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8日目 新しく増えた獣人と木の柵を作りました!

 俺が時魔道士をマスターした翌日。それは起きた。

 突然の来訪者だった。


「誰かいないにゃんかー」


 寝床にしている教会の外から声が聞こえた。

 朝っぱらから何事だ。


 そう思いながらレナを連れて俺は教会の外に出た。


「何だ獣人じゃないか」


 そこにいたのは獣人だった。

 猫に似た耳をした人型の生き物がいた。


 猫の耳を持って短い銀髪の可愛い少女。


「どうしたの?」

「にゃふふふー」


 少女が笑う。

 尻尾をフリフリさせながら笑っていた。


「旦那かにゃ?」

「何が?」

「この前ここでずごー、ばごーって何かを感じ取ったにゃんね。にゃるでなければ見逃してたにゃん」

「えっと、何の話?てかすごー、ばごーってなに?」


 俺は逆に聞き返す。

 うーん。話が見えてこない気がするなぁ。


「惚けても無駄にゃんね。この方角からこの世のものとは思えないほど素晴らしく、とてつもない時魔法を感じたにゃん。ダンニャは何か知ってそうな気がするにゃん」


 俺はレナに目をやった。

 彼女は肩を竦めている。

 言ったじゃないですかーと言いたげな顔だった。


「確かに俺は時魔法を使ったよ」

「にゃに。ダンニャが使ったにゃんか?」

「うん」

「ダンニャ。にゃるを雇って欲しいにゃん」


 急にそんなことを言い出す少女。

 どうしたのだろう。


「ダンニャ。にゃるは役に立つにゃる」

「うーん。この中は廃村だけど、それでもいいならいいよ」

「にゃ、にゃに?!ほんとにゃるか?!」

「うん。いいよ」


 別に俺の土地でもないし来るもの拒まず。


「やったにゃる!」

「ところでどうして俺に?」

「ふっふっふ。ダンニャのような凄い時魔道士について行けばにゃるも高みを目指せると思ったからにゃる」


 俺に着いてきて目指せるのは高みじゃなくて低みだと思うけど言うのは野暮か。

 そう思いながら俺は口を開く。


「よし。今日は守りを固めよう」

「守り、ですか?」


 聞いてくるレナに頷く。


「ここは廃村のままだからね。きちんと村としての機能を取り戻させて外敵から身を守らないといけないからね」


 今のところはまだ問題なさそうだけどこれを放置しておくと何処からでもモンスターが入ってくる。

 だから柵などを作って守りを固める必要がある。


「ふっふっふにゃるの出番にゃんね」

「その前に名前は?俺はシアンだけど」


 聞き忘れていたことを聞いておこう。


「シャーニャにゃる」

「おっけシャーニャね」

「にゃるは設計図を書くのが得意にゃる。柵の図案と必要な資源を書くからちょっと待つにゃん」


 彼女はそう言って教会の奥へ入っていった。

 よし、俺はその出来上がった図案から作業をしやすいように適当なジョブのマスターをしておこう。


───────

→建築士

───────


 いいのがあったのでこれにしておく。

 多分これでいいと思う。


 早速ジョブチェンジ!


───────

名前:シアン

ジョブ:建築士

レベル:20

固有スキル:ジョブチェンジ

───────


 次にコマンドリストを見る。


───────

→建築

───────


 とだけコマンドがあったので俺はひたすらこの建築の素振りを行うことにした。


【累計2500ポイント。建築士をマスターしました】


 と出たのでいつも通りすっぴんに戻る。


───────

名前:シアン

ジョブ:すっぴん

レベル:20

固有スキル:ジョブチェンジ

汎用スキル:

・騎士の誇りEX

・召喚士のカリスマEX

・賢者の知恵EX

・テイマーの慈愛EX

・時を操る者EX

・建築士の魂EX

───────

───────

・建築士の魂EX

あなたは建築のすべてを理解した。建築魔法の効果が大幅にアップする。

───────


 ふむ。

 どうやらこのジョブのマスター特典はこんなものらしい。


 俺の素振りも早くなったようで昼に終わった。


 「出来たにゃる」と言うシャーニャから設計図を受け取って村の外周部に向かった。


「にゃる。設計図は簡単なものにゃる。木の柵だから強度はあまり期待しないで欲しいにゃるね」

「まぁ、ないよりはね」


 そう言いながら俺は建築魔法を使っていく。


【材料を選択してください】


───────

→木

───────


 勿論木で作成していく。

 この木は俺が素振りしている間にゴブリンに集めさせたものだった。


 これに魔法をかければ自動的に建築されるというのが建築魔法らしい。


「クラフト」


 俺は魔法名を呟き木に魔法をかけた。すると材料である木が自動的に柵の形へ変わっていく。


「おー。にゃるにゃる。ダンニャは凄いにゃる。時魔法も建築魔法も使えるにゃるか」


 だが、途中で明らかに木の柵では無くなってきていた。


「あれ、途中で間違えた?」


 いや、そんなことはない。

 建築魔法はイメージがあれば魔法を使うだけで勝手に出来上がるらしい。


 だがこれは


「にゃ、にゃるるるる?!!!!!」


 隣にいたシャーニャも驚いているし


「な、な、な、何ですかぁぁあぁあ?!!!!これはぁぁあぁあ!!!!」


 レナも驚きながら下がっている。

 勿論俺も後ろに下がる。


「な、何をなさっているんですかぁぁぁぁ?!!!!!シアン様ぁぁぁぁぁぁぁ?!!!!!」


 前も聞いたような言葉を投げかけてくるレナ。

 俺たちの目の前でそれはどんどん大きくなっていく。


「し、知らないよ?!俺何もしてないもん?!」

「にゃるぅぅぅぅ?!!!!」


 俺たちはただ下がることしか出来ない。

 だが、それはやがて大きくなるのを辞めてそこに鎮座する。


「だ、ダンニャ!これはどういうことにゃる?!」


 それを指さして聞いてくるシャーニャ。


「にゃるは高さ1mくらいの薄さ数十センチの柵を設計したにゃるよ?!」

「そ、それは分かってるんだけどさ」


 俺はただあの設計図を元に魔法を使っただけだよ?


「こ、これは柵じゃなくて砦にゃるよ?!村じゃなくて国を守るものにゃるよ?!」

「そ、そうですよ!シアン様?!これ高さ10メートルくらいありますよね?!厚さもメートル単位ですよね?!とてもこんな廃村守るものじゃないですよ?!一体何からこの村を守るおつもりなのですか?!」

「あの設計図からどうやってこんなものが出来上がるにゃるか?!あの資源じゃどう見てもこんな砦出来上がらないにゃるよ?!」

「シアン様?!どんな魔法を使えばこうなるのですか?!」

「だ、だから知らないよ?!」


 その後俺は日が暮れるまで質問攻めにされたのだった。



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