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第四十一話 夫婦喧嘩

「セイレンか?!」

「ジスー! 久しぶり」

 二匹は駆け寄り再会を喜んでいる。


 チラリ。

 ユニコーンの聖獣セイレンが、聖獣シヴァを見た気がした。


「わあ! 聖獣さんですね」

「アリア様ですね」

「はい。私アリアです。よろしくね」

 アリアが聖獣シヴァの鳥籠を聖獣セイレンの前に出して挨拶のつもりだった。


 疑うような言葉が聖獣セイレンから発せられた。

「馬鹿シヴァー! 馬鹿シヴァー!」

 

「え?」「はっ?」

「?」「?」

 一同がわけがわからず、鳩が豆鉄砲をくらったような顔になっている。


 聖獣シヴァは滅茶苦茶怒ってる。

 激しく鳥籠を揺すってる。

 

「どうしたのでしょう? シヴァが怒ってます」

 アリアが心配そうに聖獣シヴァを見つめる。

 シヴァはフンッとふてくされてる。


「…ごめん。シヴァ」

 悪態ついたかと思ったら一転聖獣セイレンは謝った。

 エリザベートはじっとセイレンの言葉を待つ。

「わけが分からん」

 クラウドはモシャモシャとミントを食べながら眺める。

 

「ボク、シヴァの旦那さんなんです」

 ポワッとセイレンがハムスターに変化する。

「ええっ」

「いつ結婚したんだ? 俺はシヴァのことは知らないぞ」

 聖獣ジスが驚きとちょっとむっとしている。

「ジスが人間界に行ってすぐです」


「へえー。聖獣も結婚とかあるんだあ」

「ですねー」

「あるんだな」

 エリザベートもアリアもクラウドも純粋に驚いている。


「天界で夫婦げんかの途中でシヴァがイシス様のめいで人間界に行っちゃって」

 シュンとなった聖獣セイレンは互いにハムスターの姿になって見つめ合う。


「ごめんね」

 セイレンが鳥籠のあいだから手を差し出すとシヴァは涙を流しながらセイレンの手を取った。


「早く鳥籠をなんとかしないとね」

 エリザベートは力強く決意する。

 夜が明ければモンキー山の盗っ人のアジトに向かう。

 そこにいるであろうあの男の手を借りる。

 少々しゃくだがエリザベートはあの魔法使いの力はまあまあ使えると思っている。

 きっと鳥籠の魔法も複雑でもどうにか出来るであろう。

 性格は最低だが。



「ユニコーンは飛べるんだろ? なんで落っこちてきたんだ?」

「翼があって飛べるのは違います。それはペガサスさんです。似てますか? ボクはユニコーンですからね」

「ユニコーンは何ができるんだ?」

「ボクは回復ができます。抜群ですよ」

 話は尽きないが。



「さあひとまず寝ましょう。戦いが待っている」

 エリザベートの掛け声で一同は部屋に戻る。

 聖獣シヴァの旦那様聖獣セイレンが仲間に加わった。

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