23 生き残りの基地 5
少し前に22話を投稿しています!まだ観てない人は是非!
遡ること数分前。
扉を破壊し、開通した通路を俺は走っていた。
くそっ!どこだ!くーねとミカはどこにいるんだ!
通路にあった扉はほとんどが外側からだけ鍵を掛けられる仕様になっており、俺は一部屋ずつ中を確認しながら進んでいた。
部屋の中を見るたび嫌な気分になる。大体との部屋にも女性が一人二人入っているから。
みんな急にあけられた部屋に驚き、固まってしまう。
「なあ、俺の知り合いがどこにいるか知らないか?!長い黒髪の女の子を!」
「あっ、えっと、、、ごめんなさい」
まあ知るわけないよな。おそらくずっと部屋に閉じ込められていただろうし。
「おいお前!この騒ぎはなんだっ!どうなっている!?お前の仕業か!?」
通路の奥の方から男が駆けてくる。その手には警棒のようなものが握られていた。
「どうやってこの通路に来やがった!まあいい。すぐ叩きのめして・・・」
何か言ってるが多分遼太郎達の仲間だろう。遠慮はいらないな。
俺は振り上げられた警棒を左手で受け止める。
ジーーンと腕が痺れるのを感じながら炎を纏わせた拳でこいつの顔面を殴り飛ばしてやった。
「ぐっ?!あっつうううああああ!!?!」
殴った男は顔面を振り払うように藻掻きながらそのまま転倒して動かなくなった。
多分死んではない。はず。
「強くなかったな。やっぱりやばいのはあの二人か・・・」
俺がここにきてオーラを感じれたのは遼太郎と東間の二人だけ。
それ以外はあったとしても小さいのかあまり感じられなかった。
それともまだ出会ってない奴がいるか?
しかし今はそれよりもミカを探し出すことが先決だ。
通路を進み、だんだん離れになってきた所、一つ、異質な部屋を見つけた。
異質って言うか、既に扉が壊されている部屋。
中を覗くも誰もいなかった。しかし見覚えのある物が、それは俺たちの荷物。
くーねたちは確実にここにいた。
俺は荷物の中からバールを手に、ハンドスコップを落ちないようベルトに装着し、部屋を出る。
「いたぞっ!あそこだ!」
二人組の男がこちらに向かってくる。
持っているのはまた警棒か。刃物じゃなくて助かる。
掌に炎を出したら、あいつらはビビッて足を止めてくれた。
その間に距離を詰めバールを振りかぶるが、警棒で受け止められてしまう。
無防備な背中にもう一人の攻撃が加えられる。
「いってぇ、なぁ!」
前方の人を蹴っ飛ばし、おおざっぱに振り回した拳で背後にいた人の腹に叩き込む。
「邪魔すんじゃねえ!」
また走る。入り組んだ通路を進んでいく。
すると曲がり角の奥の方からペタペタと足音が聞こえてきた。
拳を構え角待ちする。
どんどん近づいてくる気配に緊張しつつ、出てきた瞬間に殴ろうと、
「きゃっ」
当たる寸前でなんとか拳を止める。
通路の奥から現れたのは、裸に上着一枚だけを羽織った少女だった。
少女は突然殴られそうになり、驚いて尻もちをついてしまっている。
それに眼から炎が出ている俺が怖いのか、その顔は恐怖だった。
震える体で大切そうに上着をギュっと握りしめている。
(この上着って桐島さんの・・・)
なるべく驚かせないように一定の距離を取りながら話しかける。
「キミは、桐島さんを、長い黒髪の女の子を知ってるか?」
するとゆっくりと顔を上げる。
「あ、なたが、えい、たさん?」
俺の名前を知ってる?
「ああ、俺はエイタだ」
俺が認めた瞬間少女が血相を変え掴みかかってきた。
「ごめんなさいっ!私、あの人に助けられて!でもあの人は今も捕まってて・・・
なにも出来なくてっ!ごめんなさい・・・」
泣きながら謝罪を繰り返す少女の手を離させる。
「知ってるんだね?桐島さんの場所。」
コクコクと頷く。俺は少女を背負うと、ミカが捕まっている場所。地下へのルートを教えてもらい走り出すのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~~♪
デデドン!デデデデッ!
クルーンと回ってビシッ!
たとえ誰も見ていなくともポーズは完璧に決める!
「ふわ~、久々に歌ったぞ~!」
現在私がいるのはとある塔。
大きい鐘の音に釣られてやってきたらなんか音を届けられそうな装置を発見したから歌ってみた。
希望の力が集まってくるのを感じる。私の歌はしっかりと届けられたみたいだよ!
「よーっし!じゃあ次の曲いっちゃうよー!」
私が気分よく次の曲に行こうとしたとき、バンッと勢いよく扉が開けられた。
「これは一体どういうことだっ!」
「ちょっとちょっとー今はライブ中だよ~。立ち入り禁止!」
腕でバツマークを作り出して主張する。
だれか入ってきちゃった。この人だけ目の前で歌を聴けるのはほかのファンにとって不公平だよね?追い出そうかな?
しかしもう次の曲が流れ始めてるし中断するのもな。って思ってたら入ってきた人が装置を切っちゃった。
「お前は、ミカ・・・桐島殿と一緒にいたものじゃないか・・・」
「あれ?ミカを知ってるのー?」
「なっ?!、し、知ってるも何も私たちは先ほどお会いしたばかりですぞ?」
あれそうだっけ?
あーそういえばさっきミカを連れて行った人がこんな感じの人だった気がする。
「どうやって部屋から出た?ここで何をしてる?」
「ん?ライブしたくていろいろ探してたの!あの人は教えてくれなかったし。それにしてもここは凄いね!遠くまで音を届けられるよ!だから続きやっていい?」
ポカンとした顔で話を聞いていたこの人は気を取り直すと首を振って否定してきた。
「だ、ダメだ!なんだかよくわからんがとにかくダメだ!なんなんだお前は!
そ、そうだ!桐島殿が待ってる!君も一緒に来てくれ!」
ミカが待ってる?それならいかないとね!
「わかった!じゃあミカの所に行こう!」
ごめん名前忘れちゃったこの人はニタリと笑い頷くと部屋を出ていった。
その後をついていくと一つの部屋に案内される。
部屋の中にはミカの気配はないけど、後から来るのかな?
促されるまま部屋へと入る。普段人が来ないんだろうなここ。なんか寂しい感じがする。
それに凄く風通しが良いね。っていうか壁が棒だよ。これ牢屋じゃない?
「はあ、まったく世話を掛けやがる。ふへへ。よし、これでもう出られまい。」
ここまで案内してくれた人が鍵みたいなものを取り出し何かしている。
あれ心核だ~。どんな能力だろう?見た感じ操作っぽいけど。
「ミカはいつ来るのー?」
私が聞いたけどこの人は何も答えなかった。
代わりに顔を見てフッと笑ってくる。
ムムム~。今私の事馬鹿にしたな!えーっと、なんとかさん!
なんとかさんはそのまま何処かへ行ってしまった。
ミカ呼びに行ったのかな?っと思っていたら入れ替わるように人が来た。
「はぁ、あなたは一体。どうやってあそこから出たんですか?それにさっきの。あなたの仕業ですよね?」
この人さっき部屋に案内してくれた人だ!エイタのせいで変人を見るような目で人の顔をみてくるようになっちゃった人。
え~と、ごめん。あなたの名前も覚えてないや。
「どうやってもなにも普通に出たけど。それよりあなた、、、エイタとなにかあった?」
目の前の人が一瞬ピクッっと反応する。
これは何かあったね。この人からはエイタの核力の残滓が舞ってるもん。
ただ接触しただけではここまでならない。
それこそ戦闘でもしなければ。
「もう一度聞くよ。エイタと何をした?」
私の問いかけにこの人は俯くと、次第に肩を震えさせる。
「クックク、クフフフ、フハハハハ」
うわなんか急に笑い出した。この展開は何回も見たことあるよ。多分この後いろいろ話し始めるでしょ。
「まったく君たちは本当に気味が悪いですね。まずありえないんですよ。東間さんはどうかしている。いつもはあんなじゃないのに。」
ほら!なんか語り出した。ってか私達が気味が悪いって酷くない?
「本当にありえない。体から炎が出る少年も。二年前から姿が変わっていない少女も。なにより・・・あなたもっ!」
炎が出る人も何十年も姿が変わらない人もそんな珍しいことじゃなさそうだけど?ん?私?
「なんなんだそのふざけた名前は!恰好は!言動は!理解できないっ!
こんなイカれたやつ、、、いや、お前らは一体いままで何処にいたんだっ!急に現れやがって、なぜ今まで噂にならなかった?!」
肩で息をしながら凄い勢いで言ってくる。
「まあいい。あの桐島とかいう女一人いれば東間さんは十分だろう。お前たちは危険すぎる。悪いが処理させてもらうよ。
潰したあの男のようにな。」
「いま、なんていった?」
「?!」
部屋の鉄格子を掴むと力を入れる。ぐにゃりと無理やり曲げられ、開いた空間から私は外に出た。
「なっ、なぜ動かせる?!東間さんが力を残していたのか!?」
「やっぱり、どこの世界も似たようなものなのかな。」
「は?何を言って、、、」
ステップ一つ、一瞬で距離を詰め拳を叩き込む。
「ぐぅうう!??!ガハッ。うぅ、一体何が・・・」
「エイタを潰せば大爆発。ここら一帯は消し飛んじゃうよ?そうなってないってことはエイタは生きてる。それは理解できてる。」
「爆発?何言ってやがる。」
よろよろと起き上がったこの人は姿勢を低くして踏み込むと蹴りを繰り出そうとしてきた。
私はそれを特に避けるでもなく、正面から受け止める。
「なっ!?だがっ!」
受け止めた蹴り、というか靴の裏がら衝撃が飛び出してきた。
なるほどそういう心核か。まあよくあるやつだよね。
エイタよりは動けるみたいだし多分この心核で潰されちゃったのかな?
衝撃を全て浴びた私に追撃とばかりにもう片方の足を振るう。
それを軽く弾いて足を離してあげるとそのまま空中で蹴りを食らわせる。
「がはっ、ごほっ、くっそ、なんなんだ!お前は!」
「私はくーねたんです。あなたが覚える必要はないけど。」
「ふざけやがって・・・」
体の骨が折れているのだろう。もうまともに動けないはずだ。
「あなたと、あの男、二人がここで絶望を作り出しているんだよね。」
「だったらどうしたっ!ああそうだよ!ここは私たちが支配している!だがそれがどうした!?私たちは安全な住処を提供してやっているに過ぎない!」
「そう、じゃあ浄化しなきゃね」
「は?浄化だと?!そんな・・・っ!?、待てっ!待ってくれ!やめろ。わかった!お前たちにはもう手を出さない!あの女も返す!だから俺の話を・・・」
掌に光を集めていく。私が何をするのか察したのだろう。何かを言って止めようとしている。
聞く気はないけど。
ある程度集まった光。恐らくどのくらいの力が籠っているかわかるのだろう。
私はその光を拳に纏わせると、この男に振り下ろした。
下にある☆☆☆☆☆から、作品の率直な評価をよろしくお願いします。
また、『ブックマーク追加』と『レビュー』も一緒にして頂けると、大変助かります。




