第百四十八話 女王快諾す
兄弟は、さっそく女王あてに馬を出した。
夜はまだ宵の口だったが、女王を労り女王のためを思う彼らはまず宮殿への来訪の一報を走らせたのだ。
「兄者。なにやらワクワクするなあ」
弟は久しぶりのクラウドの手ががりに胸を躍らせて。久しぶりに獅子の顔を拝めると昂ぶった。
兄はそんな弟を見て「私もだ」と笑った。
女王からはすぐに返事が来て宮殿に急ぎ来るよう、女王つきの大臣がやって来た。
女王も気がかりだった獅子の足跡の便りに胸を躍らせているようだった。
そして次の日早朝、伝令の馬は先駆けでクラウドの元へ二頭が走り去って行った。
クラウドに宛てた女王の手紙はこう書き記されている。
【親愛なるクラウド
お元気でしょうか?
私は、あなたが気がかりでなりません。
あなたからの要請文は、たしかにこの手に受け取りました。
パラジト国は全面的にあなたに協力いたします。
漆黒の勇者エリザベートの忠実なる支援国となりましょう。
ルーアン第二世】
「面白くなりそうだな」
「ああ」
獅子の片腕たちは遠く将軍クラウドを思い、またこれからの冒険の旅に思いを馳せ、湧き上がる闘志に胸の高鳴りを感じていた。
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