レビュー
短編です
定型文、あまりに過激な批判レビュー、そして他サイトに誘導するURLのついたレビュー。最近のレビュー、こんなんばっかり。ついでに商品の性能とか、使い勝手とか、そう言う情報が欲しいのに、全然それを載せないで、「よかったです~」みたいなアホなレビューも本当は削除したい。でもそう言うのは、違反してるわけじゃないから消せない。短くてもいいから何がどう良かったのか、詳細をかけよ!と一言物申したくなる。
[この包丁、本当によく切れました]
あ~、こういうのも、もうちょっと細かく書いたほうがわかりやすいんだよなぁ。「切りにくいかぼちゃとかもスパッと力いらずで~」とかそう言う説明的な部分、書けばいいのに。
なんて思いながら、今日も俺は、悪質なレビューを削除する。俺の仕事、地味だけど結構大変なんだ。ずっとPCにかじりついていないといけないから。
一つの商品をチェックし終えたら、今度は別の商品。商品によってはレビューが少ないモノもあるから、正直それはチェックが楽で助かる。
例えばゴミ袋のような日用品は、みんなが使うものだから、レビューの書きようがない。
[酸素が通りにくい様で、腐敗臭が少なかったです]
急に不穏なコメント。あれ、このアカウント、包丁の時にも見たな。料理する人なのかな?
アカウントを開くと、結構いろんな商品にレビューを乗せているみたいで、キッチン用品、日用品、あとは縄とか、スコップとか、園芸用?の物にまで。丁寧な暮らししてる人なんだなぁ。
でもスコップはまぁ良いとして、縄って何に使うんだろう。切った木を縛る用とか?
[この床用洗剤は、落としきれない汚れがあります]
ほとんどの商品に星5を付けているのに、この商品だけは星2の辛口評価。床を綺麗にする洗剤か。何の汚れが落ちなかったのか書いてほしいよなぁ。
[この結束バンド、拘束力抜群でした]
結束バンドまで・・・。拘束力ってwww。この人結構面白い人だな。
ちょっと夢中になって、その人のアカウントをチェックしていると、カードの情報が三年前から更新されていないようだった。というか、削除されてる?
なんか気になるなぁ。本当はやっちゃいけないことだけど、ちょっと確認してみようかな。今後もこの面白レビュー残してほしいし。殺伐とした俺の仕事の癒しになってくれてるし。
アカウント情報に書いてあった自宅と思しき電話番号に電話をかけた。
「「この番号は、現在使われておりません」」
「え?」
嘘の番号を登録するタイプの人なのかな・・・。住所、は実在するな・・・ちょっと行ってみようかな・・・。まぁ、ほら、運動とか、散歩がてら!
次の休みに、あのアカウントに登録されていた住所に向かってみると、小さなアパートに行きついた。“バラとか植えてる大きな庭付きの一軒家に住むマダム”って勝手に思っていたけど、そんな庭もない、ボロアパートだった。
電気のついていな位部屋。誰もいないのかな?
部屋番号を確認していると、隣に住んでる人が訝しい目をして出てきた。
「その部屋の人、3年前から居ないよ」
「居ないって?」
「殺されたんだって。俺も警察に色々聞かれたんだけど、包丁で一突きだってさ。怖い怖い」
それだけ言ってお隣さんはドアを閉めて引っ込んでしまった。
——・・・帰ろ——
俺は何も聞いてない、何も知らない!




