誰カノ悪戯
何故だろう…?
いつもなら「一緒に行こっ♪」ってメールをくれる幸也が「今日は別々に行こう」ってメールをして来た。
昨日、雄也くんと鉢合わせして空気がおかしかったから…?
そのせいで喧嘩して幸也が元気なくて会いたくないとか??
あー、わかんないや。
「おっはよ、唯奈」
そんな事を考えてると後ろから親友の鈴木千里に声を掛けられた。
「あ、おはよ、千ちゃん」
「あれぇ〜??いつもみたいに彼氏くんと登校しないのぉ〜??」
千里はあたしの肩を人差し指でツンツンとつっついて悪戯っぽい笑顔を見せる。
時々見せるこの顔が少し怖いんだけど、根はいい娘。
だから親友でいられたんだとあたしは思う。
「あ、喧嘩した??」
「喧嘩なんかしてないから!!」
「自棄になってぇ〜」
「自棄になんかなってないから!!」
こんな事でも笑える友達なんて初めてだった。
千里は信頼できる。
あと、幸也も。
だからあたしは疑ったりしない。
「でも雄也くんはぜっったいあげないからね」
「あたしには幸也がいるから!雄也くんをもらう事なんて無いよ」
千里は小学校の頃からずっと雄也くんに片思いしているらしい。
それは凄いと思う。
だってあたしと幸也が付き合い出したのは2年になったついこないだだから。
「あたし、自販機で飲み物買いに行くから先行くねっ」
「じゃあ」と行って千里は校舎の中に走って行った。
「あたしも教室行かなきゃ」
小さく呟いて自分の下駄箱を開ける。
ギイーッ
時代を感じさせる音を立てて下駄箱を開けた。
中にはあたしのスリッパがある
はずだった。
下駄箱の中に入っていたのは…
あたしの物であろうズタズタに切り刻まれたスリッパ。
「…何これ」
昨日の帰る時には普通に入れた。
誰かがやったの…?
「滝口さん、どうかしたの?」
そんな時に雄也くんがやって来た。
「なんでも無いよっ!!」
あたしはとっさに切り刻まれたスリッパを隠した。
「なんかあった?幸也と喧嘩しちゃったとか」
「大丈夫だよっ!!」
必死に笑顔を作った。
かなり限界が近い。
「…ん?何それ」
「…!!!!」
気付いた時には雄也くんはあたしの所まで来ていた。
瞬間、雄也くんは悲しそうな顔をした。
「…滝口さんはなんで僕に隠そうとしたの??」
「え…?」
まさかそんな事を言われると思わなかった。
「もしかして幸也に心配かけたくなかった…?」
コクッ
あたしは頷いた。
「…そっか」
「…ごめんね」
ギュッ
「えっ…?」
雄也くんはあたしをそっと抱いた。
「僕は言わないよ…。だから安心して」
「…ッ」
不意に泣けてきた。
なんだか雄也くんの腕の中は暖かくて雄也くんなら話してもいいと思った。
「今朝は幸也と一緒に来なかったの?」
「うん…ヒクッ…幸也が今日は別々で行こうって…」
「…そっか…。幸也、何でこんな時に一緒に登校しなかったんだろうね…」
「…わかんない…」
「幸也が無理だったら僕に言ってよ。そしたら一緒に行くからさ」
雄也くんは優しい笑顔で囁いた。
今は幸也よりも雄也くんが信頼出来てしまいそうな気がした。
亀更新すみません(汗
この頃忙しくて…
言い訳すみません<(__)>
合唱練習とドレス作りとで忙しい日々。
かなり不定期ですが頑張って更新します!!