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夜空の旅  作者: 小宮 海
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第一夜 夜の汽車

今連載しているものと真逆なほのぼのとした、SFを投稿してみました。よろしくお願いします

 …私は汽車を待っていました。…手には、白い何も書かれていない一枚の白いチケット。私の手には必要な物だけを詰め込んだ茶色のトランク。…そして、白いケープを羽織って暖かい格好をして港の前に私は立ち止まって待っていました。


 私は、数日前にポストからその白いチケットを貰いました。…最初は私も不審に思いましたが、何故だかそれと同封されていた案内するための紙を見て惹かれ、取り敢えず向かうことにしました。…私は一人暮らしだから、心配はありません。案内する為の紙にはこの港に深夜の12時に必ず行くことと、チケットを忘れないで持ってくること。そして、最後には…


ー…この旅が、君にとって何かを得られる事を望む…ー


そう、書かれていました。私は、腕の時計を見てそろそろ来る頃だと顔を上げ…そして…目の前には…


…黒い、昔何処かで見たことのあるSLのような汽車が目の前に止まっていました。…


私は、呆然と目の前の汽車を眺めました。そして、汽車の扉が開かれると中から駅員の人が私を…正確には私の持っているチケットを見て、


「…どうぞ、そのチケットを此方に。」

「は…はい…」


駅員さんは私の白いチケットをホチキスのようなもので打つと、私を車内に入れてくれました。…駅員さんの外見は私よりも明らかに大きくて、普通の人でしたが雰囲気が明らかに…何というか、人間とは違う感じでした。…そして私は駅員さんからチケットを受け取り、適当な窓が見える席に座りました。汽車の中は薄明かりで、だけどちゃんと見えるようで回りは殆ど黒く、だけど私が今座っているシートは赤茶でした。…辺りを見回してみてもどうやら私しか乗っていないようです。暫くすると、汽車が発車しました。…私は、


「わあ……まるで、海の上を走っているみたい…」


そう、呟きました。汽車が海の上から段々空に上がって行くのを感じますが、体に掛かる重力は無く、私は浮かんでゆく汽車と離れていく海を窓から額を着けながら見ていました…。そして、汽車が空から出ると……


…一面が、キラキラと輝く宝石が散りばめられた夜のような暗さを持つ空間に出ました。私は、少し首を右に向けると私がいた地球はどんどんと離れていきます。…


「地球って、綺麗なんだな…。」


テレビやネットで見たりはするけれど、自分で見たりするのは初めて…そういえば、私宇宙にいるのに息ができてる。…この汽車のおかげかな?そして、暫く宇宙を満喫していると、先程の駅員さんが


「…どうでしょうか…私達の、銀河鉄道は?」

「はい。凄く、凄く素敵です…。私、初めてで…」

「それは良かった。それでは、存分にお楽しみください。…そうそう、もし、眠たくなられたさいはこの部屋の奥にお客様用の寝室がありますから、お使いください。勿論、シャワー室も完備してあります。」


私は、駅員さんに改めてお礼を言うと再び顔を外に向けて眺めていました。…その時、汽車が別の星に向かって走って行きました…もしかして、私以外にもお客さんが?そして、汽車…銀河鉄道はその星にたどり着くと、夜でも分かる緑のあふれた平原に止まりました。…そして、駅員さんが扉に向かうと、


「やあ、どうやら間に合ったみたいだね。はい、これで乗せて貰えるだろ?」

「…はい。確かにチケットを確認しました。どうぞ、中へ」


…私だけかと思いましたが、どうやら他にも乗車をする方がいるようです。声からして男性でしょうか?私は、扉から入ってくる男性を見ると彼は駅員さんと話をしている最中でした。私は、彼がいた平原を見つめていました。…草が、風で凪ぎ月に当てられて何とも言えない綺麗な風景に見とれていた時でした。


「…ねぇ、君の前に座っても良いかな?」

「……えっ?」


気付くと彼が私に話を掛けてきました。私は、最初は戸惑いました。…彼は黒いコートを着て、頭には帽子、黒いズボンに白いシャツ、髪は金色で眼は緑。短く切りそろえていて…とても、格好良かったので、私は無言で頷きました。彼は、


「良かった…せっかくこの汽車に乗ったんだから、出来れば一緒に話したいなと思ったんだ。」


彼は、多分人懐っこい性格なのでしょう。彼も持っていた私とはまた違う灰色のトランクを置くと私と向き合う形で、座りました。そして、


「あ、そうだ。先ずは自己紹介しよう!!僕はエドワード。君は?」

「…私は、空と言います。」

「…空か…良い名前だね…」


そうして、私はエドワードさんと話をしました。エドワードさんは、どうやら旅人と言っていろんな所を見て回っているそうです。エドワードさんは、次に行く場所はまだ決まっていないと言っていました。…何でも、適当に決めるとのこと。何ともアバウトです。そして、エドワードさんは私に質問しました。


「空は、何でこの銀河鉄道に乗ったの?僕と一緒?」

…エドワードさんは、そう言いました。私は、首を降ると

「いいえ…私は、チケットが送られて来たんです。最初は何でか分からなかったからほっとこうと思ったんですけど…だけど、もしかしたら私の手掛かりになると思って…」

「……手掛かり?」


…エドワードさんは、少し怪訝そうな顔をされて


「…私、記憶が無いんです。」


…私は、10年前の記憶がありません。なので、あの手紙に書かれていることが、本当なら、


「だから、記憶を取り戻したいんです。」


エドワードさんは、私が言うとそうなんだ…と呟いて、話題を変えてくれました…。暫く、楽しく話をしていましたが段々とうとうとしてきました。エドワードさんが窓の外を見ているのを最後に、私はそのまま背もたれに寄りかかって眠ってしまいました…。


…これが、私と彼との出会い。始まりの物語。

銀河鉄道を題材とした作品って本当にいろいろありますよね。やっぱり一番有名なのは999。アニメでは少し見たことはありますが、とても面白かったのは覚えています。メー○ルが一番好きです。この話はのんびりと更新していきます。それでは

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