自由猫、見つける。
「「ひ、引越し!?」」
「・・・・うん。」
あまりに急な話しすぎて俺も妹も思わず叫んでしまった。
「な、何で急に!?」
俺はとっさにそう聞いていた。
「なんだか、よく眠れないの・・・。」
「よく、眠れない・・・・?」
「・・・・うん。」
あれ、何言ってんのこいつ?
昨日あれだけぐっすり寝てたのに。
あれでも寝たりないというのか・・・?
「ちょっと待って。」
夏菜が声を上げる。
「涼香さん、もしかして寝る部屋を変えたいの?」
「・・・・・・うん。」
「やっぱり。」
あぁ、なるほど。
今の部屋じゃ眠れないから別の部屋に「お引越し」という訳か。
なんだよびっくりさせやがって。ふぅ。
あれ?今俺安心した・・・?
「急に引越しだなんていうからびっくりしたよ。」
妹も同じ気持ちだったみたいだな。
ただ、俺だけか。
涼香がいなくならないと知って安心したのは。
「でも、どこにその散らかった荷物を運ぶつもりだったの?」
なるほど、この散らかった服やらパンツやらはどこかに運ぼうとしていたのか。
そうだとしても普通こうはならないだろうが・・・。
「あそこ。」
涼香はひとつのドアをまっすぐ指差した。
「・・・・・え?俺の部屋・・・・?」
涼香はまっすぐ俺の部屋の扉を指していた。
そして小さくうなずく。
「ちょ、ちょっと待って!それは、なんていうか、だめだよ!!」
夏菜が焦って言う。
それもそうだ。
荷物を俺の部屋に置くということは、俺の部屋でありながら涼香の部屋にもなる
ということで、つまり同じ部屋で着替えたりしなければならなくなるのだ。
それはまずい。うん。
個人的にはうれしいが・・・・。
「お兄ちゃーん?変な事考えてないよねぇ・・・・?」
「か、考えてないです!!」
薄ら笑いを浮かべて近づいてくる妹はさしずめ鬼のようでした。




