2日目 ドラゴンを仲間にしました
【次のレベルまで10】
「何?これ」
こんな数字見れたんだ。ってかレベルって何?
というよりなんのレベルなんだろう?
そう思いながら記憶を漁る。
「この経験値を稼ぐとジョブのレベルが上がるのか?」
どうやらジョブにもレベルがあるみたいだ。
そう思いながらとりあえずギルドの外に出る。
あそこにいても何も出来ないし。
経験値はどうやって稼ぐんだろう?
そう思いながら記憶を探すと。
「へー。普通にモンスターを倒しても貰えるし、え?」
なんと、一応成功法ではないけど小技として素振りでもポイントとやらは貰えるみたいだ。
俺はナイトの技を調べてみることにした。
【どの技を使いますか?】
───────
→カウンター
・まもる
・かばう
───────
何でもいいやと思った俺はとりあえずカウンターを使ってみた。
ただ盾を構えるだけ。
しかし、何も起こらない。
でも念のためとりあえずもう一度経験値を見てみた。
【次のレベルまで9ポイント】
「1だけど減ってる!素振りでもいいんだ!」
それが分かった俺は1回、2回、3回と素振りしていった。
そうしたら
【ナイトのレベルが2に上がりました。次のレベルまで500ポイント】
「ご、ご、ごひゃくぅぅぅぅ?!!!」
そう思ったが
「あ、俺名実共に無職だった。時間なら無限にあるじゃん?毎日がエブリデイじゃん?」
よし!
ならやる事は決まった。
とにかく素振りだ!
素振りあるのみ!
そうして俺は1日かけて素振りした。
【累計ポイント2500。ナイトをマスターしました】
と、ウィンドウが表示された。
「や、やったー!!!!!」
ナイトをマスターした!
でもマスターしてどうなるんだ?!
とにかく素振りだけしてたけどマスターしてどうなるのかを俺は思い出すつもりすらなかった。
え?!だって素振りするだけで経験値溜まるって知って嬉しすぎてそんなこと考えてもなかった!
まぁいいや。
これマスターしてどうなるんだろうってウィンドウが出てくるのを待っていると。
【ジョブマスター特典としてナイトの特性がすっぴんへ引き継がれます】
そう表示されて俺は急いで、すっぴんにジョブチェンジ。
そして
「ステータスオープン!」
早くどうなってるのか見たくてオープンした。
───────
名前:シアン
ジョブ:すっぴん
レベル:20
固有スキル:ジョブチェンジ
汎用スキル:
・騎士の誇りEX
───────
「や、やったー!!!何か増えてる!!!!」
今まで表示されていなかった汎用スキルという欄が表示されるようになっていた。
その喜びを噛み締める。
「えーっと、なになに」
俺は騎士の誇りを選択して詳細を確認してみた。
───────
・騎士の誇りEX
あなたは不屈の闘志を手に入れた。戦闘不能になるダメージを受けても99回まで耐えることが出来る。
───────
「ん?何だこのスキル」
んー、特に強そうに思わないんだけどなぁ?
ゲームではとにかくナイトをマスターしていればいいって過去の俺は言ってたけど本当にこれで良かったのだろうか?
うーん。分からない。
「とりあえず他のも素振りしてみようかな」
そう思った俺はジョブを選ぶことにした。
ジョブチェンジ!
───────
・ナイト☆☆☆☆☆
→狩人
・竜騎士
・モンク
───────
どうやらマスターしたら☆がつくみたいだ。
うーん。狩人はつまらなさそうだと思った俺はウィンドウを下にやってみた。
他に何かないかな。
───────
→召喚士
───────
お?面白そうなのあるね?
そう思った俺は召喚士になってみた。
───────
名前:シアン
ジョブ:召喚士
レベル:20
固有スキル:ジョブチェンジ
───────
ジョブ説明を読むとどうやら使い魔を召喚して戦うジョブみたいだ。
よし!
とにかくこれも素振りだ!
【どの技を使いますか?】
───────
→召喚
───────
俺はとにかく召喚モーションを繰り返す。
ちなみに召喚の方は杖を装備していないので失敗し続けている。でも、問題ないらしい。
また一日が終わって朝を迎えていた。
【累計5000ポイント獲得。召喚士をマスターしました】
と出てきて俺は急いですっぴんに戻る。
───────
名前:シアン
ジョブ:召喚士
レベル:20
固有スキル:ジョブチェンジ
汎用スキル:
・騎士の誇りEX
・召喚士のカリスマEX
───────
───────
・召喚士のカリスマEX
あなたは召喚する対象と絆を深めた。召喚を行うのに必要な魔力が減少する。
───────
「ふむ。素振りしてただけだし別に絆なんて深めてないけど。とりあえず召喚士の杖を装備してみよう」
呟いてコマンドリストを見てみる。
───────
→召喚
───────
【何を召喚しますか?】
───────
以下、消費魔力0
→ドラゴン
・キメラ
・ケルベロス
───────
「ど、ドラゴン?!てか何だこのラインナップ!全部Sランクモンスターじゃないか!」
ドラゴンはモンスターの中でも最強と呼ばれているモンスターだった。
そんなモンスター本当に召喚出来るのだろうか?
考える前にとりあえずドラゴンを召喚してみた。
すると俺の足元に魔法陣が現れてそこからドラゴンが出てきた。
「あれ?あんまりデカくないんだな」
ドラゴンと言えばもっと大きい10メートルくらいのを想像していたんだが俺の前に出たのはせいぜい2mくらいのドラゴンだった。
それに見た目がこれだとあんまり強そうに見えない。
「がうっ」
しかしドラゴンらしい声で俺に応えてくれる。
そうだな、見た目なんて関係ない。
「よし!お前の名前はドラだ!」
「がう」
分かっているのか分かっていないのかよく分からない返事を返してきたが背中に飛び乗る。
「よし!行くぞ!」
「がう」
「行先は任せたぞ!何処でもいい!お前の行きたいところに飛べ!どうせ俺はこれから毎日休みだ!どっか行こうぜ!」
追放されたと言えば聞こえは悪いけれど自由になったと考えれば今の俺はとても清々しい気持ちだった。
もう働かなくていいのだから!
「がう!」
バッサバッサと翼を揺らして飛び立つ。
さて、何処へ向かうことになるのやら。
俺はドラの背中で寝ることにした。
素振りだけしていて満足に休んでいなかったから疲れが溜まっていた。
後のことはこれから考えよう。どうせ毎日休みだし。