第二百十一話 エリザベートと倒れない脅威の魔王
エリザベートが振り斬った戦斧バトルアックスから業火の炎の柱が放たれる。
魔王に爆音とともに直撃した。
魔王は業火に包まれる。
エリザベートはまだ緊張は解かない。臨戦態勢を崩さない。
なぜなら魔王は以前倒したような叫びをあげずに、邪悪なる地を揺らす低い声を上げ不気味に笑っていたからだ。
エリザベートはもう一度バトルアックスを振り斬り、炎の柱を魔王にぶつける。
魔王は倒れない。
エリザベートの力の限りの攻撃にも余裕を見せてニタリと笑いながら、天昇しない。
魔王は倒れない。
なせだっ!
どうしたらいいんだ。
エリザベートと仲間たちは少しの焦りを持った。
今はエリザベートたちが有利なはずなのに、どんな攻撃にも倒れない魔王の脅威を感じている。
魔王は燃え上がりながら、炎に巻かれていないただ一部の手の平を横たわるクラウドに向けて、闇魔法の呪文を唱えた。
エリザベートは駆けた。
愛しいクラウドを守りたい。
たとえ。
死んでしまっていても。
クラウドへの冒涜は許さない!
エリザベートの仲間たちは力の限り魔王に攻撃を仕掛ける。
ランドルフとアリアは魔法の攻撃を繰り出し続ける。
ルビアス王子は聖剣雷撃のレイピアを振りかざし魔法陣の力を加えて、魔王を斬りつける。
エリザベートを援護する。
魔王は動けなくても猛烈な闇魔法を容赦なく一同に打ちつけてくる。
エリザベートは横たわるクラウドの体を抱いた。
「ごめんね。クラウド」
私のために死んでしまった。
聖獣ジスと聖獣セイレンが二人を守るように囲んでいた。