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おっさんの徒然エッセイ

読解力とは



 先日、炎上上等な釣りタイトル作品「読解力が低い方がいるという事実」というのを投稿したんですが、残念ながら、作者の力量不足と圧倒的知名度の不足で炎上どころかボヤにもなりませんでした(´・c_・`)


 で、アンチコメントを書きますと、わざわざ応援して下さった、大変に人格者な方の批評コメントで、そもそも読解力の基準が明記されていないと、会心の一撃を喰らいまして、あー確かに、OECDの件をさらりと書いただけで、私自身の考える基準が全く触れられていないと気付きまして、これは片手落ちであると思ったため、今更ではありますが、読解力とは何かについて、私なりの所見を書いていきます。


 読解力とは


 日本では現代国語の授業やテストで「作者の気持ち」として問題を出されるために、読解力と言うのが、何かエスパーのような能力だと思ってしまう方もいるとは思いますが、実際にはもっと、論理的な能力だと思っています。


 読解力とはなんでしょうか。

 それは文章の中にある情報を理解する能力であり、また、複数のソースを比べて、信用度の高い情報を割り出す能力ですね。


 例えば

 朝7:00、僕は卵焼きと味噌汁で朝食、あー今日は大事なミーティングが、卵焼きは甘すぎた。トーストに塗るのはバターだけにして、ミーティングの時間が8:00だから急がないと、身支度にはいつも10分かかる。焼きすぎたトーストが焦げくさい。家から会社は30分だ。


 こんな感じのむちゃくちゃな文章があるとしますね。で、この時の作者の気持ちを述べなさいって問題がありがちなんですが、作者の気持ちなんて、わかんないですよね。仕事行きたくないかもしれないし、会議めんどくさいかもしれないし、反対に会議にやる気まんまんかもしれない。

 読解力と言う意味では、例えば、主人公は何時に家を出れば、ミーティングに間に合うでしょう、というような物が適切でしょう。

 冒頭、朝7:00だと述べた上で。

 会議は8:00に始まること、会社まで30分かかることが書かれてますから、逆算すれば、7:30より前に出れば良く、身支度にいつも10分かかると言っていること、すでに朝食を食べはじめていることから、余裕を見て7:20前後には出るのだろうと推察されますね。

 このように、文章の中にある情報を組み合わせて、演繹法によって特定の事象を類推していく能力が読解力だと言えます。

 また、いくつかの資料や辞書などを用いて、その情報を擦り合わせ、虚偽の情報、確度の高い情報を割り出すなど、こちらは沢山の情報から矛盾や整合性を判断して、整える能力とも言えますね。


 つまり、読解力とは羅列されている文章情報を整理し、カテゴライズした上で、それを独自につくったフォーマットに落とし込み、理解しやすい状態にした上で間違いや齟齬を弾き正確な情報を割り出す能力なんだと思います。

 行間を読むことも読解力に含まれますが、これはあくまで、情報から推察される範囲を出ないものだと思います。

 詩情表現などの引用元や世情を勘案している部分を考察するのは教養であり、読解力とは違うと思うんですね。

 先ほどのめちゃくちゃな例文だと、彼の会社がリモートの会議ではなく、会議室に集合しての会議を行っているだろうと、「身支度」と「会社までは30分」という文言で、身支度して会社まで行かなければならない状況が想定されますから、予測出来ますね。

 勿論、彼を含めた数名のみが会社に赴いている可能性もありますが。

 たいして、卵焼きが甘すぎた、という文言に砂糖を使っているから、彼の出身は○○だ、みたいなものは、確かにそうかも知れませんが、本文の情報だけでは確定出来ませんね。

 これが、もう少し確定的な、例えば現状は東京にいて、東北から引っ越してきた、のような文章があればまた別ですね。


 セリフから登場人物の感情などを考えるなども、結局のところは前後の文脈、書かれている人物の性格や年齢などから紐解く訳ですね。

 読解力はこのように論理的思考の立って、与えられている情報から必要なものを抜き出す、または与えられている情報を正しく判断するという、事務的な能力だと考えています。


 作者の気持ちのような曖昧模糊として、答えのない問題を提起することで、本来のロジカルな性質から、どこかグルーヴのような芸術を理解する能力みたいなものに変換されてしまっているように思います。

 もっと事務的に文章をパズルのように単一の情報までバラした後で、それを組み換えてそこに含まれている情報を精査するものだと、私は思ってるんですね。


 最後に

 

 こうした事を踏まえて、読解力の低い方とは、つまるところ、文章を読むさいに私情を廃して客観視することが得意でない、文章の中にある情報をカテゴライズ分け出来ていない。といった事が考えられる訳ですね。

 文章を読むさいに小説作品などなら感情移入もするでしょう。その上で俯瞰して読み直し、配置されている伏線や作者が意図的にミスリードした部分を探すのはパズルを解いているような作業ですね。

 このパズルを解いているような視点を持つことで読解力は鍛えられると思っています。


 千ピースパズルを裏返しで組むのが好きなドMな作者の考察でした。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 「読む際に私情を廃して客観視する」 実はコレ、「占いの奥義」だったりもします(リーディングって言います)。 この「私情を廃する」ために、(紛い物ではない)占い師は占い道具を神聖視してみたり…
[良い点] そう! 私情を排除して正しく意味をとる! 私はこれが苦手でねえ〜……。 どうしても『これはタラバガニのことが書いてあるんだ!(๑•̀ㅂ•́)و✧』と思い込みながらザリガニについての文章を読…
[一言]  つ ミルクパズル
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