5 創成主は偽救世主に鼻で笑われる。
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「俺一人の力で足りんのか?」
突然、ディゲクァドがそんなことを言う。
「他にも協力者を集めるつもりだよ? 一人でできるの?」
「はっ、できるわけない。」
冗談交じりで言ったら鼻で笑われた。
その行動はこんな小さなことで私がキミを消すわけないと思っているのか、この城を守る門番をそんな軽率に消すはずないと思っているのか何なのか。
「で、次は誰を仲間にするんだ?」
ディゲクァドは人間嫌いだけど、大丈夫かなぁ…やめといたほうがいいのかも…?
なら、スカーレットはやめようかな…人間だし。
「そうだね。……キリャドにしようかh」
「今、なんて思ってた?」
「………………え?」
顔に出てた? それともそんなに人間と組むのが嫌だった?
一応、悪神って呼ばれてたキリャドにしたんだけど…。
「気遣いなんていらない。人間と組みたきゃ、組めばいい。」
…そっちか…。
でもいいのかな…。本当に人間と組んでも…。
悪神と呼ばれていたキリャドの意外過ぎるその言葉に、ついて来た天使たちも言葉を失っている。
「で、誰と組む?」
「あ………………。」
返事に困る。
やっぱりスカーレットは、止めておこうかな…。
「いないなら、俺が決めてもいいか?」
とのことなので、おとなしくついていく。
城に一歩踏み込んだところで、ディゲクァドは動きを止めて言いずらそうに言った。
「………………あの…確認なんだけど……城の内装って…そこまで大きく変わってねえよな?」
なるほど、もし変わっていれば迷うかもしれないと。
協力者2 神獣殺しの啜り姫 タメットド
カツ…コツ……カツ…コツ……
地下へ続く階段を下りる音が響いて、不気味な音を奏でる。
急な階段をごつごつとした岩肌に手をついて、消えることない蝋燭の明かりに照らされながら、地下牢に捕らえられている元人類統一国家の姫に会いに行く。
いやー驚いたよ。
だれに会いに行きたいのかと思ったら人間の、それも姫に会いに行きたい、て言い出すんだもん。
え? どうしてって? それは僕も知らないよ。そもそも二人はどこで出会ったのかすら知らないもん。
姫は確かに美しい。でもあのディゲクァドが見た目で人間に心を許すとは思えないもん。
ちなみについてきていた天使数名には帰ってもらった。
ボクがこうしてるときにたまっていく仕事を代わりにやってもらっているのだ。
彼女は口には口加瀬、両手首に手かせ、そして足には足かせ、足かせはベッドの足に鎖でつながっていた。
彼女はベッドがあるにも関わらず、地べたに座って「スー、スー」と寝息を立てて眠っていた。
ねもーい