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熊のポーさん

作者: maruko

よろしくお願いします

僕の名前は熊のポーさん

勿論ぬいぐるみ

僕の持ち主はサティ・ローザン、公爵家のご令嬢だ。

僕は彼女が8歳の時に誕生日プレゼントとして彼女の元へやって来た。

彼女の婚約者ランディ・マルカイン、この国の王太子、彼からのプレゼントだ。

彼女の元へ来た時から、毎晩彼女とお喋りする、僕の返しは全く聞こえてないけどね。

サティはとっても綺麗な女の子

淑女っていうの?それを目指して頑張ってる。

家庭教師の先生にも、その努力は褒められてた。

14歳になってからはお城でお后教育っていうのが始まって毎晩疲れたって言ってた。

でもこの国の民の為に頑張りたい、王太子を少しでも支えられる様にならないといけないって。

大変だね、でも頑張れ〜って毎晩言ってたんだけど彼女の耳には届かない。

気持ちだけでも届くといいなって思ってたんだ。

サティは16歳になって学園って所に行くようになった。

最初は楽しいって言ってたんだ、でも段々と元気がなくなってた。

毎晩泣くんだ。

王太子が他の女の子と仲良くなったんだって。

メアリーさんっていう子みたい、可愛いけど礼儀知らずなんだってさ。

そんな子ほっときな〜って言ってみたけど届かない。

何か先生から頼まれたんだって長い目で見てって、その子が先生の親戚みたい。

でも辛いんだろうな、この前グーパンチされたよ僕。

八つ当たりだね、別に痛くないからいいんだけどさ。

元気出してサティ。


──────────────


学園でダンスの授業があったそうだよ、ダンスの先生に頼まれて王太子と模擬でみんなに披露したんだって。

みんなに褒められて嬉しかったって、王太子もニコニコしてて楽しかったって。

そしたらメアリーさんが自分にもダンスを教えて欲しいって王太子に頼んだらしいよ。

そんなの本当は駄目なんだってさ、王太子に直接頼みごととかしちゃいけないんだって。

なのにしちゃったんだって。

王太子が断ったのに執拗く執拗く頼んで最後は泣き出したって。

その様子をサティは黙って見てただけなのに、王太子の側近候補の人達がサティのせいだって言い始めて、王太子も違うって言ってるのに、その側近候補達がサティを突き飛ばしたんだってさ。

そしたらサティ転んで腕ケガして包帯巻いてた。

吊ってるから骨でも折れたのかな?

腕が痛いのもあるけどその後の事で辛いってサティ泣いてた。

サティは王太子の婚約者だから準王族なんだってさ、その人にケガをさせちゃったから側近候補達が罰せられたんだって。

いいんじゃないって僕思ったんだけど、その中にサティの幼馴染でとっても仲いい子がいたから、その子がサティに取った態度が悲しいんだって。

そっちか〜。

でもメアリーさんにはお咎め無しで納得いかないって言ってた。

それは納得いかないよね。


──────────────


ダンスの件があってから王太子がメアリーさんと仲良くしなくなったんだって、サティ嬉しそう。

なんでもメアリーさんと仲良かったの側近候補達だったんだって、そしてその人達がなんだかんだと王太子とメアリーさんをくっつけようとしてたみたい。

王太子から

「僕はサティの婚約者だよ、サティ以外を娶るつもりはないから安心してね。不安にさせてたとは知らなかったごめんね」

って言われたって、良かったねサティ。

でもその後に王太子から相談を受けたみたい。

どうも側近候補達の態度が解せないらしいよ。

学園に入るまでみんなあんな事する人達じゃなかったのに、サティにケガをさせたらどうなるかぐらい解ってるはずなのにおかしいって。

サティも幼馴染が変わったのかと思ってただけだったけど、王太子から話を聞いておかしいと思い始めたみたい。

二人で調べてみるんだって言ってた。

危ない事に手を出しちゃ駄目だよ、気をつけてねサティ。


──────────────


なんとあのメアリーさん。

隣国のスパイだったんだって、学園の先生も!

他にも何人かスパイがいてお城で働いてる人だったり、普通にパン屋だったり、商人だったり。

メアリーさんが魅了とかいう効果のあるペンダントして、側近候補の人達は操られてたっていうんだ。

サティびっくりしてたよ。

王太子はそういう魅了とかを遮るピアスを着けてたんだって、だからメアリーさんに操られなかったらしいよ。

王族はみんな着けてるんだって。

隣国が戦争仕掛ける前に、下準備で王族を操ろうとしたけど失敗したって事だったんだ。

側近候補の人達も学園辞めたら普通になって、あんな事したのが自分でもわからないって言ってたから、操られてたのがわかったって、良かった〜ってサティ喜んでた。

良かったねサティ。


それから準王族だからってサティも精神魔法を遮るブレスレットを王太子に貰ってた。

でもそれから僕とお話しなくなったんだ。

ずっと話してくれるの待ってるんだけどサティは僕に話しかけない。

あんなに毎晩寝る前にお喋りしたのに。

僕寂しいなぁ、サティまた話してよ。


──────────────


サティが王太子と結婚したんだ。

僕を持ってくるように言われたんだって、久しぶりにそう言って話しかけてくれた。

お城にも僕を連れて行ってくれるんだね。

嬉しいよサティ。


「あぁ持ってきたんだね。今まで大事にしてくれてありがとう。でもこれは子供っぽいから僕が預かるよ、君に初めてあげたプレゼントだから捨てるのも忍びないけど、これからは二人の思い出として僕の部屋に飾るね。君の部屋だと子供が生まれたら取られちゃいそうだから」

「そんな!初めてのプレゼントで嬉しかったのもあリますが、毎日話しかけたりして私の励みにもなってたし、この子がいてくれて精神的にも安心できたんですよ。子供が強請ってもあげません」

「それでも母親って子供に甘いんだよ。だからこれは私が預かるよ、この話はお終い」



ここは王太子の部屋の隠し部屋。

サティの所に行く前に僕が居た場所だ。


「お役目ご苦労様。君に魅了の効果を付与してたからバレる前に回収しとかないとね。

サティの気持ちを掴んでくれてありがとう。

あとはゆっくり休んでね」


僕は元いた棚に飾られた。


バイバイサティ。



お読み頂きありがとうございました

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― 新着の感想 ―
優しいお話に癒されます♪ ダークなのに、読後感が微笑ましくて好きです。
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