オカルト研究部(8)
あらすじ
鴨川洋子が間違って召喚をした悪魔は、玲子が魔方陣をトカゲの力で無効化したため消滅する。腰のトカゲは様々な物をキャンセルできる事に気がつく。
保健室で天之宮武雄が私の腰に冷たいペットボトルを当てている。そろそろ冷えてお尻が気持ちいい。「武雄 もういいわ」武雄の手からペットボトルを受け取る。お尻を手で、なでながら痛みと熱さが無い事を確認する。
「洋子……」私はオカルト研究部の部長に声をかける。鴨川洋子は混乱をしている。「……あれも手品?」と常識から外れた状況を認識出来ない。かなえが保健室に入ってくると「どうするの?あんなに簡単に悪魔を呼べるって?」武雄も洋子を見ながら「召喚を行えるタイプかもしれないな」とつぶやく。本を読んだくらいで召喚できるなら世の中は悪魔だらけになる。
「洋子 あなたはどうも本物を呼び出したみたい」私から説明するしかない。きょとんとする洋子は半笑いになるが、自分の体験を否定できる要素が無い。「本物とか居るの?」私はもちろん悪魔を見たのは初めてだ。「わからないわ ただあなたの術式で召喚できたのは事実 二度としないと誓って」洋子はうなずくしかない。
「それで部活動どうするのよ?」かなえはオカルト研究部で使ってた部屋が荒れているという。パイプ椅子も壊れた。備品が壊れた理由も用意しないといけない。「しばらくは お休みしましょう」私は洋子に納得してもらうしかなかった。
次の日は舞子は写真部に顔を出すと言う。私は目で洋子を探すがもう居なかった。かなえが近づくと「部活動なんでしょ?」と私の手を握る。最近は私と部活動に行くのが日課なのか、部の内容はなんでもいいらしい。仕方が無いので写真部に顔を出すと洋子と敬一が居た。
「どうしたの?」私が洋子に話を聞くと、姉が写っているポラロイド写真を持っている。舞子が写した写真だ。民俗学研究部&写真部の部長の敬一は、死んだ姉に体を乗っ取られて姉の顔に変化している。憑依写真になる。「本当に心霊写真なんですね」と嬉しそうだ。
その日は写真の話で終わる。翌日になると朝に私の席に洋子が来た。「あの相談があって……」私は立ち上がると廊下に連れ出す。「なにか問題?」私は緊張をして待つ。「ええっとですね……敬一さんとデートしたくて」私は怪訝な顔をする。「それで集団デートしたいなぁと」「はぁ」私はどう反応すべきか迷った。
続く