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歪ンダ愛。  作者: 桃蘭
2/7

キャラト言ウ名ノ仮面

「雄也くんっ、おはよっ」


「おはよ」


「おはよ、雄也」


「おはよ」


いつもと変わらない、いつもと同じ光景。


なぁ、退屈しないのか、お前ら。


心の中でそう呟きつつニコニコと笑顔を振り撒く俺、園崎雄也(ソノザキユウヤ)


一人称は僕。


ま、人の前でだけ。


なんか優等生っぽいだろ、『僕』って。


だから『僕』。


実際、優等生キャラを演じ切ってる訳だが。


しかも人気者という称号付きで。


努力の賜物だろ?


学年トップをずっとキャラの為に守り続けてんだから。


キャラを壊すわけにはいかない。


キャラを壊したら俺には何も残らない。


人気者って称号も消されてしまうかもしれない。



キャラを壊すなんてのは却下だね。


「園崎くんっ!!」


あぁ、また来たよ。


バカな女子。


女子ってほとんどがバカだと思う。


ちょっと優しく、ちょっと微笑むだけで恋心を抱くんだから。


あぁ、恐ろしい。


「ん?どうしたの?間山さん」


「今日の放課後って…空いてる??」


適当に顔と苗字を合わせて優しい笑顔で対応する。


そこら辺は凄く徹底してる。


てか、放課後って呼び出しだよな。


怠いんだけど。


どうせ

「好きなのっ!!」

とか上目使いでコクってくんだろ?


それぐらいわかるっての。


「うん、空いてるけど?」


「じゃっ、じゃあ放課後屋上に来てくれないかなぁ…?」


「うん、わかった。行くね」


「…っじゃっじゃあっ!!」


そう言ってニコニコしながら間山は友達の方に走って行った。


遠くから

「悠梨よかったじゃん!!」

なんて声が聞こえる。


悠梨ってさっきの奴の名前か。


てか、放課後に屋上って有りがちだな。


やっぱバカだ、あの悠梨って女。


柔らかく断っておこう。


と言っても嫌われないように。


「よっ!雄也っ!」


そんな事を考えていたら後ろから声をかけられた。


その声の主はクラスメイトの桐沢孝平(キリサワコウヘイ)だった。


「よっ!孝平っ!」


桐沢自身は俺を親友だと思い込んでるらしい。


だから、その立場を保つ為に親友のフリをする。


親友のフリして利用する。


ダメだったら捨てる。それだけ。


俺にとっては“親友”とか“友達”とかいらない。


出来れば欲しいのは…そう。


『恋人』。


それだけでいい。


でも、恋人にするなら滝口さんがいい。


滝口唯奈さん。


俺がずっと片思いして来た娘。


高校入ってから2年間ずっと片思いをして来た娘。


どんなにウザい女にコクられても滝口さんに変な噂が流れないように優しく断って来た。


滝口さんを手に入れる為だったらなんでもしようと1年の時に決めた。


でも、もともとかなり恋に奥手な俺。


全く手が出せない。


何たって滝口さんは学校のマドンナ的存在。


狙ってる奴なんて沢山いる。

どうすれば滝口さんと…


「…聞いてんのか?雄也」


「…あっごめんっ!何の話だっけ?」


「はぁ〜っ。さっき話してたのって、隣のクラスの間山悠梨ちゃんだろ?」


「あぁ、そうだけど」


だから何だ。


桐沢はいつも俺の思考を途切れさせる。


正直、ウザくて迷惑。


「悠梨ちゃん超モテんだぞ!?」


「…だから?」


「だから!!その…お前みたいに見た目よかったらなぁと」


見た目??


見た目の問題か。


確かに桐沢はカッコイイ訳じゃない。


じゃあ俺は??


俺は見た目がよかったから女子にギャーギャー言われんのか??


まぁ、確かに何度も

「ジャ○ーズ顔だよな」

とは言われたが。


なら、単に女はバカばっかだって証明出来んだな。


結局は男も男。


可愛い奴がいいんだろ。


キーンコーンカーンコーン…


「あっ!!やっべっ」


予鈴が鳴るとやっと桐沢は自分の席に戻ってくれた。


やっぱ俺は桐沢が大嫌いだ。


そんな事を考えながらふと、滝口さんの後ろ姿を見る。


俺の席は1番後ろ。


滝口さんは横の列の1番前。


それぐらい遠くても滝口さんが見れるだけで俺は、幸福感に浸れる。


あのロングで甘いシャンプーの香りがする髪。


そしてすらっと伸びる足。


理想の女子ってのはまさに滝口さんだと俺は思う。


「授業を始める」


いつも暑苦しい数学の教師の声で俺はしょうがなく黒板の方を見た。

気付いた方もいるかも知れませんが、雄也くん、某アイドルグループのメンバーの名前からいただきました。


友達がその人のファンなんですね(笑


何となく出て来ましたー^^


因みに私は雄也くんのキャラ大好きですね^^

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