偽リノ喜ビ
「幸也が無理だったら僕に言ってよ。そしたら一緒に行くからさ」
「…ありがと」
滝口さんはにこっと微笑んだ。
その笑顔が俺はずっと欲しかった。
ずっとずっと待ち続けた俺に向けての滝口さんの笑顔。
それと同時に心の中で俺は思い付いた事を決行する事を決めた。
「じゃあさ」
「ん?」
「いつでも連絡取れるようにアドレス交換しない??」
そう。
あのメールが来てから思い付いた事。
“これを機にメアド交換”。
これで滝口さんに一歩近付ける。
「うん、いいよ」
ほら、OKしてくれた。
滝口さんは優しいし、何より今、滝口さんは傷付いてる。
そんな時に誰かが慰めれば味方だって思うだろ。
人間って面白いよなって思う。
「赤外線で送るね」
…来た。
俺は滝口さんのアドレスを手に入れた。
「じゃあ僕も赤外線で送るよ」
「あ、来た」
「なんかあったら気軽にメールしてよ。相談乗るからさ」
「うん、ありがと」
「あ!!そうだ、今日は僕のスリッパ使いなよ」
「えっ…でも悪いよ…」
「僕は学校のやつを借りるから大丈夫」
俺は優しく微笑んだ。
考えれば、俺のスリッパを滝口さんが履いて返してもらうって事は滝口さんが履いたものを俺が履けるわけだ。
俺にとってそれだけでも幸せだ。
滝口さんに学校のスリッパなんか履かれたらそんな幸せも無くなってしまう。
「そっか…なんかいろいろありがとう。雄也くんってホントに優しいね」滝口さんに学校のスリッパなんか履かれたらそんな幸せも無くなってしまう。
「そっか…なんかいろいろありがとう。雄也くんってホントに優しいね」
また滝口さんは微笑んだ。
「あ、じゃあ借りて行くねっ!ありがとう」
そう言って滝口さんは教室へと向かった。
ふと、余韻に浸った。
やっている事はいじめとか犯罪なのかもしれない。
でも、今の俺には歪んでしまったちっぽけな喜びぐらいが調度いい。
ただ、ただ俺は滝口さんが欲しいだけなんだ。
そんな気持ちで俺は職員室へと向かった。
正直、今かなりの病み期に突入した(してしまった)感じです…
スランプ気味&軽く鬱気味に…
更新速度も不定期ですみません(泣
こんなグダグタになりつつありますが今後とも読んでもらえるととても嬉しいです。