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窓辺の少女 オカルト研究部  作者: WsdHarumaki
7/12

オカルト研究部(7)

あらすじ

鴨川洋子かもがわようこは、恋のおまじないと勘違いをして悪魔を召喚してしまう。召喚された悪魔は契約の代償のための血を求めていた。

「誰の血でもいいぞ お前の願いを叶えよう」部長は硬直すると「て…手品?」また手品扱いするつもりなのか、もう彼女は頭が回ってない。私は部長の洋子から手帳を奪うと、見ているページを確認する。「血を使い相手を呪縛する」これは恋占いですらない奴隷を求める呪文だ。もちろん悪魔を返す方法なんて載ってない。キャンセルができるわけもない。「武雄だめ、私たちでなんとかしないと」


武雄が銀鈴を使う、一発目から大音量で鈴を鳴らすと小刻みに揺らす。平衡感覚がなくなり私は立っていられない、座り込んだ。鈴による呪縛だろう、動けない。「悪魔を呼び出したからには血が必要だ」悪魔は魔方陣から私たちを睨み付ける。


かなえが自分の胸を開くとカッターナイフを取り出す。蛇を出す呪いだ。制服の前を大きく広げる。醜くく歪んだ生傷だらけの胸元にカッターナイフを突き立てる。武雄をすぐ止めに入る。「離してよ」かなえは抵抗するが、蛇を出すと惨劇になる。かなえが暴れている中で私は、腰のトカゲを思い出す。呪縛を解けるなら、魔方陣も呪いにならないか?ただ今回は西洋の魔術だ。トカゲが通用するのだろうか?


私は立ち上がる。武雄は鈴を鳴らしているのをやめている。私は走ると布に描かれた魔方陣に触れた。布なのにその感触のおぞましさは表現できない。布のぬめり具合は、便器にある糞尿に触れたような発狂しそうな、すぐにでも手を離したい衝動で苦しむ。今回は激痛よりも先に熱を感じた。熱い、痛い、そうだ熱々のフライパンを間違って触ったような感じだ。飛び上がりそうなのを我慢するとすぐ激痛が来る。痛みで失神しそうだ。


「Ενοχλητικός」(不愉快)と悪魔はつぶやくと悪魔の姿が薄れる。魔方陣の効力をトカゲがキャンセルする。霊的な現象をトカゲは破壊していた。「Ο Ιεχωβά είναι νεκρός」(神よ呪われよ)彼女は言い残すと一瞬で消えた。


悪魔が消える前に私は既に気を失っていた。目覚めると保健室のベッドに寝かされていた。腰の激痛がやばい。「イタタタタ」武雄が近寄る。「大丈夫か」「だめ腰が痛すぎる」私がそう言うと、武雄は腰にふれてスカートの上から触る。私は「ヒッ」と声が出る。


「熱いな速く冷やそう」彼は保健室からあわてて出て行く。あの男は従妹の尻を触っても平気と勘違いをしている。戻ってくると冷えた飲料水を持ってきた。「これを腰に当てるぞ、あとで見ないといけない」もう見る前提だ。でも痛いのは事実で黙って冷えたペットボトルをトカゲに当てた。


「平気か?」優しく武雄が言葉をかける。私が「大丈夫 まさか悪魔が出てくると思わなかった」とお尻をさすりながら、トカゲの力が強すぎるのではないか?と心配になってくる。ガラガラと戸が開くと舞子達が入ってきた。「なにしているの?」怪訝そうに私たちを見る。武雄は私の尻にペットボトルを当てている、絵面として異様だ。


「腰が痛くて」と誤魔化すが舞子は黙ったままだ。オカルト研究部の部長の洋子は混乱している様子だ。整理して話す時期が来たようだ。


続く

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