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37 家壊してでもライブしたいっ!

昨日更新出来ませんでした、、、

「こうしてみると、なかなかのどかな村だよな」


「ざ・村!って感じだね!」


 ミカの家を出た俺たちはのんびりと村を回っていた。村の中心辺りに村長の家があるらしくそれを中心に村が展開されている。居住区を抜けると田んぼや畑が広がっており決して広大ではないが、それでも村の人たちが十分に食べていけるだけの生産が可能になっている。そしてそのさらに外側に村を囲むような柵や壁があった。ゾンビや魔獣が簡単に入ってこれないようになっており、もともとの立地も相まって比較的安全な村なのだろうということがわかる。


 今のところ村の人たちからは何もされていない。そもそも朝が早くて人が少ないってのもあるけど。みな遠巻きにこちらを睨むだけで現状で何か攻撃をしようとする人はいなかった。


「ねえ!もっと人がいるところ!中央までいこうよ!」


「行くのはいいけど絶対に村人たちを刺激するなよ?まず名乗るの禁止。」


「えっーー!!なんで!なんで!かっこいいじゃん!みんなにくーねたんを知ってほしいよ!」


 道端で騒ぎだした俺達を遠くから見ていた人たちは血相を変えて逃げて行ってしまった。


「ほらな、ただでさえ俺達は怖がられてるんだ。余計な刺激を与えてたらそのまま襲われるかもしれないぞ?」


「むぅ。わかった。」


 流石にちょっと大きな声を出しただけで逃げられたことに思うとこがあったのか、頬を膨らませ不満気な顔をしながらもなんとか了承するくーね。


 そのまま俺達は中央の方へと進みだした。


 この時俺はもっとしつこく言うべきだったと、いや、そもそも中央の方へなんて行かなければよかったと後悔した。思えばくーねがそんな簡単に大人しくなんてなるわけないのだから。




「おらーー!まじょはでてけーー!!」


 ゴツッと道に落ちているような石が体にぶつかる。


「でてけでてけーー!!」 「どっかいけー!」


 ポイポイポイ  コツコツコツ


 子供たちが石を投げてくる。


 今まで生きて来て、大勢の子供たちに囲われて石を投げられる経験をした人はどれくらいいるだろうか。


 投げられた石が体にコツコツとぶつかるが、俺に避けるつもりも、反撃する気もない。なぜなら―――


「も~~~~!悪い子たち!人に向かって石なげちゃメッ!だよ!」


 透き通る声。というよりも拡声されたくーねの声が辺りに広がっていく。そのくーねにも石は断続的に投げられている。


 それをクルクルとステップを踏みながら華麗にかわすくーね。


「へっへっへー。そんなんじゃいつまでたっても当たらないぞー?ってあいたっ!!」


「おっしゃ!あたったー!」


「むむむ~、なかなかやるね!でも次は当たらないよ!」


 バコーーーン!ガラガラ。。。


 村の家が無慈悲にも崩れ落ちていく。一体何が起こっているのか。


「あっ!あのまじょ”また”壊しやがった!」


「ふざけんなー!」


「村から出てけーー!」


 そう、くーねが村を破壊しているからである。


 最初はもっとスペースは小さかった。くーねが「ここらへんなら声が反響してよさそう!ここにしよう!!」と場所を決めた。それまでは良かったのだが問題はここからだったのだ。


~~~~~~~


「ん~~~。ここもうちょっと広くしないと踊り辛いよなー。あっ、ねえねえ君達!この家ってだれか住んでたりする?」


「え?なにお姉さんたち。見たことない人。」


「ダメだよ!お父さんが昨日言ってた!魔女が来たって!きっとこいつらだよ!」


「ここは誰も住んでないよー」


 村の子供たちの反応はそれぞれだったが、知らない顔に警戒心を浮かばせている。


 そんな中で一人だけ素直な子がくーねの問いかけに答えた。


「ほんと!住んでないんだね!ありがとう!」


 バキッ!!


「「「「「?!?!?!?」」」」」


 誰もかれもが言葉を失った。あまりにも急なこと過ぎて脳が追いつかなかったのだ。もちろん俺も含めて。


 誰も何も言わないことをいいことにどんどん家を破壊していくくーね。

バキボキとお菓子の家みたいに簡単に崩されていく。


「ちょちょちょちょっ!!なにやってんだくーね?!」


「んあ?ああ!ここ邪魔だったから広くしたいなって!」


「な・・・」


 満面の笑みで微塵も悪気を感じない純粋なくーねの返答に返す言葉を失ってしまう。


「ま・・・」


 ぽつりと声が聞こえた。ことも達だ。そーと後ろを振り返りそちらを見ると、、、


「まじょが家を壊したーーー!!!」



~~~~~~


 そして現在にいたる。


 急に家を破壊し始めたくーねとそれと一緒にいる俺を村の敵とみなした子供たちは石を投げて撃退しようとしているのである。悪いのは完全にこちらなので俺は避けもせずに受け入れてるのだ。


「なんだなんだ何事だ?!」


「お父さん!こいつらが村を壊してる!」


「なんだと!?!?ホントじゃねえか!家がねぇ!どういうこった!」


 くーねの拡声された声と子供達の騒ぎに村の大人たちが集まり始める。


「やっぱり魔女を村に入れるべきじゃなかったんだ!!ふざけんな!」


「これ以上村を壊すな!!出ていけーー!!!」


 ゴトッ  ゴツッ


 村の大人たちが子供たちと同じように石を持ち投げ始める。ただ流石は大人。子供よりも強い力と子供じゃ投げられない大きい石を選び投擲してくるので普通に危ない。


「おおーーーー!!どんどん人が集まってきたね!ステージも固まってきたしそろそろ一曲行っちゃおっか!!!!」


 そしていつの間にか崩壊させた家を土台に簡易的なステージを作り上げたくーねは投げられる石をものともせずライブを始めようとする。


「ふざけんなーー!」


「魔女をゆるすなー!」


 憎悪すら感じる村人など意に返さずポケットから一本のマイクを取り出したくーねはクルンッと回転するとビシッとポーズを決めて高らかに叫んだ。


「くーねたん弾丸ライブ!イン ミカの村!みんな~~~いっくよ~~~~~!!!!!!!」


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