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番外編その5 歩いてたら異世界にたどり着いちゃったので、新米冒険者の師匠になりました その2

「異なる世界の異なる法則(ルール)か……」


 内臓のような急所がないモンスターを相手にしても、それを突くのと同じダメージを与えられた。


 ラーシアの話はまだ序盤でしかなかったが、その事実にユウトは思わず考え込んでしまう。完全に想像もしていなかった事態だ。


 あれだけ信用していないようなことを言っておきながら、それ自体を嘘とは思わない。

 そんなユウトの態度に疑問を抱かないでもなかったが、真名が小首を傾げて聞く。


「世界が違うのだから、当然なのでは?」


 完全に素の状態で口にしたからだろう。本人が想定していない、可愛らしい仕草だった。


因果の反動(バックラッシュ)だって、ブルーワーズ(こちら)には存在していないではないですよね?」


 それを考えれば、ラーシアが迷い込んだ異世界で独特の法則が存在しても不思議ではないと、真名は言う。

 だが、ユウトは静かに首を振った。


「異世界といっても、二種類ある」

「二種類……ですか?」

「そう」


 大ざっぱに言ってしまえば、宇宙が共通しているか否かだ。


 ユウトや真名。そしてアカネの故郷である地球は、共通した宇宙に存在していない。文字通り次元が違う。


 科学がとんでもない進歩を遂げて宇宙の端にたどり着いたとしても、その先にブルーワーズは存在しない。この方法では、決してたどり着くことはできないのだ。


 一方、この『青き盟約の世界』とエリザーベト女王の国がある『忘却の大地』、それから神々が棲まう天上や悪魔諸侯(デーモンロード)の本拠地である奈落は別世界ではあるが一続きである。

 その証拠に、ある種の呪文や次元航行船(プレイン・クラフト)で行き来は可能だ。


 ラーシアが迷い込んだという『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)も、こちらの宇宙に属する。


「なのに、法則が大きく違っているのはおかしい。地球から火星に行ったって、魔法が使えるようにはならないだろう?」

「なるほど……。そういうことですか」


 その例えで、ラーシアが語る内容の異常さに気づいた真名。


「では、なにが原因だったのでしょう?」


 講師であるラーシアに問いかけるが、そのラーシアはじっとユウトを見ている。


「なぜ、俺に振る」

「いいから、いいから」


 ラーシアは、にこやかな――つまり、うさんくさい――笑顔を浮かべていた。

 悪い予感しかしない。

 しないのだが、こうなったら乗るしかないのも確か。


『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)を管理する神。その介入による現象じゃないか?」

「なんで、そう言い切れるのさ?」

「ラーシアも、似たようなことをやってたじゃないか。なあ、草原の種族(マグナー)の勇士様」


 ラーシアが絶望の螺旋(レリウーリア)らに披露した、急所を突くのではなく矢が命中した箇所が急所となる現象。

 それは、神力解放(パージ)による、因果の逆転でもたらされた。


 より上級の神が関わっているとすれば、それに近い法則を世界の根幹に備えることも可能だろう。


「それに、宿星者(フェイトスピナー)……だっけ? 人に宿命を与えるのは、神以外にいない。それが一般的……かどうかはしらないけど、当たり前に存在している世界なら、神の干渉という結論も当然だ」


 しかし、疑問は残る。


 ブルーワーズでは、善と悪の最終戦争が起こらないよう、地上への神々の介入は禁じられている。それこそ、絶望の螺旋が現れない限りは。


「神々の登場って稀だったっけ……?」

「そういうことにしといてくれ」


 神を配偶者にした草原の種族へ言えた台詞ではないが、建前としてはそうなのだ。

 真名も、困ったような表情を浮かべているではないか。そういうことにしておくべきなのだ。


 決して、自らもその階に立っていることを棚に上げたいわけではない。


 一方、ヨナは完全に無表情で沈黙している。異世界がどんなところか関心がない……というよりは、どんな法則があろうと、火力で押し切れば良いと思っているのだろう。


 アルビノの少女は、どこでも、なにを相手にしても、ぶれない。


「つまり、『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)では善悪の神々による対立はない。でも、地上を狙う敵がいて、それは人間が有利になるような干渉が必要なほどの相手。神が自ら対処しないということは、力を失っているのか。それとも、もっと他に重要な仕事があるのか……」

「……たったあれだけの話で、よくそこまで分かりますね」


 感心ではなく完全にあきれた様子で真名が言う。

 ヴァルトルーデだったら素直に「なるほどな」とうなずいているところだが、真名は違う。マニアック過ぎて、正直、引く。


「ユウトだから」

「ユウトだからね」


 しかし、揃って言うヨナとラーシアには、負の感情は一切見られなかった。これが、付き合いの長さに起因するのか、発言者の常識の違いによるものなのかは判別つかない。


「まあとりあえず、先を続けようか。アカネがいたら、創作意欲が湧いてきちゃう、少年少女の話をね!」

「俺の嫁さん誹謗中傷すんなよぅ!」


 だが、ラーシアは謝らない。

 誹謗――他人の悪口――であっても、中傷――根拠のない悪口――ではないからだ。





「僕はクルトと言います。愚者の宿星(ネメシス)単星(シングル)です」

「わたしはセシル。衛士の宿星(エルナト)闘士の宿星(レグルス)抱影の宿星(ギエディ)連星(トライ)なの」

「僕たちは見ての通り、冒険者です。あの……本当にありがとうございました」


 黒髪の少年――クルトと、赤毛の少女――セシルの自己紹介を聞きながら、ラーシアは草原の種族らしからぬ深刻な表情を浮かべていた。

 聞き慣れぬ単語が次々と出てきて、異世界に迷い込んでしまったという直感に信憑性を感じたから……ではない。


 そのとき、ラーシアが考えていたのは――


(一人称がかぶってる。どうしよう……)


 ――という、かなりどうでもいいことだった。


「助けたのは、まあ、大したことじゃないんだけど……」

「クルトクルト、これが大人の余裕ってヤツじゃない?」

「大人……? まあ、格好いいとは思うけど」


 ヴァルトルーデやユウトに似ている――と、勝手に思っている――少年少女から憧れの視線を向けられ、ラーシアの鼻が高くなっていった。一人称? 些細な問題だ。

 特に、クルトという少年は、ユウトみたいに細かいにもかかわらず、絶賛しているではないか! 将来有望だ。


 必死にポーカーフェイスを作りながら――そのほうが格好いいから!――ラーシアは努めて冷静に

 

「それよりも、ここはどこなのかな? 北のほうに歩いてたから、ヴェルガ帝国のどっか?」

「ヴェルガ帝国? そもそも、どこって……」

「クルト、説明は任せたのよ! わたしは、万能触媒(レジデュアル)を拾ってくるわ!」


 難しい話になりそうだ。

 その息吹を感じて、セシィは逃げ出した。


 まるで犬だなぁと、ラーシアは思う。

 同時に、ヴァルトルーデっぽいなぁとも。


「あっ、セシィ……。逃げたね……」


 はあぁ……と、クルトが溜め息を吐いた。

 自由なパートナーに振り回されていることが、今のやり取りだけで分かる。


「苦労してるね、ボクと同じだ」


 恐るべきことに、ラーシアは苦労人を自認していた。あるいは、驚くべきことにだろうか。

 しかし、クルトには、真実は分からない。分かるのは、恩人からかけられた言葉だけ。


「え? そうなんですか?」

「うん。分かる分かる! なにかにつけて、殴れば死ぬとか、死ぬまで殴れば良いとかばっかりだよ」

「……セシィだけじゃなかったんだ」


 早速意気投合するラーシアとクルト。

 話を聞き出すために社交辞令を口にしたわけではないというのが、ラーシアの。いや、ラーシアたちの恐ろしいところかもしれない。


「とにかく、この辺のことはよく知らないからさ。基本的なことから教えてほしいのさ」

「そういうことなら……」


 ここは『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)


 星神ティエルが、天竜、地竜、人竜の三始竜から作り上げたとされる世界。

 始祖巨人族が支配種族と成り繁栄を謳歌するが、源素界の“混沌の領域”を統べる、七柱の精霊皇子による侵攻を受け崩壊した。


 なぜ、精霊皇子は『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)を滅ぼそうとしたのか。

 それは、宇宙の始まりまで遡らねばならない。


 “始源”から誕生したこの宇宙は、正が溢れると同時に負にも満ちている。完璧な物から産まれ出でたにもかかわらず。

 完全なる“始源”より生まれたのならば、この宇宙にもまた瑕疵があってはならないというのに。


 しかし、一度生まれてしまった以上、さらに手を加えても歪になるだけ。


 ゆえに、この誤った宇宙を無に帰し、完璧な姿――“始源”に戻さねばならない。


 ユウトたちが戦った〝虚無の帳〟(ケイオス・エヴィル)とも共通した思想。


 その手始めとして、『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)に侵攻したが――星神ティエルと始祖巨人族の奮戦でそれは果たせなかった。


 しかし、その意思と力は残っている。

 特にこの大陸北方は邪悪なる源素――穢土・深海・邪炎・魔風・忌光・死闇の諸力――に汚染され、そこから生まれ出でたモンスターが領域を広げるべく蠢いているのだ。


 再び、七柱の精霊皇子を招請するために。


「精霊皇子……イル・カンジュアルかぁ」

「炎の精霊皇子ですね。そういえば、最近、邪炎属性のモンスターが弱体化しているという話を聞いたことがあります」


 炎の精霊皇子イル・カンジュアル。

 神や奈落の王にも匹敵する超越者。本来であれば、物質界に顕現するなどあり得ない存在。


 では、それを倒した存在は、どう表現すべきだろうか。


「それは良いことだ。うん」


 さすがに「それ、ボクらがブッ殺したんだよね」とは言えず、ラーシアは曖昧に流した。


「話、終わった? 終わったわよね? じゃ、これあげるわ」

「……金? にしては、ちょっとキラキラしすぎてるけど」

「え? 万能触媒(レジデュアル)だけど。なんで、知らないの?」


 セシルが、ぽかーんとして万能触媒(レジデュアル)――こぶし大の金色の塊を取り落としそうになる。


「ボクは、この『竜鉄の世界』(アル・ティエラ)じゃなくて『青き盟約の世界』(ブルーワーズ)から来たのさ。歩いてね」

「歩いて?」

「強いうえに、歩いて別の世界に来るなんてすっごいわ。すごくない?」

「うん。ほんとなら、分神体(アヴァター)に匹敵するんじゃないかな……」


 匹敵するというか、神に近しい存在というか。

 これまた言えることではない――つまり説明が面倒くさい――ので、またしても曖昧に流した。


 そして、疑問を抱かれなかったのはこれ幸いと、説明を求める。


「で、万能触媒(レジデュアル)って?」

「邪悪なる源素に侵されたモンスターが死ぬと残すんです」

「お金になったり、魔法具(マジック・アイテム)の材料になったりするのよ」


 モンスターを倒すと万能触媒(レジデュアル)を残す。いや、それしか残さず消え去る。


 それは、ブルーワーズの常識からすると、かなり奇異な現象だ。しかし、その違和感は目の前の少年少女に通じないだろう。


 万能触媒の存在もそうだ。


 万能触媒は、冒険者の金貨とも呼ばれる。魔法具製作の重要な触媒であり、非常に需要が高い。

 同時に高価であるため、基本的に同等の価値を持つ魔法具と物々交換されることがほとんど。これが、冒険者の金貨と呼ばれる由縁である。


 ユウトなら、ブルーワーズとの差異にあれこれ頭を悩ませるところだろう。


 しかし、当然と言うべきか、ラーシアは違う。


「そりゃ便利でいいね」


 その一言で片付け、あまつさえ受け取りを拒否する。


「まあ、お金には困ってないから別にいいや。あげるよ」

「え? いいんですか?」

「それはダメよ。私たちが倒したわけじゃないんだから、受け取れないわ」


 思わず食いつきそうになったクルトに対し、セシィ――セシルが人差し指を顔の前で振り「ダメよダメよ」とラーシアをいさめる。


「いいよいいよ、情報料だと思って。あっ、そういえばお腹空かない? 良い物あるんだけど、食べる?」

「え? 良い物? いただくわ!」

「セシィ……」


 最前とは正反対の反応。

 もちろん、そんなことを気にするラーシアではない。


 これ幸いにと、無限貯蔵のバッグから“良い物”を取り出す。


「なんですか?」

「まあ、食べてごらんよ」


 ラーシアがクルトとセシルの二人に差し出したのは、地球産のスナックバー。

 青で商品名が描かれたパッケージを不思議そうに破き、まずセシルがかじった。


「うわわわわ」


 しかし、ソフトキャンディーにキャラメルでコーティングされた層は、簡単にかみ切れない。歯に粘り着く食感と、尋常ではない甘さに赤毛の少女が目を丸くする。


「すごい、すごいわ。なにこれ、なにこれ」


 驚きと感動で、知能がさらに低下気味だ。

 比較的常識人であるクルトも、反応としては大差ない。ただ、言葉が出ないだけだ。


(う~ん。なかなか可愛いね)


 スナックバーひとつで感動する二人を見て、柄にもなくそんなことを思うラーシア。


 それで一気に打ち解けたためか、もうひとつの謎ワードだった宿星者(フェイトスピナー)についても、しっかり聞き出すことはできた。


 特別な運命を持つ人間は、星神から宿星(フェイト)を与えられ、それを刻まれた者を宿星者(フェイトスピナー)と呼ぶ。

 宿星(フェイト)はその生き様を表したもので、確認されている限り13種類存在する。


 宿星者(フェイトスピナー)のほとんどは宿星をひとつだけ持つ単星者(シングル)だが、稀に双星者(クロス)連星(トライ)が生まれることもある。

 また、ほとんどは生まれつき与えられるものだが、努力や修業の果てに新たに宿星を得ることもあるという。


「へー。なんか、格好良いね!」

「でしょでしょ? 私の刻印は、両手と首筋にあるのよ」

「僕は、手のひらにひとつ」

「ほうほうほう」


 確かに、なにかを意匠化したような紋章が痣のように刻まれていた。宗教によっては、聖痕などと呼ばれるかもしれない。


「で、セシルが三つで、クルトがひとつだっけ?」

「そうそう。意味は、クルトが教えてくれるわ!」

「よろしく!」

「ええ……。なんだか、セシィが増えた感じなんだけど……」


 ぼやきつつも、クルトは律儀に説明をしてくれた。


 衛士の宿星(エルナト)が司る職能は、捕縛者。追跡者。射手。

 闘士の宿星(レグルス)が司る職能は、戦士。剣士。打ち砕く者。切り開く者。

 抱影の宿星(ギエディ)が司る職能は、闇に生きる者。


 そして、愚者の宿星(ネメシス)が司るのは、意外性。可能性。ワイルドカード。他の宿星の枠に当てはめられぬ能力を持つ。個々人によって、千差万別である。


「……具体的には?」

「壁を作れます」

「壁? 壁だけ?」

「壁というか、柵みたいのも……」


 あの状況でなぜ炎の壁を出したのか、ようやく分かった。

 他に、打つ手がなかっただけなのだ。


 その微妙さが伝わったのだろう。

 クルトが、両手を踊るように振って釈明を始める。


「でも、その分セシィは凄いんですよ。連星(トライ)なんて、大きな都市でも10人いるかどうかで」

「その割には、苦戦してたみたいだけど?」

「ぐっ、あはははは」

「自己流で戦ってるだけなんで、力押しが効かないとどうも……」


 そのうえ、話を聞いた限りだと回復役もいないようだ。

 アルシアがいない戦闘など、想像もしたくない。


 ラーシアですら、そうなのだ。

 この未熟な子供たちに、どんな運命が待っているか……。


「分かった。ボクが、冒険者のイロハを伝授してあげよう」


 気づけば、つい先ほどまで思ってもいなかったことを口にしていた。


「……って、偉そうに言っちゃったけど、ボクの実力が分かんなきゃ答えようもないか」

「そんなことはないですけど?」


 出会い頭の弓の妙技を見れば充分。


 そう言ったクルトの言葉は、ラーシアには届いていない。


 ふと上空を見上げれば、一頭のドラゴン。鱗の色は黒。悪の相を持つドラゴンだ。それなりにはっきり目視できるということは、そこそこ年を経たドラゴンであろうことが分かる。


 飛行しているのは地上数百メートルと言ったところだろうか。


 だが、距離など関係ない。


 見えてさえいれば、届く。


神力解放(パージ)――《狙撃手の宴(スナイパーズ・レイヴ)》」


 神としての力を使用し、矢を放った。

 いや、矢などという生やさしい物ではない。いわば、それは一瞬の閃光。


 地上から放たれた光は、ドラゴン――空の精霊皇子ブラスガエアの眷属である黒天竜ブラックスカイドラゴン――の首に突き刺さった。


 否、首を貫いた。


 急所を射抜かれた邪悪なる精霊皇子の眷属は、なにがなんだか分からないうちに、400年に及ぶ生涯に幕を下ろした。


 死して皮を残すこともできず、肉体は光と散り万能触媒(レジデュアル)が地上へと落下していく。

 

「あわわわわっ。万能触媒(レジデュアル)がっ。もったいないことをしたの……」

「心配無用さ」


 勝利を確信していたにもかかわらず、ラーシアは次の矢をつがえていた。

 続けて放たれた矢は、万能触媒(レジデュアル)の底の面を掠め、落下先が変わる。


「ふあああ……」


 感心したようなあきれたようなクルトの声を聞きながら、さらに連射。


 矢で弾いた――頭ほどもある先ほどより巨大な――万能触媒(レジデュアル)は、ラーシアの手にすっぽりと収まった。

 

「ま、こんなもんなんだけど、どうかな? この世界のことはあまり知らないボクで良ければ、だけどね」

「え? すごいすごいわ! こちらこそ、よろしくお願いしまぁっす!」

「あ、はい。お願いします」


 諸手を挙げて喜ぶ二人を前に、ラーシアは胸を反らす。


 どうして、この世界に迷い込んだのか。

 リトナが言っていた通り、本当に自分の子供なのか。


 そんなことは完全に忘れていた。


「ところで、名前を教えてくれませんか?」

「ボクのことは……そうだね。ホライゾンウォーカーとでも呼んでもらおうか」


 きりっとした表情で、シリアスに言うラーシア。本人としては、格好良く決めたつもりだった。


「よろしくね、お師匠」

「よろしくお願いします、先生」


 長すぎたのか、その名で呼ばれることは最後までなかったけれど。

中編ですが、たぶん次じゃ終わらないと思います。

それから、予想以上に長くなっているんで、次回の更新はほんと未定です。


1万文字以上書いて、予定の半分以下ってどういうことなの……。

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