表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/217

第百三話 眠りに落ちて

 大型帆船からエリザベートの白い家に来た。

 ランドルフはアリアたちと協力してすべての毒に冒された者たちを回復して、みんなでエリザベートたちのもとへ戻った。

 ルビアス王子に防衛魔法を教えたりもした。


 黒の魔法使いランドルフは夕ご飯が出来るまでは、仮眠を取りたいとエリザベートに申し出たらあっさり承諾された。


「クタクタだ」


 聖女アリアもいつの間にかロッキングチェアで眠りに落ちていた。

「ずっと魔法を使いっぱなしで疲れたのね」

 優しくエリザベートはアリアに毛布ををかけ、微笑んだ。

 そしてソファに横になるボクにも毛布をくれた。

「どうぞ」

 なんとボクにも微笑みつきで。

「君は天使のようだね」

 エリザベートに語りかける。

「…どうしたの? ランドルフ。機嫌取りならしなくてもいいわよ」

 エリザベートが怪訝そうに笑う。

「それとも君は聖母かな?」

「どうしたのよ? 疲れすぎた? 歯が浮くセリフを私に言ったってなにもでないわよ」

 エリザベートの小さな家は外観からの想像よりはまあまあ広い一部屋しかなくて炊事場もすぐに見渡せる。

 料理を作るクラウドとルビアス王子に、時々は手伝うダンバ。

 ダンバはあまり料理をしたことがなさそうだな。


「ねえ。君。クラウドとなんかあった?」

 仕方ないから小声で気を使って言ってやった。

 ボクはこういうの鋭いんだ。昔から。

 顔が真っ赤になるエリザベートを見ながら、ランドルフは眠りにおちた。


(君らってかわいいな)

 ランドルフはからかいたくなる。

 そう。

 昔から。

 黒の魔法使いランドルフはアルフレッドとエリザベートが城の庭で遊んでる夢を見た。


「来いよ。ランドルフ!」

「ランドルフもいっしょにあそぼう。早く早く!」

 優しい友達はボクにも声をかけてくれる。

 三人でよくかくれんぼをしたよな。

 

 ごめんなさい。

 裏切るつもりなんてなかったんだよ。


 ねえエリザベート。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ