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32 感動の再会?

「お父さん、お母さん!!   ただいま!!!今帰ったよ!!」


 涙を浮かべながら駆けて行ったミカが両親へと抱き着く。

二人はそれを優しく受け止めた後、もう二度と離してしまわないように強く抱きしめ返した。


「ミカ・・・よかった・・・本当に」


「ありがとう。俺たちの子よ、生きててくれて本当にありがとう。」


「もうお父さんもお母さんも泣きすぎだって~」


 崩壊した世界、再会は絶望的。そんな状況でも再び会えた喜びは計り知れないだろう。祐作も、集まった村の人たちも皆家族の再会を邪魔しないよに見守っている。


 くーね以外。


 こいつは今俺に首根っこを掴まれてじたばたしている。

多分大勢の人を前に何かしようとしたんだろうがせっかくの家族の再開なのに邪魔するわけにはいかないからなんとか抑えている。


 まあくーねがその気になれば俺の拘束なんて余裕で解けるだろうし、それをしないということは多少の理性は残ってはいそうだが。


 暴れるくーねを抑えつけている俺達を見て村の人たちの何人かはこちらにちらちらと視線をよこしてくる。

「え、なんかやってるけどなにあれ?」って感じで。恥ずかしいな!

 あっ!こいつキラキラ放ちだしやがった!意地でも目立つつもりか?!させねえぞ!ぐぬぬぬ・・・


 くーねのキラキラに対抗するため俺も炎を生み出し、くーねごと燃やすように包んでいく。


「あつっ!あつい!エイタ!それはずるだって!チリチリする!燃やさないでよ!」


「ならそのキラキラを仕舞いやがれ!今感動の再開してるんだから邪魔すんじゃねえ!」


「ミ、ミカ、あれは一体・・・」


 ぎゃーぎゃーと騒ぐエイタとくーねのやり取りをみて全員の注意がそっちに向く。ミカもある意味いつも通りの二人に笑いしながら両親から離れる。


「あはは、ちゃんと紹介するね。おーーい!エイタ君!くーねたんちゃん!こっちにきてー」


 おっと、取っ組み合いしていたらいつの間にか再開のあいさつが終わっていたらしい。どうやらくーねの邪魔はなんとか防げたみたいだな!よかったよかった。


 お互いつかみ合いをやめた俺たちは呼ばれた通りにミカの元へと向かう。


「紹介するね。エイタ君とくーねたんちゃんだよ!二人とも私を凄く助けてくれたの!二人が居なかったら私はここまでこれなかった。最高の仲間だよ!」


 ミカに紹介され会釈する。こう言葉にして聞くと凄いむず痒いな。

くーねをチラとみると「な、仲間、うへへ」と嬉しそうにニマニマしていた。


「そう、、、か、ありがとう。二人とも、ミカをここまで連れて来てくれて本当にありがとう。なんとお礼をすればいいか。」


「お礼なんてとんでもない。俺たちも桐島さん、ミカさんが居なければここまでこれませんでしたし。」


「そうはいうがな、こんなに若いのに三人だけで外を歩く事じた・・・い・・・ん?」


 話していたミカの父親が途中で止まってしまう。そして目をこすった後もう一度ミカを観察する。


 ごしごし、チラッ、んん?~~、ごしごしごし、チラッ!んんん??~~


「あの時のままだな、ミカ。全く変わってない。」


 その瞬間俺達三人はギクッとなっただろう。それはもうわかりやすく。


「お、おおおお父さん!もう日が暮れちゃうからさ!詳しい話はゆっくりしてからがいいな!私長旅で疲れちゃった!」


「ん?ああそうだよな。さ、帰ろう。家に。」


「今日はご馳走にしましょうね!」


「君達もぜひ家によって行って欲しい。せめてものお礼をさせてくれ。」


 そう言ってミカの両親が村に向かって歩き出す。それを追うようにミカが付いていった。

 一度顔を見合わせた俺達もミカ達についていこうとして、


「待ちな。」


 止められた。


 それは村の集団の先頭に立っていたおばあさんだった。


 よく見るとおばあさんも、周りにいる集団も、剣呑な雰囲気を纏っているのが分かる。というより思いっきり武器持ってる人までいる。


「ばあさん、どうしたんだ?」


 ミカのお父さんが止めてきたおばあさんに向かう。


「ミカ、久しぶりだねぇ。こんなに大きくなって。」


「もしかしてしょうおばあちゃん?わあ久しぶりだね!生きてたんだね。」


 ミカは村長と呼ばれたこの人とも知り合いらしい。親し気に話している。

だが、この人がただ再開の挨拶をするためだけにこのタイミングで止めては来ないだろうことはわかる。おそらくなにか言ってくるだろう。例えば村には入れないとか。


「ミカはいつ見ても可愛いねぇ、生きていて本当に良かったよ。おかえり。まずはゆっくり休むといい。でもねミカ、こいつはらダメだ。村には入れれない。」


「えっ。。。」


 はいきた予想通り!ここにくる道中も不穏な感じ出てたしこの予想はイージーだね。


「そんな!村長!彼らはミカの命の恩人だ!村に入れずにこのまま夜がくる外に置いていくつもりか?!」


 ミカの両親が村長に食って掛かっている。いい人なんだろうな。


「桐島。これは村で決めた掟のはずだ。部外者は立ち入らせない。と。お前も同意したじゃないか。それを破るのか?」


「そ、それはそうだが。何事にも例外はあるだろ!彼らはまだ子供なんだぞ?!」


「ふむ、ならば多数決を取るか?村で何かするときはそうする。これはお前が決めたことだ。わしも従おう。」


 村長さんは後ろを向くと集団に向かって問いかける。俺達を村に迎え入れるべきか。


 是か否かで手を挙げていく人たち。その結果は、


「反対多数。ここには百人以上が集まっているから採決として公平なはずだよ。これが村の総意だ。」


「なっ、お前たち、人の心はないのか?!」


 多数決の結果にミカの父親は怒りを、母は絶句していた。

ミカは俯き黙っている。


「決定は覆らん。さあミカ。お友達にお別れを告げてきなさい。」


 村長さんの言葉に従いこちらへとゆっくり歩いてくるミカ。俯いているからかその表情は良く見えない。


 後ろではお父さんが悔しそうに拳を固めている。


「桐島さん、俺達の事は気にしないでいいよ?別に外でも平気なことくらい知ってるだろ?」


 俺が言うがミカに大した反応はない。困った俺はくーねを見るがこっちも特に何も言うでもなく周りを見ている。こいついっつもうるさいくせにこういう時だけなんで喋らなくなるん??


 やがて俺達の前まで到着したミカは暫く止まっていた後、にっこりと笑顔を浮かべながら顔を上げた。


 やべぇ嫌な予感がする。


 その予感を的中させるかのように、ミカは俺達に別れを告げることはなくクルンと反転、集団に向かったあと元気よく言った。


「お父さんもお母さんも、おばあちゃんもほかのみんなも!ちゃんと生きてて安心したよー!じゃあこれからもなるべく元気でね!またね!ばいばい!」


 くーねの真似をするかのように元気いっぱいに別れを告げるのであった!両親たちに!


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