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第二百八話 魔王を倒せ

 ルビアス王子が唱えた魔法はエリザベートの仲間たちの結集した魔王の呪いを開放する白の鍵の魔法。

 けっして一人ではせることは出来ない高等魔法である。



 思いついたのは食堂前のベンチに集まり、エリザベートが皆と思案していた時に。

 あの時に、ジャン王子の呪いを解くため、昔ランドルフに聞いたことがある白の魔法をエリザベートは思い出していたのだ。


 一人では作り得ない魔法の鍵は仲間が協力して出来る強力な魔法だ。


 魔王は白の魔法の鍵の眩い光に目がくらんだ。

 倒れる前のクラウドが天空に放ったエクスカリバーの一太刀が右肩に刺さりくらわした影響で、どんどん凍りつく魔王から鍵穴が現れる。


「ルビアス!」

「ルビアスさん!」

「ルビアス」


 ルビアスとエリザベートの周りには、死出の旅に行きかけていた仲間たちがランドルフとアリアの魔法で回復して、こうして舞い戻って集う。

 

 聖獣ジスと聖獣セイレンは閉じ込められたエリザベートの瞳を見ながら、横たわるクラウドのそばに来た。

 

 聖獣バルカンは皆の後ろに立ち、魔王に傷つけられた大きな羽根を力の限り広げて、皆のために温かい癒やしの魔法を出し続ける。


 聖獣シヴァはアリアとランドルフの真ん中に立つ。


 皆が祈った。

 凍りつき動けなくなっていた魔王に白の魔法がかかる。


 魔王を倒せ――


 その一念。

 仲間が強く結束する。

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