自由猫、すくわれる。
ふと目が覚めた。
時間は深夜2時。
何だってこんな時間に目が覚めるかな。
まあついでだしトイレに行っておこう。
「なんで自分の家なのにこんなに不気味に感じるかな・・・。」
独り言でも何か言っていないと周りが気になってしまう。
自分の小ささに少し落ち込むな、これ。
――――ガタッ
「・・・・!?」
今、何か音がしたような・・・。
気のせいか・・・?
――――ガタンッ
「!!?」
おいおいなんだ?
誰かいるのか・・・?
リビングの方だな。
まさか、泥棒とか!?
無意識に心拍数が上がる。
どうしよう、泥棒だったら・・・。
とりあえず、武器になるもの・・・・。
箒しかないってどういうことよ。
「贅沢言ってもいられないか・・・!」
出来るだけ気配と足音を消す。
気づかれないようにそーっとリビングへ向かう。
人影は特に見当たらないな。
それはそれで怖いのだが。
それに特に荒らされた痕跡も無い。
もしかして、本当にゆうれ・・・。
――――ガタッ
ソファーの方で何かの物音がした。
恐る恐る近づく。
「・・・・・・あれ。」
なんかさっきまで騒動の中心にいた例の涼香さんが
ソファーとテーブルの間に挟まっている。
そして恐らく挟まったまま爆睡している。
そして寝返りを打つと同時に自分のおでこをテーブルの足にぶつけている。
物音の原因はこれか。おでこ赤くなっちゃってるよ。
それにしても、何でこんなところで寝てるんだ?
まさか究極に寝相が悪いのか・・・?
いや待て、寝相でここまで来たのだとしたら
それはもう素晴らしく綺麗な寝相なのでは・・・?
って、そんな事はどうでもいいんだよ!
とりあえず、こんな時間に起こすのも悪いとは思うが一旦起きてもらおう。
そのかわいそうなおでこを救いたい。全力で。
じゃなくて、風邪引かれでもしたら大変だ。
「おーい、涼香さーん。」
軽く体を揺すってみる。
起きる気配は微塵も感じられませんね。
「おい、涼香ってば。」
だめだ、死んだように眠っている
返事が無いただの屍のように眠っている。
これは、仕方ないよな、うん。
だってこんなところで寝てちゃ風邪引いちゃうし。
大体誰に言い訳してんの俺。
「よっこらせっと。」
涼香をお姫様抱っこという形でおでこデストロイから救い出す。
おでこをぶつけ続けるという抗いようの無い運命から彼女を救った俺は
一人の人間の悲しい運命を変えたことを誇りに思うのだった。




