第百九十五話 魔王激戦!!
エリザベートが走りながら向かい来る魔獣コウモリたちを交わし斬る!
素早く左に重心をずらし、エリザベートは間合いを取りながら、空中を飛来してくる魔獣コウモリ達に力の限り聖剣を横一文字に振り斬る!
放たれる氷の柱!
雨を取り込み巨大化して刃になりて、次々と魔獣コウモリ達をなぎ倒していく。
クラウドがエリザベートの背中合わせに来て、戦斧バトルアックスを己の力を込めて地面スレスレ左下から思いっきり力の限り右斜めに空に斬る!
天空まで届かんばかりの炎の柱を繰り出す。
次々と魔獣コウモリをクラウドが放った炎の柱の炎が包んで魔獣コウモリ達の魂を天昇させていく。
一騎当千。
エリザベートとクラウドは何百もの魔獣コウモリ達を臆することなく力の限り倒していく。
魔王は空中に飛び上がり、エリザベートとクラウドを憎々しげにギリッと睨んでいた。
魔王は邪悪に染まる血色の悪い紫色の両の手の平を、黒い雲に向けると雷光を集めだしている。
魔王ヴァーノンはそしてエリザベートよりもクラウドの方をジイっと忌々《いまいま》しく邪悪なる瞳で睨みつけていた。
「我のエリザベートにお前は相応しくない」
魔王は呟いてからフフフフッと笑いだした。
「貴様は死ぬがいい!!」
魔王は残虐な大きな口で叫びクラウド向けて魔王直々の雷撃の玉を手に握る。
はるか地上の海賊船へと投げつけ飛ばし、さらに闇の邪悪な魔法を追撃で雷玉にかける。
地上に魔王の雷玉が着く間際に闇の魔法と相まって、エリザベートとクラウドがまだ倒していない魔獣コウモリ達を取り込んでいく。
それは咆哮をあげる邪悪なる魔王の魔獣ドラゴンへと姿を変えた。
「グギャアァァ…」
魔王の嫉妬の業火の思いは魔獣となり、一直線にクラウド目がけて向かって放たれている。
魔獣ドラゴンはそのまま標的をクラウドに決めて空中から凄まじいスピードで襲いかかってきた!