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第八十四話 大型帆船に魔獣襲来の危機

 船の見張り台から、乗組員が海に落ちた!

 ルビアスが聖剣雷撃のレイピアを素早くしまい、勢いよく欄干を蹴り上げて海に飛び込んだ。

 どんどん乗組員の男は海に沈んでいくが、泳ぎの得意なルビアスはなんなく男の体を掴み助けて海上に向かう。

 途中なにかが横切った気がした。

 急いで海上に顔を出した。

 乗組員の男は意識があり。

「ぶはあっ」と勢いよく息を吸った。


「ルビアス!」


 エリザベートは慌てて近くの浮き輪を掴んでルビアスに投げた。

 騒ぎに気づいて駆けつけたクラウドと一緒にルビアスが掴まる浮き輪を引っ張る。


「君掴まれるか?」

「無理であります! なぜか体が痺れて動きません」


 乗組員の男は何者かに体を痺れさせられたようだ。

 体の自由を奪われたようでさきほど見張り台から海に落ちたのだった。


「何かいるな」


 ルビアスは嫌な予感に襲われている。 


「大丈夫っ?!」

「大丈夫かっ?!」


 エリザベートとクラウドがルビアスと乗組員を海から引き上げた瞬間!

 ルビアスの背後からエリザベートの10倍以はあろうかという身の丈ある魔獣蛸クラーケンが現れた!

 エリザベート達は遙か上空にまである魔獣の頭を見上げた。

 魔物の獣は魔王が差し向けたつかいだ。

 巨大な魔獣蛸クラーケンが咆哮を上げながら飛沫を撒き散らし、エリザベート達に容赦なく襲いかかって来るっ!

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