


魔術士

(杖を媒介に使用し、魔法で回復や属性攻撃を行う、支援に向いる職業。)


盗賊

(短剣、投器、弓、銃等を専門で扱い、毒や麻痺等を付与する攻撃を行う、前衛や支援に向いている職業。)


軍人

(銃、戦車、戦艦等を専門に扱い、多種多様な戦闘が行えるが、戦車や戦艦の様に一人で扱うことの出来ない装備が有り、大型の魔物には無力な武器が多いかったりと、デメリットが多い職業。)


研究者

(戦闘は苦手だが、薬や武器の開発を行う事が出来、所属する国の国力に直接関わる職業。)


商人

(戦闘は苦手だが、公益物の流通を行い収入を得る職業で、ギルドや国の運営には無くてはならない。)


 一通り職業の説明文を読み、最初に選ぶ職業をゆっくりと告げる、


「俺は、、いや、、、私は、戦士の職業に就きます。」


一人称を言い直したのは、このゲームでは女の子に"なりきる"為に、戦士の職業は、ファンタジーなら剣で戦いたいと思っていたから、その決意にナナは、


「それでは戦士用の訓練施設に転送致します。」と冷たい反応だった。


 転送は呆気ないもので、少し光に包まれたと思ったら、次に瞬間には訓練施設へと転移が終わっていた。

その場所は、四方を林に囲われた場所で、訓練標的にするであろう藁束以外の物は無く、ただ広く開けた場所に一人で立っていた。


「へ?、、、ナナ何処行った!?」


「私は、訓練の邪魔になってしまうので声だけでサポート致します。」


自然に返答するかのように声がするが、当然姿は見えない。


「まずは、戦士用の武器を複数用意しましたので、お好きなものをお持ちください。」


目の前の地面に少し大きめの箱がはえてきた、


「さっきの転送もこんな感じに地面からはえてきたのかな、、、、」


少しやる気を失いながらも箱を開けると、短剣、直剣、大剣が入っていた。

順に手に取って確認して行き、120cmくらいある西洋剣が一番しっくり来たので、それを初期武器として選択する。


「シャロ様の身長ですと、選択した武器は大きめですが宜しいですか?」


「た、多分、、、大丈夫ですよ」


選択して装備してから分かったが、何処に装備しても刀身が鞘から抜けないという、致命的な欠陥が露呈するがしっくり来たのがこれだけだったので、無理矢理使用することにする。


「承知致しました、では訓練用の標的を召喚致しますので、少々お待ち下さい。」


ナナがそう告げると、少し離れた地面に青い紋様が写しだされ、その中心から恐竜に似た外見の二足歩行の亜人が現れる。


「訓練目標は、此方のリザードマンです。初めは武器の扱いに馴れて貰う為に訓練目標へと攻撃を命中させ、有効打を与えてください。」


「いきなり有効打って言われても攻撃について何も聞いてないのだけど、、、」


少し呆れた声で言ってみるが、返答はないので自力でやってみる事にする、

距離が少し遠いので剣を引きずらないように接近して、右腕を狙って雑に斬りつけるが、、、


ーガンッ!!ー


右腕を斬りつけるハズだった剣は鈍い音と共に手を離れ、後方の地面に突き刺さる。


「、、、え?、、、コイツ固くね?」


リザードマンの鱗のような外皮は見た目通り固く、適当に狙って斬っても有効打にはならなかった、


「リザードマンの外皮は固く、刃を受け付けません。ですから弱点となる部位への攻撃が重要となっています。」


ナナから遅すぎた解説を聞き流しながら弱点に成りそうな部位を探すと、それは思うより簡単に見つける事が出来た。


「外皮が固いなら、内側の柔らかい所を狙えばいのか!!」


腕の内側や腹部のような部位には、鱗のような外皮は無い。

弾き飛ばされた剣まで全速力で向かい、地面に刺さったままの剣を軸に方向転換し、そのまま片手で荒々しく抜き去る。


「リザードマンの弱点は、腕や、、、、、」



ナナがまた遅すぎる解説をするなか、リザードマンに接近したシャロは、突進の威力を込めて腹部を斬りつけ、大振りに成りすぎた剣を持ち変え、身体を捻るようにして斬りつけてから腹部を蹴って後ろに跳ぶ。


「や、やったか?」


リザードマンの体には、くっきりと傷跡が残り傷口からは絶えず血液が溢れてきている。


「おめでとうございます。では次は敵からの攻撃を防いでもらいます。」


「、、、、へ?攻撃されるの?」


さっきの攻撃でかなりリアルな疲労感を感じているなか、攻撃を受けるのは恐怖すら覚える。


「やっぱり攻撃を受けると痛かったりするのかな、、、、」


「攻撃を受けますと少々、、、えっと多分痛いと思います。」


「なんかNPCが曖昧なこドゥェ!?」


リザードマンに突然、尻尾による横薙ぎにをもろに食らい珍妙な声を上げながら数m吹き飛ばされ、木に叩きつけられる


「、、、ッツ!!全然少しじゃないじゃん!!車に追突されるくらい痛いじゃん!!」


「リザードマンは瀕死の状態ですと、攻撃力が上がりますので注意してくださいね?」


「そう言うの早く言ってよね!!」


(あんなの何回もくらってたら身が持たない、どうにか攻撃を防がないと、アニメや漫画みたいに剣で攻撃を受けて防げば大丈夫なはずだよね、、、)


剣を構え直し次の攻撃を待っているとリザードマンは、

''詠唱''を始めた。


「は?」


詠唱と共にリザードマンの前に現れた赤い紋様から複数の火の玉が飛来する、


「こんなの剣で防げるかー!!」


次々に飛来する火の玉を避けるので精一杯で、試しに剣で弾こうとした時は、剣に触れた瞬間に爆発してしまい凄く熱かった。

 そんな感じで暫く避け続けていると急に紋様が消え攻撃の手が緩まる。


「今がチャンスか!!」


ここが勝機と言わんばかりに距離を一瞬で詰め、喉元に剣を突き立て貫く、生物である以上は致命傷となる一撃を叩き込まれたリザードマンは、生命の活動を止めた。


「やったー!倒せたよ!」


「おめでとうございます、これにて訓練過程は全て終了になります。」


「、、、、へ?まだ、全部終わった訳じゃないよね?」


まだ、攻撃を防いですら無く、他にまだ習う事が有るような気がするのだが、終了の言葉に困惑する。


「リザードマンを倒しますと強制的に訓練は終了になります。」


「そう言う、重要な事は先に言えー!!」


「では次は、最初に所属する勢力を設定致しますので、役場へと転移します。」


「本当に話を聴かないNPCだな、まったく、、、、」

そう呟きながら、また光に包まれ役場へと転移した。

初めまして、敷凪瑞季と申します。

なろうへの投稿は初ですので、何かと変かもしれませんが生暖かい目線で見守ってください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ