表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/217

第六話 驚きのなかの確信

 男はしばらくのお忍びの宿にお菓子工房の二階を借りていた。


「はあ、びっくりした。だがやっぱりそうに違いない」

 伝え聞いた外見とはだいぶ違うが。

 黒い豊かな黒髪だったはずだ。

 

 あの者は髪は短く金髪であったし。

 だがあんな獣を従えているではないか。


 一緒にいるのは魔物ではなかった。

 禍々《まがまが》しくはない。 


 コツコツコツ。

(誰か来る)

 階段を上がってくる。

 店主の足音の特徴ではない。

 

 コンコン。

 戸がノックされた。


 出るか、否か。


 男は意を決して出ることにした。

 スッと手を伸ばして長い愛用の剣を握る。


「誰だ?」

 短く問うと美しい爽やかな声がかえってきた。

「忘れ物です」


 ギイッ。

 古い木の薄い扉を開けると。


「あっ」

「どうも。イルニア国の第3王子のルビアス様ですね。忘れ物ですよ」


 先刻さきの少女がいた。

 黒耀石の瞳。

 強い輝きの瞳。


 確信したのだ。


 この者がずっと探し続けた人物であると。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ