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第百六十七話 海賊船のなかで

ララに連れられてエリザベートたちは、海賊船に乗り込む。


 暗がりに、篝火かがりびや燭台のろうそくの燈火の火種が手慣れた調子で元海賊たちによって次々ともたらされて、一斉に灯していく。


 互いの顔がはっきり見えるほど、船内は明るくなる。


 エリザベートも仲間たちも、海賊船を興味深く見渡す。


「とっても立派で頑丈そうな船ね。綺麗に手入れがしてある」


 本当だった。

 ララは海賊をやめてからも定期的に愛する船を訪れては手入れをしているんだね。


「ハハハッ、分かるかい? 私の宝物だからね。捨てられなかったのさ、この船を。海賊が大嫌いだったのに未練がましくね。――そうさ、私はいつかまた乗る気がしてたよ。私はエリザベートの為に、アンタの役に立てるなら本望だよ」


 ララは、瞳を輝かせ熱く語った。


 入らせてもらった海賊船。

 ある意味、聖域かのような雰囲気すら漂う。

 海賊船の船内は広々として、きらびやかであった。

 微かに深い洋酒の香りと香水とあとは香辛料のような匂いがした。


 船が現役の頃ならば、香りはむせび返すように強く辺りに漂っていただろう。


 きっとそれから、魚などの食料と海賊たちの船歌も陽気に加わっていたに違いない。


 この船ならば、多少の嵐だってびくともしないだろう。

 ララの愛する船は、そう思える立派な海賊船だった。

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