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第百九話 元女海賊ララと仲間たち

 翌日エリザベートは犬の姿の聖獣ジスとともに、朝早くから元女海賊ララの元を訪れた。


「ララー!」


 エリザベートはララの姿を彼女の農園の遠くに見つけて嬉しくて大声で叫んだ。


「カトリーヌ! 帰ってきたのかーい?」


 元気いっぱいのエリザベートにララも大声で応える。

 豊かな赤毛と金髪の交じった長めの髪をバンダナで巻いて農作業に邪魔にならないように縛っている。

 瞳は茶色がかった美しいトパーズの色。

 彼女は太陽みたいで。

 姉のような人だ。

 暖かくて陽気に笑うと豪快で。

 

 エリザベートの姿を見つけて広い農園から走って来た。


 周りにはたくさんの元海賊たちが朝早くから働いていて汗を流していた。


「カトリーヌだ」

「カトリーヌが来たぞ」 


 エリザベートを見つけると喜んで騒ぎ出した。


「アンタ。……今回の行商の旅が大変だったのかい?」


 ララがエリザベートの長く黒くなった美しい髪を触った。


「そっか。ごめん。私は本当は名前をエリザベートって言うの」

「いいさ。アンタがただ者じゃないことぐらい分かってたさ」


 ああ、私は、……この髪に戻ってたんだ。と、いうか、すっかり金髪の短い髪だったことを忘れてたわ。

 ここ数日は、濃い一日を過ごし、目まぐるしくって。


「ううん。オレンジ芋を売りに行くのはいつでも楽しいし、今回だって……。ただ、いつもとは違うことが起きてね。……私、戦いの仲間が出来たの」


 エリザベートはララにカトリーヌになったことから今までのことを簡単に説明した。


「カトリーヌ……いや、エリザベートだったね。えらいよアンタは!」


 そう言ってララは思いっきり愛しいエリザベートを抱きしめた。

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