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第二百十四話 とどめの一撃を明日のために

 漆黒の勇者エリザベートと聖獣ジスは、全速力で力の限り走り駆けた。


 海賊船を疾風しっぷうごとく駆けて仲間の元へと辿たどり着く。

 月明かりのなかで、闇と光がエリザベートとジスの顔を照らしたり暗くしたりしている。


「さあ。魔王を倒す時が来た」


 漆黒の勇者エリザベートが魔王ヴァーノンを見据える。


 一度は魔王ヴァーノンを倒した。

 あの時は最後には聖獣ジスと二人きりになってしまった。

 

 だが今のエリザベートには、たくさんの力強い信頼できる仲間が出来た。


 生き返ったクラウドが、ランドルフ同様に今日こんにち先ほど女神イシスよりたまわりし聖弓せいきゅうライトクロスを握りしめて、力とエリザベートへの愛を込めて、矢を放つ!


「くたばれ!」

 西国の獅子にして漆黒の勇者エリザベートの想い人クラウドが渾身の一矢を放つ!


 聖弓の矢から光がほとばしり、魔王の首筋を掠め傷をつけて背後に抜ける。


 それをかわきりに漆黒の勇者エリザベートは聖剣エクスカリバーを握りしめて叫び、皆に最終決戦を告げる。

「これでとどめだ! 皆! 私に続けっ! けー!」

 漆黒の勇者エリザベートは駆けて行く。

 漆黒の兜をかぶり漆黒の鎧とマントを纏いながら、己の限りを尽くしてかけがえのない仲間たちとともに魔王に立ち向かう!


「クラウドっ?!」

「クラウド!」

 エリザベートとジスとセイレン以外は魔王との攻防に夢中でクラウドが生き返ったことを知らなかった。

「よお」

 クラウドは一度皆に笑いかけて走り出した。

 エリザベートを追いかける。


 クラウドが生き返った!

 アンタはそう来なくっちゃ!


 ランドルフも聖剣を握りしめて駆けながら、嬉し涙を零しながら笑った。

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