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11日目 分からせました

 律儀に俺の部屋にやってきたナナ。


「本当に来るなんてな」

「約束だもの」


 そう言って俺がベッド代わりにしている机の上に座るナナ。


「わ、分かってるわよ……」

「へー」


 俺は隣に腰を下ろす。

 羞恥に顔を赤くしているのがはっきりと伝わる。


「俺が何を望んでるか分かる?」

「分かるわよ。そんなこと」

「口にしてみなよ」

「い、言わせるつもり?」

「ほら言ってごらんよ」


 ニヤニヤした顔で口にする。

 それにしても俺の中身はおっさんだ。

 前世の俺が結婚して子供を作っていたのならこれくらいの娘がいたかもしれないしいなかったかもしれない。


「……」


 顔を赤くして自分の服に手をかけるナナ。

 その手は震えていた。


「俺のグングニルは最高ですか?」

「エリンギの間違いでしょ?」

「ところで何故服に手をかけてるんだ」

「え?」


 ナナが呆気に取られたような顔をした。


「え、だ、だって私は決闘に……」

「負けたから?」

「だから、その……」


 軽く笑って立ち上がる。


「何を考えてるのか知らないけど俺はただ『今夜部屋に来い』としか言っていない」

「だ、だからつまりそういうことなんでしょ?!あんたグングニルがどうとかって!」

「グングニルってこれのことだけど?」


 俺は竜騎士にジョブチェンジした。

 竜騎士は槍を持って空を飛び回って戦うジョブだ。


 そして俺は手に持つ槍を顎で示した。


「これがグングニル」

「た、ただの木の槍じゃない?!」

「名前は大事だろ?」


 そう言って俺は槍を構えた。


「いけ!グングニル!と、いけ!木の槍!じゃ迫力が違うだろ?」

「そ、それはそうだけど」

「ところでお前は何を考えていたのかしらないがシメジって何のことだ?何を想像してたんだ?」


 ニヤニヤしながら聞く。

 別に答えなくても何を考えていたかは分かるけどさ。


「う、うるさいわね!」

「おー、怖い怖い」

「ちょっと!からかわないでよ!」


 顔を真っ赤にして叫んでくる。

 でも何処かホッとしたような顔をするナナ。


「ところで、私を呼び出して何の用なの?」

「付き合って欲しい」

「え?」


 顔を赤くするナナ。


「つ、付き合うって?!」

「何をそんなに驚いてるんだ?」

「え、そ、その私達出会ったばかりだし……そ、そのつ、付き合うって?」

「は?何を言ってるんだ?」


 俺にはこいつの脳内が理解できない。

 出会ったばかりだからなんだというのだろうか。


「え?ちょ、ちょっと?!私の意思は関係ないってこと?!」


 何だ?意思とかどうとかって。


「付き合うことに意思も何もないだろ?それにお前は俺に負けてる」

「くっ……そうくるのね……」

「当たり前だろ?」

「分かった。付き合う。私は敗者だからね」

「そうだ。付き合ってくれ」


 俺はそう言ってナナの腕を掴んだ。


「ひゃっ!ひゃぁ!」

「何?」


 不思議そうな顔で見つめる。

 こいつに合わせてたら日が暮れる……じゃなくて日が登ってしまうから俺に合わせるように掴んだんだが。


「ちょ、ちょっとシアン。何で腕を掴むのよ……手を握りなさいよ。付き合うんだから」

「なに?手でもいいなら別にいいけど」


 俺は手を繋ぎ直した。


「ほら、いくぞ」


 何故か顔を赤くしているナナを連れて俺は廃村の外に出た。


「ここで何をするの?」

「少しテストをね」


 俺はそう言ってナナに模擬戦を依頼する。


「も、模擬戦?!」

「うん。軽く攻撃に当たってくれるだけでいいよ」


 そうしてナナとの模擬戦が始まる。


───────

→刺突

───────


 俺は刺突を使った。


「ひょろひょろじゃないの?!こんなんで私を倒せると思ってるの?」

「いや、別に倒すつもりは無いよ」


 そう言って俺はポイントを確認した。

 ちなみにこの突きをヒットさせる前は次のレベルまで250ポイント必要だった。


【必要ポイント240ポイント】


 素振りが1ポイントだからヒットさせると10倍の10ポイントを貰えるらしい。

 ならば今までに気が遠くなるほどの素振りなんて必要なくなる。


 俺は特に説明することもなく、ナナに棒立ちしてもらった。

 そして、竜騎士をマスターした。

 夜は開けていないどころか俺は槍で100回ナナに優しく触れただけだ。

 時間にして5分くらいかな?


「やった!」

「何がやったのよ?」


 怪訝な顔をしているナナだが質問に答えずすっぴんにジョブチェンジしてステータスを見る。



───────

名前:シアン

ジョブ:すっぴん

レベル:20

固有スキル:ジョブチェンジ

汎用スキル:

・騎士の誇りEX

・召喚士のカリスマEX

・賢者の知恵EX

・テイマーの慈愛EX

・時を操る者EX

・建築士の魂EX

・竜騎士の誓いEX

───────

───────

・竜騎士の誓いEX

貴方は竜騎士として生きることを誓った。

その誓いは貴方を勝利へと導く。

あらゆるクールタイムが激減する。

───────


「ちょっとさっきから黙ってどうしたの?シアンさん?」


 俺に声をかけてくるナナ。

 その時だった。

 

「シャァァァァァアァ!!!!!」


 ナナの背後からスネークが迫りきていた。


「きゃ、きゃぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!」

「貫け、グングニル」


 それに気付いてナナが叫び声を上げたが俺はその前に刺突を繰り出していた。

 ザシュッ!

 ドサッ。

 蛇が倒れた。


「ふぅ……怪我はなかった?」

「う、うん」

「ならよかった」


 ホッと胸を撫で下ろす。

 それを見ていたナナが俺に目をやる。


「し、シアン様のグングニルは最高です//////」


 何故か顔を赤くしてそう口にするナナだった。



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