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第七十三話 夜は更けていく

 ルビアス王子は宿の中庭に出て、小さな木の椅子に座り夜の風に当たっていた。

 腰には聖獣バルカンからもらった“雷撃らいげきのレイピア”をさげている。


「エリザベート」

 唇にはまだエリザベートととの口づけの感触が残っていた。

 あんなに強引に女性の唇を奪うなんてどうかしてると己をいましめ抑えても、エリザベートともう一度口づけを交わしたいと願ってしまう。


「星が綺麗だ」

 ルビアス王子は感傷にひたって、流星を見つけた。

「今夜は夜空に流星群が降り注いでいますね」

 ルビアス王子を心配して聖獣バルカンが中庭に来た。周りには誰もいないので、鶏から火の鳥の姿に戻りそばに腰かける。


「バルカン」

「どうしたんですか? 元気ないですよ」

「俺はエリザベートに振られちまった」

 傷つけるつもりなんてないのに、自分の気持ちをエリザベートに伝えようとすればするほど、彼女を困らせ追い詰めてしまった気がする。


「恋は難しいですね。でもルビアス! きっとタイミングがありますって。あなたはエリザベート様をずっと真摯にお護りするんです。あなたがエリザベート様のそばで力になれば、いつかエリザベート様も心を開いてルビアスの気持ちを受け入れ応えてくれる時がくるかもしれません」

 ルビアス王子をバルカンはバルカンなりの言葉で精一杯なぐさめ励ました。


 夜は更けていく。

 みなそれぞれの想いで流星群を眺めながら。

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