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26 歌えば大体なんとかなるよね

「じゃあみんなー!そこぶっ壊しちゃってー!」


「「「「うおおおおおおおお!!!!」」」」


 地下から出てきたエイタとミカが見た光景は捕らえられていた人達が壁を、施設を破壊して回っているところだった。


「な、なにこれ」


「わからん」


「あっ!エイタもミカも無事だね。よかったー」


地下から出てきた事に気づいたくーねが手を振りながら寄ってくる。


「くーね。そっちも無事そうでよかったよ。それよりこの騒ぎは一体なに?」


「んー?これはね、邪魔だから全部ぶっ壊してるの!ここにステージを作ろうかと思ってるんだ!」


「あ~?そ、そうか。うん、がんばれ」


 ちょっと何言っているかわからないけど多分考えるだけ無駄だと思ったので軽くスルーすることにする。


「大変だ――!檻が!外の檻がなくなった!ゾンビ達が入ってくるぞー!」


 一人の青年が息を切らしながらも駆け込んできて、ざわざわと場の緊張が高まる。


 東間が自分が死ねば云々と言っていたし、本当に術が解けてしまったのだろう。


「私達のせいだよね・・・」


「まあ、覚悟の上だ」


 休息も束の間、また戦いに行こうとしたところでくーねが肩をぽんぽんと叩いてくる。


「あ、ダイジョブダイジョブ!エイタ達は休んでて!それとハイこれ!ミカにあげる!」


 どこからか拳くらいの魔石を取り出したくーねは、それをミカに渡すとジャンプしてどこかへ行ってしまった。


「いっちゃったね」


「ま、くーねに任せれば大丈夫か、俺も、疲れた。」


「そうだね。私もちょっと休もうかな。」


 ゾンビの対応をくーねに任せたエイタ達は床に座り込むと気絶するように眠ってしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ちょっと前。


「これでよしっと。あと一人だね。」


 核力の感知で既にミカとエイタの場所は把握できている。その近くにいるのがもう一人のあいつかな?

エイタがどんどんミカに近づいて行っているからまあ大丈夫そうだね。


 わたしも一応行こうかな?でも二人なら勝てるだろうから大丈夫かな。

伊達に私の訓練受けてるだけあるからね!とか考えていると足音が近づいてくるのに気づいた。それもいっぱい。


「こっちにも人がいるぞー!」


 どたどたと大勢の人が流れ込んでくる。

みんな気迫が凄いね。


「キミ!大丈夫か?!」


「ん?うん!私は何ともないよ~」


「そうかよかった。っていうかこの声何処かで・・・?」


 なんか私の顔をまじまじと見ながら悩んでいる人を押しのけながら集団の人たちを確認する。


(みんなぼろぼろだけど絶望はそこまでない。これなら大丈夫そうかな?)


「?!キミ、あの少年と一緒にいた子じゃないか?あのおかしい子!」


 私を知っている人がいたのかそんなことを言うと、他の人も「あ~!あいつか」って感じで納得する。こいつらもぶん殴ってやろうかな?っといけないイケナイ。スマイルスマイル~


「お、おい、こいつって・・・」


「なんてこった。こいつは遼太郎じゃねえか?まさかキミがやったのか・・・?」


「え?うんそうだよ?」


 あーそうだそんな名前だった!


 私の後ろにあるのもを見つけ問いかけに答えると、ざわざわと困惑が満ちる。喜んでいいのかどうかわからないっぽい。


「大丈夫だよ!もう一人もエイタ達が倒すから!ここの支配は今日終わるよ!」


「あぁ。俺たちはこんな幼い子たちになんてもん背負わせちまったんだ。」


 おじさんが崩れ落ちた。


「うぅぅ、くっそ!ほんとは俺たちがやらなきゃいけなかったのに!自分がなさけねえ」


 青年が泣き始める。


「あぁ、地獄が終わるん、ですね・・・」


 後ろの方で毛布に包まれていた女性が天を仰ぐ。


「あ、あれ~?なんでこんな感じなるの?もっと喜べばいいのに」


 私が呟くと崩れ落ちたおじさんが怒鳴ってきた。


「素直に喜べるわけないだろっ!そりゃこの地獄が終わるってんならうれしいけどよ。子供に、俺たちは人殺しをさせちまったんだ。

本当ならそんなことしなくていいはずの子に、俺たちは押し付けちまった。」


「あー、なるほどね。そういうことね。気にしなくていいよ?慣れてるし」


「そんなはずねえだろ!いくらこんな世界だからって!慣れていいもんじゃねえだろ!」


 遂に泣き出してしまったおじさんを周りの人が宥めてる。

うへ~。まあ気持ちは嬉しいし、私もそう思うけど。


 ま、こういう状況の時は歌ってなんとなく有耶無耶にしようかな。

なんどもこれで乗り切ってきたからね。


 マイクシャキーーン!ミュージックスタートッ!


「~~~~~♪」


「「「「?!」」」」


 私が歌い出すとみんなして黙りこちらを向く。


 一曲を歌い終わるころにはみんなの顔から後悔はなくなっていた。

ただ楽しいとなんで急に歌ったんだという困惑の感情だけが伝わってくる。しっかり私の歌は届いたっぽい。


「うおおおおおおおお!!くーねたん!!くーねたんの歌最高!」


「くーねたん!かわいい!最高だよ~~~!」


「なあ、なんでこの子今歌ったんだ?俺たち誤魔化されてるんじゃ?」


「うるせえ!なんも気にせず楽しめばいいんだよ!」


「こっちむいてー!」


「くーねたん。はぁはぁ。」


 うんうん。楽しんでくれたなら何より!


「はーい!くーねたんの歌、もっと聞きたい人ーー!」


「「「はい!!聴きたい!」」」


「んもー、しょうがないな~。よしっ!ライブ会場作って盛大にやろっか!」


「「「「「うおおおおおおおお」」」」」


 私が走り出すと、みんな元気に付いてきた。


 よーし、ライブするぞー!!


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