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第百四十五話 クラウドの苦手なランドルフ

 エリザベートとクラウドは寝袋や装備などを買いつけてから、仲間たちの待つエリザベートの白い家に戻った。


「みんなっ、ただいま!」

「戻ったぞ」


 わりと大荷物になったがクラウドがほぼ荷物を持ち、エリザベートは仲間たちのために専用の水筒を買ったりした小物袋を持ち帰っていた。


「お帰りなさ〜い」

「お帰りなさいだ」


 聖女アリアとダンバはエリザベートの農園で収穫した新鮮な果物を小鍋でコトコト煮てジャムなどにしていて、黒の魔法使いランドルフはアリアのすぐ近くで魔法書を取り出して、なにやら難しい顔をしていた。


「フッ。……お帰り〜」


 黒の魔法使いランドルフは席から立ち上がりエリザベートに近づいて、買い出しに行って手に入れて来た物を一緒に手伝い運んだ。


 家の扉から中に入るとエリザベートはクラウドから素早く離れた。

 

 クラウドは黒の魔法使いランドルフがこちらを見て、意味深にニヤリと笑った気がした。


(ああ、コイツが一番イヤなんだよな)


 クラウドはランドルフのかき乱し方が腹が立っていたがエリザベートと心通わせた今は違う。

 クラウドには余裕が出来た。

 クラウドはランドルフがなにかと苦手で心にズカズカと入られたが、エリザベートに好きだと告げてもらえたからこそクラウドは揺るぎない自信がついていた。


「エリザベート」


 クラウドは、ふんっ、なにか悪いことしたわけじゃあるまいしと思った。


 まあ、エリザベートを好きなルビアスには男としてちゃんと告げるべきかと悩んでいるが。


「なっ、なあに? クラウド」


 エリザベートが恥ずかしげに笑いながら(まずいわ、さりげなく)と思いすぎてたからか、かえって態度がぎこちない。


「下手くそだなあ」

 ランドルフはにやあっと笑った。


 ぜったいにコイツは勘づいている。

 俺とエリザベートが一歩関係が進んだことを。


『エリザベートは下手だなあ。隠すのが』とランドルフは言っているのだ。


 クラウドは顔を右手で覆った。

 だからコイツはなんだか苦手なんだよ。

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