私は貴方のお望みになれたでしょうか?
サクッと読める話。短いし、訳分かんないかも…!
「愛してるよ、リサ」
「私もです、サーミレ様」
異世界から来たリサと言う名前の少女。この方は聖女しか使えない光魔法を操れるし、貴族でも平民でも皆平等に対話をする。
その姿は当に聖女様だった。だが、こうして学園の放課後にいちゃつく2人を見て私は好感が持てない。
(どうして…?)
私の婚約者である銀髪碧眼のサーミレ王子と異世界から来たポッと出の聖女リサ様が抱き合っている。
_何時だっただろうか?リサをサーミレ様が夜会でエスコートをしたのは。
(その日は、泣きながら公爵邸に帰って父様と母様に心配させてしまった…)
_何時だっただろうか?サーミレ様が私を醜悪でブサイクな化け物を見る様な目をして来たのは。
(あの目で見られたら、心が、心臓が、嫌な音を立てて鳴るのよ。その音が不快だけど、それよりもあの目が恐ろしかった…)
_何時だっただろうか?サーミレ様が従者に『アイツが物語の悪役令嬢みたいだったら、婚約破棄出来たのに』と呟いたのは。
(貴方が『お淑やかで優しい女が好きだ』と言っていたから、ヤンチャな自分を封印してお淑やかで優しい女性になったのに…)
「本当に愛おしい」
サーミレ様はリサの尻に手を回し、いやらしい手付きで撫でる。
「ウフフ、もぉう!恥ずかしい〜」
キャッキャッと人目を憚らずいちゃつく2人の姿が何処か遠く感じる。
(あぁ、私をその甘い声で、その甘い顔で、呼ぶ事も答えてもくれないのね…)
ずっと気付いていた、それなのに気付かないフリをしていた。ソレに目を向けると悲しくなるから、心臓を手でギュッと潰されるように苦しくなるから。
(もう、私を愛してはくれない…もうそれを求めちゃ、いけない…)
金髪で長い縦ロールを揺らし、紅い瞳をカッと見開く。
「殿下!!その平民女から離れて下さいまし!!!」
_なら、私は彼等が望む『悪役令嬢』になろう。
ここまで読んで頂きありがとうございます!




