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第六十一話 まず宿ベルマンへ

 夕暮れ時を迎えてエリザベート達は聖獣たちの背に乗り、まずはパパイナ島カカアカラ街の宿ベルマンへ向かうことにした。


 宿ベルマンで今後の作戦会議を行うことに決めた。


「ジスにはランドルフとダンバを乗せ、セイレンにはクラウドと子猿のサンドを、バルカンはルビアス王子とアリアが、シヴァには私が乗るということで構わないかしら?」


 誰も異議は唱えない。

 力と聖獣の体の大きさから言って最善だと思われる。

 聖獣ジスはランドルフを乗せることがものすごく嫌だったが、今回はわがままを言える状況ではないのでグッと我慢した。


「ジス〜、よろしくね」


 黒の魔法使いランドルフが猫なで声で聖獣ジスに話しかけるとジスは牙を剥いた。


「フンッ。話しかけるな! ガブッとこの牙で噛むぞ」

「こわ〜い」


 前からいつでも周りを茶化し小馬鹿にしへらず口のランドルフが、ジスは大っ嫌いだった。

 そうしてランドルフがエリザベートとランドン公国軍を偽情報で陥れた時に、決定的となった。

 こいつが死ぬほど嫌いだ。

 一生涯信用なるものか。

 たとえ今は魔法紙の呪縛で計らずも仲間のようになってしまったが、こいつは平気で仲間を裏切る盗っ人だ。


(本当いけすかないやつだ。途中で落としてやろうか!)



 早く山を降りねば、日が暮れる。

 一年中暖かく昼が長いパパイナ島だって、モンキー山や山々だけはまた凍えるような寒さになる。


 出立を移動を、急がねばならなかった。


 そしてまたいつ魔王が魔獣を仕掛けてくるかもしれない。


「さあっ、みんな! 行くわよ!」


 オオッ! と皆がエリザベートの出立の合図に続き掛け声を上げる。

 それぞれが己を奮い立たせるために。

 掛け声は洞窟内に大きくこだまし反響した。


 まず聖獣ジスが先頭を切って駆け出した。

 ベルマンの宿を知っているのは、聖獣ジスと聖獣シヴァだからだ。


 聖獣シヴァは一同の最後に付く。

 漆黒の勇者エリザベートが皆を背後から見守りながら洞窟を飛び出した!

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