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第七話 聖剣が欲しい

「なぜ君は、俺がルビアス王子だと?」

「これです。どうぞ」


 カトリーヌが男に渡す。

 それは王族のあかし

 紋章もんしょう入りの純度の高い金で出来た指輪だった。


「その紋章はイルニア国の王家のもの。年齢的に噂に聞いた遊び好きで放蕩者ほうとうものの三番目の王子かと」


 カアッとルビアス王子の顔は赤くなった。


「なくしたことすら気づかなかった」

「じゃあ、確かに返しましたよ」


 カトリーヌはきびすを返す。


 ルビアス王子としては、カトリーヌはたいへん興味深い相手で後日訪ねるつもりであったので好都合だった。


 さっきはびっくりして、それにレディの部屋を覗き見たのがバレてバツが悪い思いだった。

 王子なのに無礼なる行いだったなと恥じて、エリザベート達からつい逃げてしまったが――。


 初めから自分らしく、堂々と正面からエリザベートに尋ねればよかったのだ。


「待て、待ってくれ! まずは助かった。礼を申し上げる。――で、あのなあ。遊び好きは一番目と二番目の兄なんだ。俺はいたって真面目。……まあ、茶でもどうだ?」

「お茶、ですか?」


 カトリーヌは疑いの眼差しだ。


 イルニア国の王子たちはイケメンで遊び好きで有名で、大陸中の年頃の女性たちの噂になっていたからだ。


 遠く、ランドン公国にまでも。


 ルビアス王子に部屋にどうぞと促されたが、カトリーヌは首を横に振る。


「単刀直入、俺は君に率直に言う。俺は貴殿の聖剣が欲しい」

「……はあっ!?」

「俺はそのために、はるばるイルニアからやって来たんだ」

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