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第十七話 パパイナ島に、出発!

 時間は少しさかのぼる。


 ルビアス王子との晩餐の次の日の朝。

 カトリーヌと聖獣ジスはせっせとオレンジ芋をリュックや大きな麻袋に詰めた。


 そして小さな台車の上に乗せた。


「さあ、出かけるわよジス!」

「おうよ。しかしずいぶん張り切ってるなあ。カトリーヌ」


 思いのほかルビアス王子と聖獣バルカンと過ごした晩ごはんの時間は楽しかった。


 楽しいことというのは生きる活力をくれる。


「バルカンは可愛くておしゃべりで楽しかったなぁ」

「あいつは昔っからおしゃべりだからな。黙ってられない」


 二人は朝もやのなか港を目指す。

 

 生い茂った野生の果物が朝露に濡れて紫に光っている。


「ベリーだ。食って良いか? カトリーヌ?」


 聖獣ジスはベリーに目がない。


「良いよ。野生だし」

「やっほーい!」


 犬の姿の聖獣ジスはベリーに向かって一直線に走って行った。

 カトリーヌのはるか先を行く。


「さあ! パパイナ島へ出発よ!」

 カトリーヌは荷車を押しながら自分に気合を入れた。


 向かうはさかえる街カカアカラがあるパパイナ島だ。


 カトリーヌの胸は高鳴る。

(カカアカラで何を買おうかしら?)

 この間はかわいい花の形の髪留めを見つけた。


 カトリーヌの短くも艶がある金の髪をもっと華やかにしてくれる。


 カトリーヌの足は自然と早足になっていた。



 そこに今後の人生にかかわる重要な出会いがあるとも知れずに。

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